※名前を『小鳥遊梢』から『小鳥遊雲雀』に変更……ビースリー先輩とリアルネームが被ってる事に今気付いた(泣)
□王都アルテア・冒険者ギルド 【
「さてさて、お兄ちゃんは<墓標迷宮>でアンデッド狩りに行ったし、私達はどうしようかなミュウちゃん」
「とりあえず何かクエストでも受ければいいんじゃないでしょうか……ここ最近は<プロデュース・ビルド>の所に行った時以外はそればっかですが」
「最近、お兄さんずっとレベリングしてるもんね」
本日も私はデンドロにログインしてから、レベリングに行ったお兄ちゃんと別れてミュウちゃんとミメちゃんの三人で冒険者ギルドにやって来ていました……お兄ちゃん最近レベリングばっかだからなぁ。
まあ、必殺スキルのデメリットでステータスが下がった所為で私達の足を引っ張るのが嫌だと思っているのは分かるんだけどね。デンドロで一番効率的なレベリング方法は単独で大量の雑魚を殲滅する事だし。
「ですが、私達三人だけだと狩りは安定しないんですよね。兄様の支援が無いと亜竜級はともかく純竜級以上になると相性次第では不味い(負けるとは言ってない)でしょう」
「お兄ちゃんって基本的に
「複雑な兄妹関係……なのかな?」
基本的には凄くいいお兄ちゃんなんだけど、どうも私達みたいな規格外な才能を持っていない事に引け目を感じているというか……というか、お兄ちゃんもあらゆる方面に於いて十二分に“天才”と呼べる才能を持っているんだけどねー。
……現実では
「……そもそも現実では私達の才能なんてなんの役にも立たないのですが……」
「お兄ちゃんなら将来の就職先とか困らないだろうしねー。……私達の才能が活かせる場所なんてこのデンドロの中ぐらいだし……」
「……うーん、これは根が深い問題なのかな?」
お兄ちゃんの『兄としての意地』的なものと、私達の『自分の才能に対するコンプレックス』が複雑に絡み合っている感じだからねー……まあ、それで何か私達の関係が悪くなるとか、そういう問題が起きるという訳でも無いんだけど。
……今も要するにただステータスが低くなったお兄ちゃんが、それを補う為に私達をほっぽり出してレベリングに励みまくっているだけだし。
「……はい! やめやめ! これ以上この話題を続けるとテンション下がるだけだし、さっさと何かクエストを探そうか!」
「そうですね。……何か手頃な依頼が有れば良いんですが」
「とりあえずカタログを見てみようか」
そういう訳で私達は冒険者ギルドのクエストカタログを開いて何か丁度いいクエストが無いかを探す事に……ふむむ、戦闘型の私達でやるとなるとやっぱり討伐系のクエストが妥当かな。
えーと【討伐──【バイオレンス・ファング・ボア】の群れ 難易度:五】王都北部に目撃情報あり、通商の邪魔になる可能性があるので討伐願う……血の匂いに惹かれて人を襲うモンスターだからか報酬は結構高めだけど、群れで行動するから何パーティーかでの受注推奨か……。
他には王都西での【ブレイズ・デミドラグウルフ】率いる【ブレイズ・ウルフ】の討伐とか、王都東での【メイル・デミドラゴン】の群れ討伐の依頼とかもあるね。
「……むむ、何故かモンスター群れ討伐の依頼ばかりだね。こう言うクエストって複数パーティー前提のヤツばかりだから、お兄ちゃんを欠いた私達二人じゃちょっとキツイかも」
「群れの討伐の依頼が多いというよりは、少数のモンスター討伐の依頼が少なくなっているみたいですね。……これはみんな考える事は同じという事でしょうか?」
あー、個人や少数で出来る討伐クエストはレベルが低くグループや固定パーティーとかが余り作られていない今の<マスター>達には人気だよね。私達もお兄ちゃんが居ない間に少人数で受けられるクエストを何度もやってるし、採取やお使いみたいな地味なクエストよりも討伐系の方が人気だろうしねー。
……しかし、こうなると選択肢は不得手なのを覚悟して少人数で受けられる採取かお使いのクエストを受けるか、或いは……。
「複数パーティー前提のクエストを
