鳥取県内で新型コロナワクチンの接種を受けた高齢者3人が、その後死亡していたことが分かった。山陰両県で接種後の死亡例について公表されたのは初めて。
鳥取県によると、今月13日までに鳥取県内では医療従事者や高齢者などを中心に合わせて約16万回の接種が行われ、このうち22人について副反応の疑いが報告された。この副反応のあった22人のうち3人は死亡していた。この3人はいずれも高齢の女性で90代が1人80代が1人70代が1人だったということを明らかにした。ワクチン接種と死亡との関連について国は調査を続けているが、現時点で因果関係は不明。
一方、アナフィラキシーなど副反応のあった残る19人については、重篤な症状が4人、15人は発熱や倦怠感などの軽い症状。接種後の死亡をどう捉えれば良いのか、医師に聞いた。
(鳥取赤十字病院 田中久雄副医院長)
「ワクチンを売っているのは高齢者が多いので、一定の確率でいろいろな病気になったり、それがたまたまワクチン接種と重なれば接種後の死亡例としてカウントされる。
接種後に死亡が確認されるのは新型コロナのワクチンに限ったことではないと話す。
(鳥取赤十字病院 田中副医院長)
「インフルエンザなどほかのワクチンでも死亡例はある。ただ直接の因果関係があるような例は無いように思う」
例えばインフルエンザの予防接種では、2019年のシーズンに接種を受けた約5650万人中、接種後に7人の死亡が確認されている。一方新型コロナのワクチンでは、先月30日までにファイザー社のワクチンを接種した約975万人中、139人が接種後に死亡している。死亡率を比較すると1000万人中、インフルエンザワクチンの場合死者が1.2人なのに対して新型コロナのワクチンでは142人とかなり高い数字となっている。
しかし国と県によると副反応疑いとして報告するかは実施した医療機関の判断に委ねられるため単純に比較はできないという。
(鳥取県 新型コロナワクチン接種推進チーム 西尾泰司サブチーム長)
「新型コロナのワクチンは初めての経験なので、医療機関も少しでも副反応があれば細かいことまで報告しているのかなと思う。ワクチンにはかなり高い効果があると言われているので県としては積極的に打っていただきたい」
県は、不安のある人はかかりつけ医や県のコールセンターに相談した上で接種の判断をして欲しいとしている。
一方、島根県でも今年2月から接種が始まりましたが、これまでに医療従事者や高齢者などで、39件の副反応疑いが確認されたということでです。
そのうちの死亡件数など,細かい内訳について,市町村から国に直接情報が上がっているため、島根県は把握していないということです。