【6月28日 AFP】日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕(Yasuhiro Yamashita)会長が28日会見し、東京五輪で来日する選手団の新型コロナウイルス感染者をゼロに抑える方法はないとの見解を示した。

 来日したウガンダ選手団の2人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたことを受け、山下会長は空港でしっかり対策を講じることが不可欠だとコメント。「いくらどういうふうにやっても感染者が来ないということはない」との見解を示し、ワクチンを2回接種したとしても「決してそれで全員が陰性とはならない」と述べた。

 また、集団感染の発生を防ぐために空港での徹底的な水際対策が必要だと述べ、PCR検査を毎日実施することも感染拡大のリスク軽減に役立つと語った。

 柔道の五輪金メダリストである山下会長は、練習や試合時以外は選手村から出ることができない選手らに同情の意を示し、海外の選手たちがリラックスして自分を解放する時間が持てるようにしたいと語った。

 さらに「思い出を少しでもつくり、厳しい中でも大会に参加して良かったと思って帰れる、そんな五輪になるように、安心・安全が大前提だができる努力はしていかなければいけない」と述べた。

 山下会長は、海外からの観客受け入れ断念により東京五輪が文化交流の場を提供できなくなったことを悔やむ一方、東京五輪が華やかで巨大化した五輪を見直す機会になり得るとの考えを示し、「転機になる」大会になればと述べた。(c)AFP