【田上】ごぶさたしています! いやいや、半年ぶりにお邪魔しましたが、活気に溢れていますね。工場の雰囲気から、ビジネスが好調なのがすぐに分かりましたよ!
【二階堂】……(はぁ)。

【田上】ただ、お一人、例外がいらっしゃるようですが……。二階堂さん、どうしました? 浮かない顔をして。
【二階堂】た、の、う、え……さん……。
【田上】だ、大丈夫ですか! ちょっと横になった方がいい。よかったら、お話を伺えませんか、私にできることでしたら、相談に乗りますよ。
【二階堂】じつは、ここのところずっと寝不足なんですよ。ビッグデータ活用のセミナーに参加した社長が、帰ってきた途端、「データは捨てるな」「すべてバックアップして残しておけ」と言い始めて……。
会社の業績や設計図面などの重要なデータは、これまでもバックアップしていたのですが、会議の議事録や昔の企画書、メール、グループウェアの掲示板の書込などもすべて捨てるなと言われてしまって……。いい方法はないかと悩んでいたんです。
【田上】ビックデータですか。先進的な社長らしいですね。ただ、いきなり「全部捨てるな」というのは……。
【二階堂】でしょ。無茶ですよ。ウチの環境はWindowsとLinuxが混在していて、いろんなアプリが動いているので、バックアップはOSやアプリごとになりかねない。毎日の業務で手一杯なのに、この上、データをすべてバックアップしていたら、家に帰れませんよ。私だって、バックアップには別に詳しくないし、まさに、今流行りの"ワンオペ状態"じゃないですか!