倉敷市、特定抗争指定暴力団神戸山口組系熊本組の組長宅に５月、銃弾が撃ち込まれた事件で、岡山県警は２０日、殺人未遂、建造物損壊などの疑いで、津山市、特定抗争指定暴力団山口組系杉本組幹部の男（５８）を再逮捕した。

　県警は認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると「殺すつもりだった」と供述。現場の弾痕を調べた結果、少なくとも１発は貫通して室内に入っていたことも判明し、こうした状況から殺人未遂容疑を適用したとみられる。

　これまでの調べでは、容疑者は事件直後に実弾数個と自動小銃のような１丁を持って出頭、銃刀法違反容疑で逮捕された。現場では回転式拳銃とみられる１丁が見つかり、２丁が使われた可能性が高いことが分かっている。捜査関係者によると、回転式拳銃は装填（そうてん）された実弾が詰まって発射できなくなっており、県警は男が途中で使えなくなった銃を捨て、自動小銃で発砲を続けたとみている。

　再逮捕容疑は５月３０日午後５時５５分ごろ、組長（７５）宅敷地に侵入。在宅中の組長に対する殺意を持って拳銃のようなものを数発発射し、玄関ドアや壁を傷つけた疑い。県警は山口組と神戸山口組の対立抗争との見方を強めている。

　県警は今月４日、暴力団対策法に基づき、津山市川崎の杉本組事務所の使用を制限する仮命令を出した。また、同市について、組員らが５人以上で集まることなどを禁じる「警戒区域」への指定も視野に情報収集を進めている。