BTB溶液についての解説ページです。
このページでは
① BTB溶液とは何か
② BTB溶液の色の変化
③ BTB溶液の色の変化の覚え方
④ 中学生が学習するBTB溶液を使った実験の解説
⑤ BTB溶液に酸素を加えたときの色の変化。
⑥ BTB溶液と二酸化炭素を加えたときの色の変化。
⑦ BTB溶液の元の色
⑧ BTB溶液の購入
について解説していきます!
みなさんこんにちは。このサイトを運営する「さわにい」といいます。
中学理科教育の専門家です。
もしも理科での苦手な単元があれば、トップページから苦手な単元を探してみてください、
きっと参考になりますよ☆
このページはBTB溶液について解説します。
ぜひ目次より見たいところを探してください!
1.BTB溶液とは
2.BTB溶液の色の変化
BTB溶液は
酸性では黄色、中性では緑色、アルカリ性では青色と、
色が変化します。
酸性 → 黄色
中性 → 緑色
アルカリ性 → 青色
動画でも見てみましょう☆
3.BTB溶液の色の変化の覚え方
BTB溶液の色の変化の覚え方です。
語呂合わせでのおすすめは2つ。
覚え方その①
サンキュー!中身があるブー!!
サンキュー → 酸 黄(色)
中身 → 中 緑
あるブー → ある(=アルカリ)ブー(=ブルー)
ですね☆
覚え方その②
緑の中を、歩けば青い空、黄色いSun(太陽)
です。
緑の中 → 中性=緑
ある(=アルカリ)けば青い空 → アルカリ性=青
黄色いSun(=酸) → 酸性=黄
という意味ですね☆
好きなものを使ってください!
4.BTB溶液を使った実験の解説
①BTB溶液とオオカナダモを使った実験
中学一年生でおこなう実験です。
テストにもよく出ます!
☆実験内容☆
1 2つの試験管を用意して、両方に中性(アルカリ性でもよい)にしたBTB溶液を加える。
ここでは試験管A、Bと名前をつけるね。
BTB液は中性でもアルカリ性でも実験できるけど、
ここでは中性(緑色)で実験するよ。
こんな感じだね☆
2 2つの試験管に二酸化炭素(息でもよい)を加え、BTB液を酸性にする。
水に二酸化炭素を加えると、「炭酸水」となるため、溶液は酸性となり、BTB溶液の色は黄色になる。
どちらも二酸化炭素が溶けた炭酸水で、酸性だよ!
3 片方の試験管に植物の葉を入れる。
(オオカナダモという水草を使うことが多い)
ここではAの試験管にオオカナダモを入れてみよう。
こうなるね。
4 両方の試験管に、日光(光)を十分にあてる。
これは、オオカナダモに十分に光合成をおこなわせるためである。
5 BTB溶液の色の変化を観察する。
オオカナダモを入れた試験管のみ、色が息を入れる前の色に戻る。(息を入れる前が緑ならば緑に戻り、青ならば青に戻る)
BTB溶液は、「二酸化炭素があるから黄色(酸性)になった」んだよね?
つまり、緑色になった試験管Aは、「二酸化炭素が使われた」ことがわかるね。
実験結果から、植物が光合成を行うと、二酸化炭素が使われることがわかる。
対照実験について
ここで、なぜ葉が入っていない試験管を準備したかを考えてみよう。
葉入りの試験管さえあれば、BTB溶液の色が戻ったことにより、植物が光合成で二酸化炭素を使ったと言えそうだよね。
なぜわざわざ葉が入っていない試験管を準備したのかな?
残念!
葉が入っていない試験管を用意したのには、もっと大事な理由があるんだ。
うん。その理由はね、
葉が入っていない試験を用意せずに実験したとするよ。
その結果、BTB溶液の色が、黄色からもとの色に戻ったとしても、
①二酸化炭素は時間がたつと、すぐに空気中に逃げる
②二酸化炭素は光によって分解される
などの性質をもつかもしれないよね。
だけど、実験結果として、葉を入れていない試験管も用意して、今回の実験を行えば、
「葉が確実に二酸化炭素を使った」と言い切ることができるよね。
葉を入れていない試験管は、BTB液が黄色のまま。つまり二酸化炭素が残ったままなんだから。
というわけで、葉を入れていない試験管にも重要な役割があるんだね。
このように、「調べたいことの条件だけを変え、それ以外の条件を同じにして行う実験のことを「対照実験」というんだよ。
理科です。
ではこの実験の説明はおしまい。
②BTB溶液を使った中和の実験
中学三年生でおこなう実験です。
これもテストにもよく出ます!