「でも、同じ事を考える人も多いのか、この冒険者ギルド内でも<マスター>による野良パーティーの募集は結構やっていますよ」
「さっきから呼び掛けとかはそこら中でやってるもんね」
確かにミメちゃんの言う通り冒険者ギルドのあちこちで色々な<マスター>達が『回復が出来る人が居ませんかー』とか『【バイオレンス・ファング・ボア】の群れの討伐クエストの参加者募集ー』とか言ってたりするからね。
……別に私達は野良パーティーを組みたくないって訳でも、他人と会話するのが怖いコミュ障って訳でもないから何処かに入った方が良いかもね。
「それじゃあちょっと野良パーティーを探して組んでみようか。私達は二人とも近接型だから前衛を募集してる所とかで良いかな」
「そうですね」
そういう訳で私達は冒険者ギルドで組める野良パーティーを探してみる事になったのでした……んだけど、探してみるとこれがなかなか見つからないんだよね。何故か前衛が既に埋まっている所が多くて。
……どうも今日は野良パーティーを募集している<マスター>は前衛系が多かったみたいで、募集対象が後衛系や回復系に偏っているみたい。
「あー、魔法も回復も出来るお兄ちゃんがいればなぁ」
「……兄様がいると多分いつも通りに身内パーティーで済ませられると思いますよ」
「いっそ何処か顔見知りとか居ないかなぁ」
まあ、そんな都合のいい事は早々「誰か〜、ウチらと一緒にパーティー組まん〜」……と思っていたら、向こうから聞き覚えのある声がしたので思わずそちらを向くと……。
「……あかんわー。いくら声掛けても誰も野良パーティー組んでくれんわ。<月世の会>のクランオーナー件その教主様が声掛けとるのに何でやー?」
「怪しげな現実逃避型宗教の教主が声を掛けているからに決まっているだろJK。後本人が凄く胡散臭いし」
「酷ない⁉︎ あおやん!」
「まあ、ティアンと違って<マスター>には<月世の会>の事を知っている人が多いからね」
「でも、私達だけだと前衛がいないからパーティーのバランスが悪いわよ。永仕郎君から月夜ちゃんの面倒を見てほしいとは言われてるけど、私レベル低いし……」
そこに居たのは以前の【許可証】入手クエストで一緒に戦った事のあるクラン<月世の会>のオーナー扶桑月夜さんと、確かその<エンブリオ>であるメイデンの【カグヤ】さん、そしてその月夜さんに毒舌をかましている白髪赤眼の少女<マスター>と黒髪黒目の女性<マスター>の四人だった。
どうやら、その三人も野良パーティーを募集している様だったがどうにも上手くいって居ないらしいね……上手くいってない者同士丁度いいかもしれないしちょっと声を掛けてみようかな。
「はーい、月夜さん久しぶりー。野良パーティーを募集してるの?」
「あ、確かミカちゃんとミュウちゃんやったね。実はそうなんよー。……今日は影やんもリアルの用事でログイン出来へんから、クエスト受ける為に野良パーティーを募集しとったんやけど何故か誰も来てくれへんのやー」
「他のクランのメンバーも今日はそれぞれ別のクエストを受けにいったから誰も予定が合わなくて。色々と間が悪かったのよね」
「……月夜ちゃん、この人達は知り合い?」
「……オーナーにクランの信者以外で親しげな知り合いが居たなんて……っ(驚愕)」
そうして挨拶をしていると初対面の女性<マスター>から質問が入ったので、とりあえず私達はお互いに自己紹介をする事にした。
「私は【剛戦棍士】のミカ・ウィステリアだよ。月夜さんとは以前にクエストで一緒になった事があるんだ」
「その妹の【
「これはご丁寧にどうも……私は
「同じく<月世の会>クランメンバーの【
「んで、知っとるとは思うけどウチは<月世の会>クランオーナーの【
……ふむふむ、白髪赤眼の毒舌系少女<マスター>が日向葵ちゃん、黒髪黒目の温和そうな女性<マスター>が小鳥遊雲雀さんだね。覚えたよ。
「それじゃあ本題だけど野良パーティーを募集しているなら私達と組まない? こっちも今はお兄ちゃんが別行動中で前衛二人しか居ないから後衛が欲しいんだよね」
「よっしゃ、強力な前衛キタ、これで勝つる! 勿論オッケーやで!」
