「ファスト映画」公開容疑 全国初、宮城県警3人逮捕
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映画の内容を10分ほどに編集した「ファスト映画」を無断で無料の動画投稿サイトで公開したとして、宮城県警は23日、札幌市東区の無職、高瀬拳也容疑者(25)ら男女3人を著作権法違反の疑いで逮捕した。県警によると、「ファスト映画」の公開を巡っての逮捕は全国初とみられる。
ほかに逮捕されたのは、高瀬容疑者と同居の無職、下田和奈容疑者(25)と、東京都渋谷区のフリーター、菅喬之容疑者(42)。高瀬容疑者は「やったことは間違いないが思い出せないものがある」と容疑を一部否認。残る2人は認めている。
3人の逮捕容疑は、共謀し昨年6~7月に「悪の教典」や「アイアムアヒーロー」などの計5本のファスト映画を、著作権者に無断で動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した疑い。県警は計100本以上投稿していたとみて捜査している。
県警によると、3人は再生回数に応じて支払われる広告収入を得ていたとみられ、既に動画は削除されている。
ファスト映画の実態については、著作権者らでつくるコンテンツ海外流通促進機構が、弁護士を通じてユーチューブを調査。この1年間で、少なくとも55アカウントから投稿された約2100本のファスト映画を確認したという。今月14日時点で、総再生数は約4億7700万回で、被害総額は956億円に上ると推計している。
同機構によると、ファスト映画は、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要が高まった昨年春ごろから、動画投稿サイトで目立つようになった。〔共同〕