とある三兄妹のデンドロ記録:Re   作:貴司崎

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前回のあらすじ:エルザ「交渉の結果新しい仲間をゲットしました!」ターニャ「交渉()ね……」

※【シャカ】のスキル名を一部変更しました。


あの<マスター>の今:ひめひめ編

 □霊都アムニール 【大魔弓士(グレイト・マギアーチャー)】ひめひめ

 

 ここは妖精境レジェンダリアの首都アムニール、私加茂姫乃ことアバター名“ひめひめ”は今日も仕事と趣味を兼ねてデンドロにログインしていたのだった……まあ、仕事に関しては私がそれとなく“超越者”が関わってるらしい事を伝えたお陰で、依頼主の方が殆ど諦め気味だから実質趣味だけどね。

 

「さて、何時ものパーティーメンバーかまともな知り合いは居るかなっと……ここで野良パはちょっとねぇ」

 

 とりあえず私はフレンドリストを見ながらパーティーを組めそうな人間が居ないか探してみた……野良パガチャすると結構な確率で変態をドローするしね、この国だと。

 

「ふむふむ、アリマちゃんとでぃふぇ〜んど君とシズカちゃんはログインしてるみたいだね。じゃあ【テレパシーカフス】っと……」

 

 幸い何時ものパーティーメンバーの何人かはログインしてるので連絡を取ってみる事に……え? 後半の人の名前? まあアバター名は本人の自由だし、私も人の事は言えないし、性格と性癖はまともだから……。

 

「……うんうん、アリマちゃんは来てくれるんだね。ありがとう! ……さて、でぃふぇ〜んど君とも連絡が付いたけどシズカちゃんとは連絡が付かなかいか。いつも通り何処かをフラついてるんだろうしこっちはしょうがないね」

 

 とりあえず、待ち合わせはアムニールの名スポットの一つである『噴水聖樹』と呼ばれる木の前って事になったので向かっていった……ちなみにこの噴水聖樹は枝先から霧のような水を常に噴き出していて、それがレジェンダリアの自然魔力の影響で虹色に輝くから凄く見栄えがいいので良く待ち合わせ場所として使われているのだ。

 

「さて、噴水聖樹に付いたけど流石に他のメンバーはまだ来てないかな。それじゃあ今の内にアイテムの確認でも……『おやぁ? 可愛いロリかと思ったらひめひめ殿でしたぞ。残念ですな』死ね」

 

 そうして噴水聖樹の前で待っていた私の後ろから忌々しい不快な声が聞こえて来た瞬間、私は左手の紋章から即座に【アマテラス】を召喚しつつ無詠唱で《炎勢之矢》を生成、そのままノールックで炎の矢をその声の主へと撃ち込んで火達磨にした。

 そうして火達磨になった全身タイツの変質者──レジェンダリア<マスター>内のトップクラン<YLNT倶楽部>クランオーナー“LS・エルゴ・スム”は、全力で地面を転がりながら身体についた火を消そうとした。

 

『アチチチチチ⁉︎ いきなり攻撃とか酷いですぞ!!!』

「貴様が私の後ろに立つ方が悪い」

『何処の13な殺し屋ですかな?』

「……チッ、耐火系の装備で固めてたか。次は《閃光之矢(貫通特化レーザー)》を使おう」

 

 街中だから余計な延焼しないように威力を落としたのは失敗だったか……ちなみにいきなり私がHENTAIを燃やしたので周りは一瞬騒然としましたが、私とコレが<マスター>でその後も普通に話しているのを見て『ああまた<マスター>の奇行か』『今度も公開SMとかかな?』『俺もひめひめたんに撃ち殺されたい』と言うだけでスルーされましたが。後最後。

 ……私がコイツと同類扱いされるのは気に入らないんだけど、レジェンダリアでは<マスター>の奇行は日常茶飯事だから騒ぎにならない所は良しとしましょう。

 

『いやいや⁉︎ ちょっと待ってほしいですぞ! 今日はひめひめ殿に頼みたい事がありましてな!!!』

「断る。今は貴様を蜂の巣にするのに忙しいからな」

『MATTE⁉︎ ストップ! 例えひめひめ殿が偽ロリだとしても話せば分かり合える筈ですぞ!!!』

「残念ながら私とお前(HENTAI)では戦う事でしか分かり合えないのよ」

 