「それじゃあ今日は宜しくお願いする。……ただ、私は最近始めたばかりだから、大学があるにも関わらず廃人プレイしているオーナーと違ってレベルはまだ低いのでそこは注意して欲しい」
「私もログイン時間が余り取れなかった所為でレベルは低いのよね」
ふむ、確かにミュウちゃんが《看破》した所によると二人ともレベルは30前後だったね……まあ、月夜さんと私達ならクエストを選べばどうにかなるだろうし大丈夫でしょう。
……強いて気をつける事があるとすればお兄ちゃんみたいに放っておいても問題無い訳じゃ無さそうだから、ちゃんと後衛を守る様に意識しておくぐらいかな。
「それでパーティーを組んだ訳だけど受けるクエストはどうする?」
「せやねー。……ミカやん達が協力してくれるなら多少は難易度の高いクエストでも大丈夫やろうし……この王都西での【ブレイズ・デミドラグウルフ】の群れ討伐とかがいいんちゃう?」
「……こいつらは火炎ブレスによる遠距離攻撃が主体ですから後衛の皆さんを守るのが難しくなると思いますが」
「それに関しては私の<エンブリオ>が火属性吸収を持っているから大丈夫。オーナーはともかく雲雀さんを庇うぐらいはどうにか出来ると思う」
ふーん、成る程ね。月夜さんは葵ちゃんの<エンブリオ>混みで提案したみたいだね……それはそれとしてさっきから月夜さんに対する葵ちゃんの発言が超塩いね。仲が悪いって訳でも無くて気安く接しているだけみたいだけど。
「それじゃあコレにしようか。……まあ、ボスも亜竜級ぐらいだしどうとでもなるでしょう」
「亜竜級ぐらいまでならカグヤの効果範囲内やしねー。んじゃクエスト受注して西門いこかー」
そんな訳で私達女性オンリーな野良パーティーはクエスト【<ウェズ海道>近辺で目撃された【ブレイズ・デミドラグウルフ】率いる群れの討伐 難易度:五】を受けて、一路西に向かう事になったのだった。
◇◇◇
□<ウェズ海道> 【魔拳士】ミュウ・ウィステリア
「《ブーステッド・パーティー・アジリティ》!」
「ありがとう雲雀さん! 《ウィールド・メイス》!」
「助かるのです。《フレイム・フィスト》《カウンター・ブロウ》!」
『『『KYAAAAAAA!?』』』
雲雀さんの掛けてくれたパーティー全体AGIバフの支援を受けつつ、姉様は額に生えたツノを向けて突っ込んで来た二体の【ホーンラビット】を【ギガース】を振り回して挽肉にし、私は【魔拳士】のスキル《フレイム・フィスト》を使って拳に炎を纏わせつつ同じく突っ込んできた【ホーンラビット】にカウンターを入れて倒しました。
……あれから西門を出て<ウェズ海道>にやって来た私達は月夜さんの『とりあえず適当なモンスターを相手にして連携を確認せえへん?』という提案を受けて、その辺りにいた【ホーンラビット】の群れと戦い……これを一方的に殲滅していました。
「……《ファイアーボール》……うん、実に楽勝。……というか、前衛姉妹二人とカグヤさんが強すぎる件」
「せやろー。やっぱりあの二人を引き入れたウチの眼に狂いは無かったな!」
『まあ、この程度のモンスターだと
そもそも前衛系上級職である私と姉様にとって【ホーンラビット】程度の下級モンスターは敵では有りませんし、そこに月夜さんとその<エンブリオ>である【カグヤ】が展開する“夜”──強力な広域デバフスキル《月面徐算結界》が掛かるので【ホーンラビット】達のステータスは見るも無残な事になってますし。
……まあ、まだ余り戦闘経験のない葵ちゃんと雲雀さんの動きの把握やパーティー内での各々のポジションでの連携確認は出来たので目的は達成されましたが。
「じゃあこれで終わりだね! 《ギガント・ストライク》!」
『KYAAAAAAA!?』
「……うわお、ミンチより酷えや」
そうして最後に残った群れのボス【グレーターホーンラビット】を姉様が叩き潰した事によって戦闘は終了しました……後、敵がミンチより酷い事になるのはこのデンドロに於いて良くある事なので慣れて下さい。特にリアル視点では。
