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硫酸・塩酸など廃液4トン流出、農家からは水田の異常知らせる連絡も

読売新聞 / 2021年6月22日 14時47分

死んだ魚の写真を示す矢島組合長(左)(21日、茅野市役所で)

 プリント基板製造「リョウワ」(長野県茅野市米沢)の工場から銅や硫酸、塩酸などを含む廃液4トンが流出し、うち2トンは農業用水路など工場外に流出していたことが分かった。用水ではアマゴが多数死んでいるのが見つかったほか、廃液の一部と見られる汚泥水が水田に流入した。

 同社によると、今月7日、排水処理装置から処理途中の汚泥水が漏れ出しているのを発見。地元の農家から水田の異常を知らせる連絡もあった。同社は同日、茅野市に報告と陳謝に訪れた際、アマゴ約10匹が用水で死んでいると知らされたという。

 廃液は排出基準値内に収まるよう調整途中のものとしている。県諏訪地域振興局は8日、同社を立ち入り検査し、水田の土壌や廃液の分析を含む報告書を提出するよう求めた。

 死んだアマゴは約20匹確認されており、21日に同市役所で記者会見した諏訪東部漁協の矢島孝昭組合長は「口を閉じた状態なので酸欠で死んだのではない」などと指摘。廃液が上川や諏訪湖に流入した可能性にも触れ、県側に対応の強化を求めた。

 県水産試験場諏訪支場は「腹の中にミミズや羽虫類が未消化のまま多量に詰まっているので病死ではない。何らかの原因で急死したとみられる」としている。

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