今回は、新参の企業、京都酒造の京都ウイスキー西陣織ラベル 赤帯を飲んでみます。

京都 丹波地方に誕生したクラフトウイスキーメーカー

_DSC3843_01京都酒造は、京都府の中部、丹波地方にある京丹波町に、2019年に設立した新参のメーカーです。

同社は同時に京都みやこ蒸溜所を建設し、ストレート型とバルジ型のポットスチルを1基ずつ設置しています。
この蒸溜所の立地は、高原地帯で周辺に比較的高い山々があることで寒暖差の激しい場所であり、近くには鮎の生息する由良川が流れていて、水自体も申し分ないと言えるでしょう。

その同社が2021年3月に3本の「京都ウイスキー」を発売しました。
ラインナップは赤帯、黒帯、紫帯の3種類で、それぞれに西陣織のラベルが貼られているのも特徴です。

ただ、建設からまだ2年ほどしか経過していないため、同蒸溜所の原酒は十分な熟成を経ていないことは明らかで、実際これらのボトルは自前の原酒だけでなく、スコッチやバーボンのバルクウイスキーをブレンドしているのは間違いないです。
特にグレーン用の蒸留器を持っていないため、ブレンデッドとして出す場合は他社から購入した原酒を使うことになるでしょう。

内訳として、黒帯はグレーン原酒としてバーボンを使ってブレンドしていて、紫帯はピーテッドモルトを加えたブレンデッドモルトとなっています。

そして今回飲む赤帯は、スコッチのモルト、グレーンを加えたものになっているようです。

未熟さが残るブレンド

グラスからの香り、液色

グラスからはアルコールの揮発する刺激がダイレクトにやってきます。その奥からはレーズン、リンゴの香りが続きます。

液色は少々淡いゴールドです。

ストレート

グラスから香ったアルコール感は少なく、ラムレーズンとリンゴの香りが先に訪れます。後からはカラメルの甘い香りが続きます。
ただ、全体的に甘味料のような違和感が多少感じられます。

味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、渋みとともに酸味が全体に広がり、後から甘さも感じられます。

ロック

レモンのような爽やかな香りが先にやってきて、ラムレーズンの香りが続いてきます。リンゴやカラメルはかなり潜んだ印象です。

味わいは、ほろ苦さが多少強まるものの、柔らかい酸味とほんのりした甘みが全体に広がります。

ハイボール

メロン、青リンゴ、レーズンの甘い香りが訪れ、奥からはカラメル、シナモンの香りもします。
ただ、ハイボールとしてみても香りはそれほど強くはないです。

味わいは、軽い苦みがあるものの、後からは甘みが広がっていて、比較的飲みやすい印象です。

まとめ

完全にバルクウイスキーを使っているのではなく、自前のモルト原酒も加えている可能性もありそうです。
樽で熟成されていない、アルコール感の目立つニューメイクの印象があり、若さを感じられます。

まだ味わうには早く、もう2,3年熟成された原酒がどうなっていくのか、見守りたいと思います。その頃にはシングルモルトも出ているでしょう。

700mL、アルコール度数40度、価格は2000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り D: ニューメイクのようなアルコール臭が強め。青リンゴ、レーズン、カラメルの香りが主体。
  • 味わい C: 未熟な原酒の持つ辛みはそこそこ。苦みの後に酸味と甘さが広がる。
  • 総評 D: 自前の原酒を使っている雰囲気だが、未熟さは隠せない。