 そんな事を言いながらも私はLSの眉間に《閃光之矢》の照準を合わせ「アレ? ひめひめさんにLSさん、何やってるんですか?」……後0.1秒で撃ち抜こうとしていた所に“その声”が聞こえて来たので、私は渋々【アマテラス】を下ろして紋章の中にしまった。

 ……そうしてやって来たのは、私が待ち合わせていたパーティーメンバーである小学生ぐらいの赤髪の女の子な【狂信者(ファナティック)】アリマ・スカーレットちゃんと、褐色金髪の青年な【城塞衛兵(ランパート・ガード)】のでぃふぇ〜んど君だった。

 

『おお! アリマちゃん、久しいですな』

「はい、LSさんもお久しぶりです」

「……俺もいるぞー」

 

 そしてLSは私と違ってリアル小学生ロリのアリマちゃんが現れたからか、先程までのダメージなど無かったかの様に立ち上がって彼女に話し掛けていた……まあ単に懐に入れてあった回復魔法【ジェム】を使っただけだけど。

 アリマちゃんはデンドロを始めたばかりの時にLSに色々とお世話になって、更に格好とかを気にしない性格だからヤツの事を慕っているのよね。

 ……勿論こんな不審者に任せるとか私の良心が許さない(後、公衆の面前で偽ロリ扱いされた恨み)ので、彼女は私達のパーティーに保護したんだけどね。

 

「それで、LSさんは一体何の用だったんですか?」

『実はですな、アムニール郊外にある孤児院の近くに【カンニング・クロウ】の群れが縄張りを作ったらしく、そこに住む幼気な子供(ロリショタ)達が外で遊んでいる時に襲われたのですぞ。コレはロリショタを守る事を指名とする俺的には見過ごせぬと思いましてな、同士であるひめひめ殿を誘って彼奴等の討伐を行おうと思ったのですぞ』

「同士じゃねえっつってんだろ(怒)……そもそも【カンニング・クロウ】程度相手なら手前のクランメンバーを頼ればいいでしょうが」

 

 確かに【カンニング・クロウ】は悪知恵(カンニング)の名の通り頭が良くて低レベルだが魔法を使ってくる上、それなりの速度で空を飛びながら集団で連携してくる厄介な烏型モンスターであり、戦闘速度や有効射程に難がある呪術師スタイルなLSにはキツい相手ではあるのでしょう。

 ……それでも、HENTAIの集まりのくせに無駄に高スペックな<マスター>ばかりな<YLNT倶楽部>のメンバーであれば特に苦戦する事なく討伐出来る筈なのだ。

 

『いやーそれがですな、今<YLNT倶楽部>はこのレジェンダリアにいると言う“子供を攫って魂を抜き取って殺す謎の<UBM(ユニーク・ボス・モンスター)>を全力で探しておりましてな。……クランで援助している孤児院にもコヤツに攫われたと思しき子供達が何人もいる以上、我らにとっては不倶戴天の敵に他なりませんので只今全力でもって捜索中なのですが……そのせいでクランメンバーが出払っておるのですよ』

 

 成る程、どうやらその調査の途中で【カンニング・クロウ】の一件を知り、単独での討伐を難しいと判断して知り合いと言えなくもないかもしれない私達に声を掛けたと言うことみたいね……と、そこまで考えていたら横に居たアリマちゃんが何やら決意に溢れた表情をしていた。

 

「そんな事情だったんですね……分かりました! 私も孤児院の子供達の為に【カンニング・クロウ】の討伐をお手伝いさせて頂きます! ……それでひめひめさん……」

「……ハァ、まあ別に構わないわよ。どうせ適当なモンスターの討伐依頼でも受けようと思ってたんだし、孤児院の子供達の為に動くのは嫌は無いから」

『おお! ありがとうございますぞ、アリマちゃん! 同士ひめひめ』

「だから同士じゃない」

「……俺もいくぞ……」

 

 アリマちゃんって基本的に凄く良い子だからねぇ、こうなる事は予想できていたわよ……ああ、ちゃんってでぃふぇ〜んど君がいる事も忘れてないよ。

 

 

 ◇

 

 

 さて、そう言うわけで私達と(超絶不本意だけど)LSは件の【カンニング・クロウ】の縄張りの近くにあるそこそこ開けた場所にやって来ていた……実はLSが【鳥寄せの餌】という鳥獣モンスターを呼び寄せるアイテムを持って来ていたので、今回は敵を開けた場所に誘き寄せて撃退するという作戦で行くことになった。

 

