ピサの壁画『最後の審判』は、ペストの流行前に描かれた。その後、黒死病がピサの街に壊滅的な被害をもたらしたことを考えると、その鮮やかさがいっそう胸に響いてくる(PHOTOGRAPH BY ERICH LESSING / ALBUM)
15世紀の絵画の中で、黒死病に罪人(写真外)を狙わせる天使(PHOTOGRAPH BY PRISMA/ALBUM)
1348年5月14日、バルセロナのキリスト教徒が行っていた行進は、ユダヤ人居住区域の襲撃に変わった。虐殺のきっかけは、司祭がユダヤ人を非難し、水と食物に毒を混入して黒死病を引き起こしたと主張したことだった。ペストを口実に、ヨーロッパ各地のユダヤ人はしばしば激しい迫害を受けた(PHOTOGRAPH BY AKG/ALBUM)
地獄の業火に永遠に焼かれることを恐れ、多くの人が教会に寄付をするようになった。神の怒りを和らげようとする人々のおかげで教会の金庫は大いに潤った。また、黒死病からの守護聖人とされる聖ロクスや聖セバスティアヌスが崇拝されるようになった(PHOTOGRAPH BY AKG/ALBUM)
英国などで羊毛の取引がさかんになったのは、黒死病による被害のためである。労働力が不足し、生き延びた人々はより高額の支払いを求めるようになり、ヨーロッパの封建制度を脅かした(PHOTOGRAPH BY ORONOZ/ALBUM)

(文 ANTONI VIRGILI、訳 三枝小夜子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2020年5月4日付の記事を再構成]

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