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矛盾深まる土地規制法案――数百万人の私権制限の恐れ。入管法に続き廃案しかない

与党が衆院採決強行した法案は立法事実なし。安保を口実に政府の恣意的運用許す

馬奈木厳太郎 弁護士

8. 猛威ありきで「平時の有事化」を進めるな。まずは環境改善の努力

 諸外国でも同様の規制はあるからとして、法案のような規制を当然視する声もあるところです。確かに、アメリカやオーストラリア、韓国などでは規制する法律がありますが、こうした国々は、集団的自衛権に基づき、歴史的に戦闘行為を行ってきた国々だという事情が一つにはあります。日本とは置かれている状況が同じではなく、外国にもあるからと単純に比較するのは適切ではありません。また、規制の内容や手続も今回の法案とは異なっていますし、そうした点でも単純に今回の法案を導入する根拠となるものでもありません。

 なにより、そうした規制が必要とされるのは、周囲との関係で脅威を有し、あるいは相手にとって脅威となっているからに他なりません。そうであるなら、必要なのは双方にとって脅威となる条件や環境を改善していく努力なのであり、それこそが日本国憲法の示す方向性のはずです。

 法案は、こうした考え方に真っ向から対立するものであり、「平時の有事化」を進めるものでしかありません。

拡大国会議事堂=東京・永田町
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筆者

馬奈木厳太郎

馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう) 弁護士

1975年生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。 福島原発事故の被害救済訴訟に携わるほか、福島県双葉郡広野町の高野病院、岩手県大槌町の旧役場庁舎解体差止訴訟、N国党市議によるスラップ訴訟などの代理人を務める。演劇界や映画界の#Me Tooやパワハラ問題も取り組んでいる。 ドキュメンタリー映画では、『大地を受け継ぐ』(井上淳一監督、2015年)企画、『誰がために憲法はある』(井上淳一監督、2019年)製作、『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』(平良いずみ監督、2020年)製作協力、『わたしは分断を許さない』(堀潤監督、2020年)プロデューサーを務めた。演劇では、燐光群『憲法くん』(台本・演出 坂手洋二)の監修を務めた。

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