J&J、オピオイド問題で和解金250億円 NY州合意
【シリコンバレー=奥平和行】米日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は26日、医療用麻薬「オピオイド」を含む鎮痛剤の中毒問題をめぐり、米ニューヨーク州と和解した。2億3000万ドル(約250億円)の和解金を支払い、州は患者の治療などに充てる。
J&Jとニューヨーク州のジェームズ司法長官が26日に発表した。同州はオピオイド中毒問題をめぐり、2019年3月にJ&Jなどを提訴していた。今月28日に公判が始まる予定だが、和解によりJ&Jは被告から外れることになる。
ジェームズ長官は同日の声明で、J&Jに州内におけるオピオイド系鎮痛剤の製造や販売を禁じたと説明した。一方、同社は20年に米国で関連事業から撤退することを決めていると説明し、和解により法的責任や不正行為を認めたわけではないとしている。
オピオイド系鎮痛剤は米国で1990年代に利用可能となった。当初は依存症のリスクが低いとされていたが乱用が社会問題になり、米疾病対策センター(CDC)によると99年から2018年までに45万人がオピオイド中毒で死亡した。販売や流通手法に問題があったとして製薬会社などの責任を問う声も高まり、訴訟が相次いだ。