実験前に知識の整理
酸
① 水に溶けると水溶液が酸性になる物質のこと。
② 水に溶けると水素イオン(H+)を生じる物質のこと。
アルカリ
①水に溶けると水溶液がアルカリ性になる物質のこと。
②水に溶けると水酸化物イオン(OH-)を生じる物質のこと。
酸性の水溶液に共通な性質は次の4つである。
緑色のBTB溶液を入れると、黄色に変わる。
青色のリトマス紙を赤色に変化させる
マグネシウムなどの金属を入れると水素が発生する
電解質の水溶液である
アルカリ性の水溶液に共通な性質は次の4つである。
緑色のBTB溶液を入れると、青色に変わる。
赤色のリトマス紙を青色に変える
フェノールフタレイン液を入れると赤色に変わる。
電解質の水溶液である。
中和
酸とアルカリの水溶液が混ざり合って、水と塩(えん)ができること。
酸性 + アルカリ性 → 水 + 塩
pHについて
酸性やアルカリ性の強さは、pHという数値で表す。
pHは7が中性であり、値が小さいほど酸性が強く、値が大きいほどアルカリ性が強い。
それでは実験の説明だよ。
☆実験内容☆
酸とアルカリの水溶液を混ぜるとどのようになるか
使うもの
塩酸(塩化水素が溶けた溶液で、酸性である)
水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムが溶けた溶液でアルカリ性である)
中性のBTB溶液に塩酸を加える
中性のBTB溶液に塩酸を加える。
するとBTB溶液は黄色になる。
→
これは、塩酸(HCl)がH+のイオンをもつためなんだ。
うん。塩酸はH+とCl-のイオンをもつからね。
モデルで見るとこんな感じだね。
モデル→
酸性のBTB溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加える
塩酸で酸性にしたBTB溶液に、アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)を少量加えるよ。
どうなるかな?
さらに水酸化ナトリウム水溶液を加える
ではさらに水酸化ナトリウム水溶液を加えてみよう。モデルで見てみるよ。
→
さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えた右のビーカーは何性かな?
さらに水酸化ナトリウム水溶液を加える
さらにさらに水酸化ナトリウム水溶液を加えてみよう。モデルで見てみるよ。
→
右のビーカーは何性だろう?
おまけ
この実験でテストによく出るポイントを伝えておくね。
①「中和」というのは酸性とアルカリ性が混ざり、打ち消し合うことだから、BTB溶液の色が黄色→緑色になるところまでが中和。
②BTB溶液の色が緑色→青色になるときは、アルカリ性が足されただけだから、中和ではない。
③アルカリ性の水溶液に酸性の水溶液を足しても中和はおこる。
④この実験ではNa+とCl-は水を蒸発させるNaClとして出てくる。このような中和によってできる水以外の物質を「塩(えん)」という。
これで、この実験の説明を終わるね。
5.BTB溶液に酸素を加えたときの色の変化
BTB溶液に酸素を加えると、どうなるかな?
酸素が水に溶けるときの特徴は、下の2つ。
①酸素は水に溶けにくい
②酸素は水に溶けても「中性」
つまり、BTB溶液に酸素を加えても、色の変化はないんだね。
→
中学生がかん違いしやすいポイントだから注意しよう☆
BTB溶液に酸素を加える動画も下にのせておくね。
6.BTB溶液に二酸化炭素を加えたときの色の変化
BTB溶液に二酸化炭素を加えると、どうなるかな?
二酸化炭素が水に溶けるときの特徴は、下の2つ。
①二酸化炭素は水に少し溶ける
②二酸化炭素は水に溶けると「酸性」(炭酸水となるため)
つまり、緑色のBTB溶液に二酸化炭素を加えると、黄色になるんだね。
→
テストによく出るからしっかりと覚えよう。
BTB溶液に二酸化炭素を加える動画も下にのせておくね。