「それじゃあ、でぃふぇ〜んど君はちょっと“高台”を作ってね。誘き寄せるのと()()()()()()()()()()的には目立った方が良いからね」

「おお、やっと出番だ。……とりあえず了解、それじゃあ行くぞ《フリーダム・ランパート》!」

 

 でぃふぇ〜んど君がそう言った瞬間、私達が立っている地面から縦幅三メートル、横幅二十メートル、高さ十メートル程の“城壁”が一瞬でそそり立って一つの高台を作り上げた。

 ……これが彼の<エンブリオ>である【自在城壁 パラスアテナ】はその名の通り城を囲えるぐらいに巨大な城壁型であり、スキル《フリーダム・ランパート》によって本体の一部のみを任意のサイズ・形状にして好きな場所に高速展開出来るので、今回は高台代わりとして展開して貰ったって訳。

 

『『『KAAAAAAA!!!』』』

「あら、早速来たわ。そのアイテム凄い効き目ね」

『ウチのクランメンバー謹製の一品ですからな! 元はロリショタ達を引き寄せるアイテムを開発するつもりだったのですが、それはクランの方針にそぐわないと言う事で俺の“説得”の末にこの様なアイテムを作らせたのですが』

「その情報はいらない……とりあえず戦闘準備。私がなるべく撃ち落とすから近付いて来たのをお願いね。《瞬間装着》」

 

 LSの戯言をスルーしつつ私は【アマテラス】を向かって来る【カンニング・クロウ】へと構えながら、マント型の特典武具【竜葉外套 ドラグリーフ】を羽織ってから3()0()0()()()()()()離れた相手に向けて射撃を開始した。

 

「《閃光之矢》《アローエフェクト:スプレッド》!」

『『『KAAAAAAA』』』

 

 ……魔弓士系統のスキルは魔力式弓矢の魔力矢に別の特性を追加する物が多く、今は射る矢が散弾となるスキルを使いながら光属性の矢を放ち十数羽の【クロウ】を纏めて撃ち抜いたって言う訳だ。

 

『……よくこれだけ離れた場所に、しかも散弾となった矢を全弾個別に命中させるとか出来ますな』

「そうなる様に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね。そもそもたったの“三百メートルしか”離れていない相手にスキルの保持まであって外す訳ないでしょ。《光炎之矢》《アローエフェクト:ハウンド》」

 

 双眼鏡で【クロウ】の群れを覗きながら呪術発動の準備をしているLSを横目に、私は【アマテラス】の矢に追尾性を付与しながら連射して近づいて来る連中を次々射抜いていった……ちなみに私が離れた相手を正確に目視出来てるのはサブに入れた【観測手(スポッター)】の遠視系スキルのお陰だが。

 ……ホントこっちの世界はスキル発動が半ば自動化されてるから楽で良いね。スキル連続使用のコストも【ドラグリーフ】の『光エネルギー吸収によるMP・SP自動回復』の装備スキル《陽力装》のお陰でしばらくは問題無いし。

 

『『『KAAAAAAA!!!』』』

「《アローエフェクト:ベンド》! ……と言っても、あくまで一羽一羽撃ち落としてるだけだから私だけだと殲滅には時間が掛かり過ぎるわね。……アリマちゃん、準備は?」

「《フィジカル・バーサーク》……《絶望セシ預言者》……《狂乱セシ聖戦士》……《狂喜スル守護聖人》……《狂イ果テル司祭》……もう少しです」

 

 私が《光炎之矢》を連射している横で、アリマちゃんは自身に次々と【狂戦士】の狂化スキルや【狂信者】の『自身が精神系状態異常になる引き換えに強力なバフを掛ける』スキルを使用していった。

 ……これだけのデメリットスキルを重ね掛けすれば普通のティアンなら発狂、<マスター>でもまともな行動が取れなくなるのだが、彼女の<エンブリオ>【正心偽脳 シャカ】の『自身の精神系状態異常及び精神に干渉するスキルの悪影響・デメリットを受けずに行動出来る様になる』パッシブスキル《悟りの境地(マインド・セット)》によってメリット効果のみを享受出来るのだ。

 

「……《狂走スル巡礼者》……後は《悟りし者の御業(ソウル・コントローラー)》で《伝播スル狂信》を起動……終わりました! ここからは私も戦います! 《ウィングド・ブレード》!」

『『『KAAAAAAA!!!』』』

 

