この記事では、ベトナム語の母音の発音の仕方を見ていきたいと思います。日本語の母音が「あいうえお」の5つであるのに対し、ベトナム語は12個の単母音があります。それで、ベトナム語をカタカナで表記しようとも、
a ă はすべて「あ」
o ô ơ â はすべて「お」
となってしまい、カタカナでベトナム語を表記することはできません。ベトナム語のそれぞれの母音の発音法をきっちり勉強していきましょう。
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ベトナム人のアドバイスはここだけ無視!
ベトナム人と発音の練習をしているときに必ず出会うのが、
ă : ắ(上がる声調) で読め!
â:ấ(上がる声調) で読め!
y:イークレットって読め!
っと必ずいわれます。また、 「ă は a と発音が違って、口の形がどうのこうの」っと言う説明を受けることもあるかもしれません。でもかれら説明、外国人がベトナム語を学ぶ障害となります。この3つのアドバイスは聞いているふりだけして授業が終わったら即忘れてください。そして以下の説明のとおりに発音してください。
a
口の形: 口を横にも立てにもめいいっぱい広げる
舌の位置: あくびをしたときのように下に下げる
音の長さ: アー と長めに
a は口を縦にも横にも広く大きく開けて アー と長めに発音します。あくびしたときのように舌を下げて、長めに伸ばして「あー」と発音します。
ă
口の形: 口を横にも立てにもめいいっぱい広げる
舌の位置: あくびをしたときのように下に下げる
音の長さ: 短く「ア」。a の半分くらいの長さ。
ă は上の「a」を短く発音します。口の形や下の位置は「a」と変わりません。しかし「a」の半分くらいの長さで発音します。
a と ă
口を大きく開けて「ア」といいます。「ă 」は、「a」と全く同じ発音で短く発音します。「a」の半分くらいの短さで発音しましょう。あまり勧められませんが、あえてカタカナで書くとすれば、
an:アーン
ăn:アン
このような感じになります。
ベトナム人と練習していて、「 a , ă 」の練習をしたいときは、単体でではなく、 an と ăn, nam と năm というふうに実際にある単語で練習しましょう。
i , y
口の形: 横に広く引っ張る
舌の位置: 舌は上げて前に出す
音の長さ: 長め
口を横の強く引っ張って「イ」を発音します。i , y は全く同じ音です。しかし、前に母音が来ると、 [ i ]は短く、 [ y ] は長く発音します。
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#view=home&op=translate&sl=vi&tl=ja&text=mai%0Amay
グーグルマップで「 mai 」「 may 」と打って、長さがどんなものかしらべてみてください。またベトナム人と勉強するときは、単体ではなく、「 hai, hay」「 mai, may」というふうに単語として勉強しましょう。
u
口の形: 口は小さくすぼめる キスするときのような形
舌の位置: 舌は丸めてあげます
音の長さ: 長め
日本語の「う」より口をすぼませて、タコのような口で「ウ」を発音します。
ư
口の形: 横に広く
舌の位置: 舌は上げる
音の長さ: 長め
「い」というときの口の形で「ウ」を発音します。お腹を叩かれたときの「ウッ」というときの音です。
e
口の形: 横に広く
舌の位置: 舌は下げて前に出します
音の長さ: 長め
口をめいいっぱい開けて「エ」を発音します。ヤギさんのめぇぇ~というような感じの「え」の音です。
ê
口の形: 口は半開き
舌の位置: 舌は前に出す
音の長さ: 長め
日本語の「エ」とほぼ同じです。長さだけ少し長めに発音することを意識しましょう。
o
口の形: 縦に広く開ける
舌の位置: 舌は縮めて後ろに引きます
音の長さ: 長め
口をめいいっぱい開けて「オ」を発音します。拳を口に入れるような感覚で口を立てに大きく開きます。そして舌先を下げて、舌の根元の部分を喉の奥の方に引きながら「オ」を発音します。
ô
口の形: 口はすぼめる
舌の位置: 舌は後ろに引く
音の長さ: 長め
日本語の「お」に近いですが、日本語の「お」より口をすぼめて「オ」と発音します。「ほぉ~」というときの「オ」の感じです
ơ
口の形: 口は半開き
舌の位置: 舌は真ん中に浮かせる
音の長さ: 長め
日本語の「え」というときの口の形、口を横にだらっと半開きした状態で「オ」と発音します。舌先を浮かせて口内の真ん中に来るようにします。
â
口の形: 口は半開き
舌の位置: 舌は真ん中に浮かせる
音の長さ: 短め
「â」は「ơ」と全く同じ発音で、「ơ」の半分くらいの長さで短く発音します。Google翻訳で「 ơn 」と「 ân 」と打ち込んで音と長さを比べてみてください。
https://translate.google.co.jp/?hl=ja#view=home&op=translate&sl=vi&tl=ja&text=%C3%A2n%20%0A%C6%A1n
ベトナム人と練習していて、「 ơ , â 」の練習をしたいときは、単体でではなく、 ơn と ân のように実際にある単語で練習しましょう。
先生の説明と違うんですけど……
ベトナム人やベトナム語を教えてくれる日本人の説明と違いましたか?でもこれにはちゃんとしたわけがあるんです。 [ă]と[â] の音は、単体では発音できません。しかし、ベトナム人は名前のスペルなどを説明するために[ă] や[â] を声調を変えて読むことによってどちらかがわかるようにするよう学校で勉強しています。それで、この説明のまま外国人が覚えてしまうと、[ă] と[â] は見分けるためだけに作られた発音を覚えてしまうことになり、実際の会話では使えないものになってしまいます。
この記事では、ベトナム語の母音の発音の仕方を見てみました。いかがだったでしょうか。ベトナム語の最大の難関と言われる「発音」。まずはこの記事で考えたように頭で理解して、あとはたくさん言って、話して、なれていくようにいたしましょう。