gallery αMの新展覧会シリーズ「東京計画2019」に風間サチコ、中島晴矢らが参加。キュレーションは藪前知子
武蔵野美術大学が非営利で主催するgallery αMは、馬喰町に開廊してから今年で10年。今年度は、東京都現代美術館学芸員の藪前知子がキュレーションを務めるシリーズ「東京計画2019」(4月6日〜2020年1月18日、全5回)のほか、αMプロジェクトの企画による展覧会「αM+」(20年2月1日〜3月14日)を実施する。
武蔵野美術大学主催のもと、今年で開廊10周年を迎える東京・馬喰町のgallery αM。節目となる今年度は、東京都現代美術館学芸員の藪前知子がキュレーションを務める全5回の展覧会シリーズ「東京計画2019」と、αMプロジェクトの企画による展覧会「αM+」の第1回目が開催される。
「東京計画2019」は、オリンピックへのカウントダウンが進み、大きな力によって変動し続ける東京の「祭りのあと」をサバイブするための方法を模索する連続展覧会。作家たちの実践から東京に潜む問題に言及しつつ、単一の経験やシステム、アイデンティティからの脱却と、別の可能性の提示を目論む。参加作家は毒山凡太朗、風間サチコ、Urban Research Group、ミルク倉庫+ココナッツ、中島晴矢の5組。
毒山は1984年福島県生まれ。これまで様々なメディアを用いて、社会問題に向き合うことで制作を行ってきた。現在「六本木クロッシング2019:つないでみる」に出展中のほか、「あいちトリエンナーレ2019」にも参加する。いっぽう風間は、戦争など未来に垂れ込む暗雲を予兆させる黒い木版画で知られている。近年は「光州ビエンナーレ」(2016)、「ヨコハマトリエンナーレ」(2017)などに参加。
またUrban Research Groupは、インディペンデント・キュレーターやDJとして活動する石毛健太と、webエンジニアでありアーティストの垂水五滴によるアートコレクティブ。「都市論の再考」をテーマに、展覧会「変容する周辺 近郊、団地」(八潮団地集会所、2018)の開催から活動を開始した。
ミルク倉庫+ココナッツは宮崎直孝、瀧口博昭、松本直樹など、それぞれ電子制御や建築などの専門的な技能を有する7名からなるユニット。ものに備わる機能の発見や道具と身体の連関から着想し、制作を行う。そして最後を飾る中島は、美術のみならず音楽、キュレーションまで、多様な場や人と関わりながら横断的に活動してきた。最近の個展に「麻布逍遥」(SNOW Contemporary、2017)などがある。
加えて、「東京計画2019」の後に続く「αM+」の第1回目では、2012年に東京・青梅の旧製材所をシェアアトリエに改装し、同地で展覧会やイベントを企画してきたアートコレクティブ「国立奥多摩美術館」を紹介。新しいαMプロジェクトの可能性や、これからのギャラリーのあり方を探る。