……その後、私達は<ウェズ海道>を西に進んで目的である【ブレイズ・デミドラグウルフ】を探す事にしました。探知系スキル持ちが居ないのが不安ですが、そこはもうしょうがないので自分達の運を信じる事になるでしょう。
「うんうん、このパーティーはバランスも取れとるし良え感じやない? クランメンバーが捕まらんかった時はどうしようかと思ったけど、これでクエストもどうにかなりそうや」
「クランホームを建てるためには資金を稼がなければいけませんからね」
「ん? 月夜さん達はホームを買う気なんだ?」
そういう感じで私達はのんびりと喋りながら海道沿いを歩いて行きます……勿論、周辺の警戒は怠っていませんが。
「そうやよー。<月世の会>の宣伝も兼ねて王都の目立つ所にでっかい屋敷を建てるのが今の目標やね」
「ただし、王都の一等地は物凄く高い。……そのお陰でクランメンバー全員がクエストを受けまくった所為で今回捕まらなかったんだけどね。王都だけだと限界があるから他の街に行ったメンバーも多いし」
「まあ、メンバーの皆さんがこの世界を各々で満喫しているのも理由ですけどね。……その中でクランホームを建てる為のお金稼ぎをしている感じですね」
……以前の<プロデュース・ビルド>さんの時も思いましたが、現在の<マスター>が作ったクランというのは何処も大変なんですねぇ……。
「……んん? これは……」
「どうしたん? ミカやん」
そんな時に姉様が虚空を眺めながら訝しげな表情を浮かべました……あ、これは何時もの“直感”が起動しましたね。他の人達が居ますしちょっとフォローしましょうか。
「姉様、何かに
「あーうん。海道沿いのあっち側に何かが居た気がするんだけど、もしかしたら目的の相手かもしれないね」
「……ふうん、ウチは気が付かんかったけど……まあ、今の所手掛かり無いし探してみよか」
そうして割と自然な感じで姉様が示した方向を調査する事が出来たのです……示した方向が殆ど進行方向と同じ海道沿いだった事と他に手掛かりがない事もあって特に揉め事が起きる事も無かったですし。
……そして姉様が示した方向を行く事しばらく、前方から何やら人の叫び声や獣の唸り声、そして
『『『GARURURURURURURU!!!』』』
「クソォ! こいつら⁉︎」
「まずい! 馬車に火が!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこで見たものは数台の馬車が【ブレイズ・ウルフ】の大群に取り囲まれて、そのまま火炎ブレスなどによって焼かれようとしている光景でした……むむ、目撃情報よりも数が多い気がするのです。
「いけない! 早く助けないと⁉︎」
「はいちょっと待ち、雲雀さん。本当に助けたいなら闇雲に突っ込んだらあかん。……ウチらはあの馬車を助けようと思うけど、二人はどうする?」
それを見て慌てて飛び出そうとして雲雀さんの襟元をふん掴んで止めた月夜さんが私達に向けてそう聞いてきました……勿論、私達の答えは決まっています。
「当然助けるのです。……それに元々あの連中を倒すのがクエストでしたから、多少数や戦力が多くなっていても関係ないでしょう」
「それに見殺しにすると気分が悪いからねー。……私達二人が突っ込んで敵を撹乱するから、その隙に月夜さん達は馬車の人達の護衛と治療を頼めるかな?」
「分かったわ。後、雲雀さんは二人にバフをよろしゅう」
「はい……《ブーステッド・パーティー・ストレングス》《ブーステッド・パーティー・エンデュランス》《ブーステッド・パーティー・アジリティ》!」
そうしてバフを受けた私と姉様は馬車を襲う【ブレイズ・ウルフ】達を逆に襲いに行ったのでした……この人数で守るのは難しいですし、先に敵を殲滅する方がいいでしょうからね。
あとがき・各種設定解説
三兄妹:才能関係だと色々とめんどくさい
・何だかんだで割とブラコン気味なので兄がいないとテンションが下がりそうな会話をする事が。
・それはそれとして各々割り切ってデンドロをエンジョイしてはいる。
【魔拳士】:魔拳士系統下級職
