64歳以下を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種を19日から始める南佐久郡南牧村が、日本人の接種を終えた後に技能実習生ら外国人の接種を予定していることが18日、分かった。高原野菜の産地でもある村の農業を支える実習生を優先すべきだとの声もあるが、村は通訳の必要や、実習生に若者が多いことなどを考慮したとしている。
村は64歳以下の接種について、12~17歳は個別で、他は土曜に集団で進める方針。集団接種の1日の上限は400人程度で、今月19日と7月10日に基礎疾患がある日本人と56~64歳の日本人、7月17日と8月7日に40~55歳の日本人、8月21日と9月11日に18~39歳の日本人に接種する計画。外国人は9月4、25日に行う。
村によると、通訳などのために監理団体に立ち会ってもらうことや、1日の接種上限を考慮し、外国人をまとめて接種するのが適当と判断したという。
役場内の議論でも、外国人が最後になることに「差別に当たるのではないか」との声もあったが、大村公之助村長は「村全体の接種の段取りをする中で決まった。(さまざまな監理団体を通じて外国人が集まっているため)先に接種しようとすると手続きに時間がかかり、村全体の接種が遅くなる」と説明している。
実習生らはレタス作りなどを支えており、住民約2900人のうち外国人が1割超を占める。フィリピン人の実習生男性は今回の村の対応について「接種できるのであれば時期は問題ない」と話す。ただ、受け入れ農家の男性(67)は「村の農業の原動力は外国人。先に接種してもいいのではないか」と話した。
外国人困窮者らへ医療支援を行うNPO法人「北関東医療相談会」(群馬県太田市)の長沢正隆事務局長は取材に「日本人と外国人を区別した方が効率的だと思う」としつつ「共生という意味では、区別なく接種していく方法を考えても良かったのではないか」としている。
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