 そうして一通りの狂化バフを掛け終わてから“とあるスキル”を使用した彼女は、それによって得た超級職に迫るステータスでもってサブ上級職である【剣聖(ソードマスター)】のスキルを使い手に持った剣から斬撃波を飛ばして複数の【クロウ】を纏めて薙ぎ払った。

 だが、悪知恵が働く【カンニング・クロウ】達はその一撃に対して個々で一定の距離を取って一掃される事を防ぎつつ、私達から距離を取りながらの遠距離戦にシフトしてきたのだ。

 

『KEEEEAAAAAA!!!』

『おや 【グレーター・カンニング・クロウ】……群の長ですかな?』

「そうみたいね。完全に向こうもこっちと戦う気になったみたいだしでぃふぇ〜んど君は城壁を解除、アレは私が相手をするから他の連中を足止めしなさいな。……どうせアリマちゃんが戦いに入った以上、後()()()()()()から」

「了解です《フリーダム・ランパート》」

 

 それに加えて連中のリーダーっぽい大鴉も現れたので、私達は城壁を下げて動きやすい地上へと降りて戦闘を続行した……リーダーの大鴉は私が矢を射かけて足止めしつつ、回避を中心にして向こうの魔法攻撃をしのぎ続ける事1分、急に全体の三割程の【クロウ】の動きがおかしくなり始めた。

 

『KEEEEE!!!』『KYAAAAA!!!』『KIEAAAAA!!!』

 

 ある者は【混乱】したかの様に回りの【クロウ】を攻撃し、またある者は【狂喜】した様な叫び声を上げ、また別の者は【恐怖】したかの様に動きを止めて地面に落下していく……これがアリマちゃんのメインジョブ【狂信者】の()()()()()()()()()()()()()《伝播スル狂信》の効果『戦闘時間1分ごとに自身を“認識している全ての者”に、現在掛かっている精神系状態異常及び狂化系スキル効果を伝播させる』である。

 ……まさに精神災害の様な凶悪なスキルに思えるかもしれないけど、判定が“精神状態異常・狂化スキル一つ毎に個別に発動する”とは言え成功率自体は最大で一割程度、当然精神耐性やレベル差の影響も受けるから実際にはさらに低くなるので大量の精神異常に掛かっていなければ有効には使えず、無差別系スキルなので味方にも判定が発生してしまう普通なら非常に使い難いスキルなのだが……。

 

『KIIIIEEEEE⁉︎』

「相変わらずアリマちゃんはジョブと<エンブリオ>のシナジーが強力ね《炎勢乃矢》!」

「それほどでも《ウィングド・ブレード》!」

 

 彼女の場合には《悟りの境地》で悪影響を受けない事を利用して精神汚染が掛かる呪いの装備を複数身につけて判定回数を増やし、無差別というデメリットも“自身の精神系スキルを制御・操作する”【シャカ】の第2スキル《悟りし者の御業》によって『敵対対象のみにデメリット効果だけを押し付ける』形にしているので問題にはなっていない。

 ……そして、それから数分も彼女が戦い続けた結果ほぼ全ての【カンニング・クロウ】が精神汚染を食らってほぼ戦闘不能となったのだった。

 

『KEEEEAAAAAAA!!!』

『後はあやつだけですな。まずは動きを封じますぞ。《シャドウ・スタンプ》《カースバインド》』

 

 そうして配下の殆どを失って動揺した【グレーター・カンニング・クロウ】の下にいつの間にやら潜り込んでいたLSは、その影を踏みながら相手を指差す事で呪術を掛けてその動きを封じてみせた。

 

「本当に抜け目のないヤツ……《光剛勢》《閃光之矢》!」

『GYAAAA……!!!』

 

 そんなヤツの行動に関心半分呆れ半分な私だったが、その隙を見逃す事無く【ドラグリーフ】のスキルで強化した光の矢で相手の頭部を撃ち抜いて始末したのだった。

 ……ふむ、まあボスも倒したし他の【カンニング・クロウ】もほぼ全滅したから、これで郊外の孤児院に被害が出る様な事は無いでしょう。

 

『これで孤児院の子供達はまた元気に遊べる様になるでしょうな。ひめひめ殿とアリマちゃんも色々付き合ってくれてありがとうですぞ』

「いえ、LSさんのお役に立てて良かったです」

『これで気兼ねなく我が魂の故郷の空気を集める事が出来ますぞ。子供(ロリショタ)達が落ち込んでいると空気も不味くなりますからな!』

「おっと、ここにもう一人孤児院に悪影響を及ぼしそうなヤツがいたわね」

 