・拳士の派生で魔法と格闘を使う……のでは無く、MPを使った格闘系スキルを習得するジョブ。
・下級職の魔拳士の場合は主に《フレイム・フィスト》などの拳に属性を纏わせるスキルをメインとし、それで他の格闘スキルの威力を増大させる戦い方が主体。
・他にもMP消費系の格闘系スキルをいくつか習得し、更に上級職になるとMPを使った攻撃系アクティブスキルなども覚えていく。
扶桑月夜:野良パーティーを募集しても集まらなかった人
・これは掲示板や噂などで<マスター>間に『<月世の会>が現実逃避系宗教組織である』と日本人以外にも広がった為。
・ちなみにティアンにはデンドロを“真なる世界”と思うクランメンバーの行動から、真面目にクエストを受けたり率先して挨拶や手伝いとかをしてくれる善良クランだと
日向葵:<月世の会>メンバーその1
・現実ではアルビノの病弱中学生であり、通院している病院が<月世の会>関係で月夜とはリアルで知り合いだったので、その伝手で入信&クラン入りした。
・ただ、キチンと日光対策をすれば学校に通うなどの日常生活は送れる為、余り<月世の会>の教義には興味が無く入信も実質名前だけ。
・デンドロは月夜の話を聞いて興味を持った事と『まともに日の光が浴びたい』という本人の希望もあって両親が最近手に入れた物。
・月夜の事は教主ではなく歳の離れた友人として接しているので非常にフランク(&毒舌)に接している。
【日天鎧皮 カルナ】
<マスター>:日向葵
TYPE:アームズ
到達形態:Ⅲ
能力特性:光・熱エネルギー吸収&蓄積
固有スキル:《
・モチーフはインドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する皮膚と癒着した黄金の鎧を持って生まれてきた英雄“カルナ”
・全身の皮膚を置換した
・《日天吸蓄》は自身への光・熱エネルギーによるダメージを吸収・蓄積して、更にMP・SPを使う自身のスキルを使用する際に代わりとしてその蓄積エネルギーを使う事が出来るパッシブスキル。
・吸収効果自体は常時発動だが一度に吸収出来るエネルギーの量には限度があるので、許容量以上の熱量の攻撃を食らった場合には吸収しきれなかった分のダメージは受ける。
・加えて蓄積出来る量にも上限があるが、完全な一芸特化型の<エンブリオ>なので吸収・蓄積量の上限は第三形態現在でも非常に高い。
・また、人口皮膚とはいえアームズなので通常の皮膚より遥かに強靭であり、刺突・斬撃に対する防御力が上昇する副次効果もある。
・葵の『日の光を浴びたい』という願いの元で生まれた<エンブリオ>だが、アバターの時点で日光下での活動は問題無かったので光熱エネルギー蓄積の方がメインになった。
小鳥遊雲雀:<月世の会>メンバーその2
・リアルでは<月世の会>関係の病院に所属している終末期医療担当の看護師であり、業務の一環としてデンドロ内部での患者のケアやデンドロが患者に与える影響の調査をしていた事もあるのでアカウントを持っている。
・だが、最近は仕事が忙しい事とデンドロの安全性がある程度保証されたのでハードを患者に優先して渡した事からログイン出来なかった。
・なので月夜や月影とは彼等が幼い頃からの顔見知りであるので『月夜ちゃん』『永仕郎君』呼び。
・今回は久しぶりの休日な事と月影から『自分がログイン出来ない間に月夜様をお願いします』と言われたハードを貸してもらった。
・本人もゲーム好きなので、デンドロハードが安定して手に入る時期になったら自腹で買おうと思っている。
・ちなみに月影には『月夜が最近教主として振る舞う事が多かったので、今日はその必要がない二人と一緒に羽を伸ばして欲しい』という狙いもあった模様。
《ブーステッド・パーティー・◯◯》:【付与術師】のスキル
・その名の通り自分と同じパーティー内の対象に何らかのバフを掛けるスキルで、選択した人数によって消費MPが変動する。
読了ありがとうございました。
キツネーサンのキャラや口調とかはこんな感じで良かったかな? キャラは動かしやすいんだが口調にクセがあると書きにくい。