俳優の東啓介(25)が、ミュージカル「マタ・ハリ」(7月16~20日、大阪・梅田芸術劇場メインホール)に出演する。初演の2018年、ヒロインのマタ・ハリの恋人で戦闘パイロットのアルマンを好演。今回の再演も同じ役(三浦涼介とWキャスト)で「3年たった自分の成長を見せたいし、あの頃できなかったアルマンの葛藤を、もっと掘り下げてさらに魅力を伝えたい」と意気込みを語った。
第一次世界大戦中、ダンサーのマタ(柚希礼音、愛希れいかのWキャスト)がフランス諜報局からスパイになることを要求され、翻弄される姿を描く。東は「戦争の生きづらさを共有しながら、真の愛を見つけていく。今のコロナ禍の時代にとても合っているなと思います」。自粛生活で人と直接会うことが難しい昨今。「生きづらい世の中だからこそ、本当の友情や愛情、相手を思いやるって何だろうって考えてもらえればうれしい」とアピールした。
テニスのインストラクターを目指していた東だが、高校時代のケガで断念。その時、友人が雑誌で見つけたオーディションで芸能界への挑戦を決めた。ミュージカルに触れたのも高校の芸術鑑賞教室だという。「授業が潰れてラッキーと思っていたのが、『レ・ミゼラブル』を見て、最初のワンフレーズで引き込まれました。人が演じている感動と、芸能界ってテレビだけじゃないと知りました」と笑う。実際にミュージカル出演が増え「社長から『歌を磨きなさい』と言われ、レッスンで一つずつ積み上げて今がある感じ」と努力を重ねてきた。
今年3月には写真集「何色」をセルフプロデュース。「僕の取り扱い説明書」と自信の1冊に仕上がった。今後の活動についても「一役者として人に求められる人になりたい」とキッパリ。昨年亡くなった三浦春馬さんを目標に挙げ、「人として素敵な方。そういう人の後を継ぎ、追っていきたい」と目を輝かせた。(古田 尚)
◆東 啓介(ひがし・けいすけ) 1995年7月14日生まれ。25歳。東京都出身。13年にワタナベエンターテインメント主催「D―BOYSオーディション10th」でファイナリストに選出。同年「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン」で本格デビュー。舞台「刀剣乱舞」シリーズ、ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」(17年)、「ダンス・オブ・ヴァンパイア」(19年)などで活躍。