選手村のメインダイニングホール

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 東京五輪の選手村で提供される福島県産食材が韓国で批判の的になっている。

 韓国では以前から福島第一原発事故の影響から福島県産食材の輸入を規制しており、東京五輪の選手村では福島も含めた全国の食材が提供されるため以前から批判的な声が出ていた。

 そうした中、東京五輪の開幕が近づくタイミングで韓国メディアが一斉に大会で提供される福島の食材を特集。「メディアペン」は「東京オリンピック・パラリンピックの食品供給の業務を担当した福島県の担当者は『数十種類の項目を準備している』と答えた」として、具体的な食品を列挙。桃、トマト、キュウリといった農産物のほか、ヒラメ、カツオ、ニジマス、ほっき貝などの水産物や豚肉、鶏肉などの畜産物も提供されると報じた。

 そのうえで同メディアは「カジュアルダイニングで提供される料理は材料の原産地を表記する方針だ。ただし、世界各国の料理を提供する3000席規模のメインダイニングホールの場合は、原産地を表示する計画が現時点ではない」と一部で原産地が明記されない可能性を疑問視。

 さらに「福島産の魚の放射線量は全数検査ではなく、魚種ごとに標本を抽出する方法で実施され、検査対象となった魚は商品価値を喪失するので、流通しない。直接検査していない対象が出荷される」と水産物の検査方法を批判し、その安全性に疑問を呈した。

 もちろん福島では安全対策を入念に行っており、日本では福島県産食材の安全性は保証されている。韓国では福島第一原発の処理水放出決定に対する批判が高まっていることも絡み、福島の食材を〝政治利用〟する思惑があるようだ。