 ……とりあえず目の前に居るHENTAIに再び《炎勢乃矢》をぶち込んで火達磨にしつつ、私達は孤児院に【カンニング・クロウ】の群れの討伐を報告すべくアムニールへと戻っていったのだった。




あとがき・各種設定解説

ひめひめ:周囲からはLSと仲が良いと思われてる
・【竜葉外套 ドラグリーフ】は彼女が以前倒した伝説級<UBM>【葉竜王 ドラグリーフ】の特典武具で、高い防御力とMPへの補正が付いている葉を織り合わせた様なマントである。
・尚、LSの頼みを引き受けたのは彼が“穢れのない子供”に関する事には誠実だと理解しているからでもある。

【自在城壁 パラスアテナ】
TYPE:キャッスル
到達形態:Ⅳ
能力特性:城壁
固有スキル:《フリーダム・ランパート》
・イマイチ地味な<マスター>でぃふぇ〜んどの<エンブリオ>で、モチーフは都市の守護神としても扱われるギリシャ神話の女神アテーナーの別名“パラスアテナ”。
・キャッスルとしては珍しく一切の特殊能力を持たない単なる城壁であり、それ故に第四形態現在でも小さな城を囲める程の質量と非常に高い耐久力・強度を持つ。
・《フリーダム・ランパート》は【パラスアテナ】の高速展開・高速収納・部分展開・複数展開などを行う事が出来るスキルで、イメージ的には城壁の一部を切り分けて展開してる感じ。
・その特性上展開出来る最大質量や形状は大元の【パラスアテナ】の質量と形状までが限界だが、それ以下であれば高さ・幅・厚さなどの設定は自由自在で戦闘中に小型の壁を複数出して味方を守ったりと応用も効く。
・更に彼の場合には【城塞衛兵】の“自分が守る城を強化する”各種スキルを使って強化しているので、普段はパーティーの防御役として活躍している。
・なのだが、今回は敵が空中にいたので壁や地面など“城壁を支えられる地盤がある場所にしか展開出来ない”特性が足を引っ張ってイマイチ活躍出来なかった。

【正心偽脳 シャカ】
TYPE:ルール・カリキュレーター
到達形態:Ⅳ
能力特性:精神制御
固有スキル:《悟りの境地(マインド・セット)》《悟りし者の御業(ソウル・コントローラー)
・本物ロリアリマ・スカーレットの<エンブリオ>で、モチーフは仏教の開祖である覚者“釈迦”。
・実は彼女の脳の一部を置換した世にも珍しい『人造補助脳』型の<エンブリオ>。
・《悟りの境地》は“現在掛かっている”精神系状態異常や精神系スキルの悪影響・デメリットを受けないスキルなので、効果が無いだけで状態異常とかには掛かったまま。
・それ故に状態異常に掛かることが条件の【狂信者】のスキルも問題無く使えるし、《フィジカル・バーサーク》を使っていても問題なく話せてスキルも使える。
・《悟りし者の御業》は自身が使う精神系スキルを操作・制御するスキルで、効果範囲を敵限定にしたりオフに出来ない精神系パッシブスキルをオフに出来たりもする。
・消費コストは操作するスキルによって追加でいくらかMP・SPを消費する感じで、パッシブスキルをオフにする程度ならノーコストで可能だが無差別スキルを制御するならそこそこコストが掛かる。

【狂信者】:狂戦士系統派生上級職
・就職には【狂戦士】の他にも【司祭】や【催眠術師】などのジョブも必要なレア複合上級職だが、習得スキルのデメリットが厳し過ぎるので就く者が殆ど居らず条件は知られているのに実質ロストジョブと化していた。
・デメリットを全て踏み倒せる本物ロリならともかく、過去にこのジョブに就いたティアンはほぼ全て周りを巻き込んで発狂死しているのでジョブ自体が危険視されていたり。
・だが就職条件とデメリットが厳しい分だけ習得スキルは強力で、単にステータスを上げるだけでなく精神汚染と引き換えに高レベルの危険察知能力やMP・SPの継続回復、魔法ダメージ軽減の効果などを得たりも出来る。
・ちなみに《伝播スル狂信》はオフに出来ない奥義なのに一番最初に習得出来るという罠仕様。


読了ありがとうございました。
初めて書いてみたレジェンダリア編、ひめひめパーティーはいずれ本編にも登場予定です。

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