[土地規制法案を問う]
【東京】安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する「土地規制法案」に反対する集会が15日、国会前であり、首都圏に住む沖縄県出身者や各市民団体のメンバーらが「沖縄つぶしの法案だ」「監視密告を強要される」などと強い懸念を挙げて廃案を訴えた。
法案について私権制限や個人情報の問題など重大な人権上の懸念が指摘される中、集会を呼び掛けた「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」のメンバーで都内在住の青木初子さん(73)=名護市出身=は「米軍基地や自衛隊基地の建設が進む沖縄が、最も影響を受ける。県民の暮らしが踏みにじられる沖縄つぶしの法案だ」と強調した。
千葉県から参加した鈴木登美子さん(74)は、宮古島から本土に移り住んで50年余り。故郷で強化される自衛隊施設が「特定注視区域」として想定されることに触れ「法案の中身について多くの国民が知らないままに、成立されようとしている。これは全国民の問題。一人一人が考えてほしい」と話した。
電話をつないで、沖縄からあいさつした沖縄平和運動センターの山城博治議長は、基地周辺の「機能阻害行為」を禁じる同法案について「基地に反対する人、政府に反対する人、全てが調査の対象となる恐ろしい法案。戦争に協力を求められる戦争法案だ」と危機感を示した。
同法案の問題点を指摘した海渡雄一弁護士は「この法案で第1のターゲットになるのは、明らかに沖縄だ」と指摘。「政府は基地や原発周辺の土地を外資による取得から守ると言っているが、外資の取得を禁止する法律ではない。被害を受けている地域住民を監視し、全ての情報を首相の下に集め、住民をどう喝して黙らせるための法案だ」と警鐘を鳴らした。