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210613_01SPⅤ

全体公開
2021-06-13 10:44:04

       ザイア日本支社・サウザー課に一体のヒューマギアが運び込まれる。
       それを見つめる一人の男。仮面ライダーサウザー・天津垓。

サウザー「これが本社が用意したヒューマギアか」

       サウザーのザイアスペックに与多垣から通信が入る。

与多垣「名前は『ダズ』。本社が進めている新兵器のテストベット機だ。お前の仕事は」
サウザー「実戦データ収集のサポート。それに…」
与多垣「天津、こいつをお前に任せる意味、分かるな?」
サウザー「もちろん。1000%任せてもらおう」
与多垣「頼んだぞ」

       サウザー、通話を終えダズに向き直る。

サウザー「さて、起動しろダズ」

       駆動音と共にモジュールが発光。ダズ起動する。

ダズ「本社サーバーニアクセス・同期ヲ開始」
サウザー「私が分かるか?」
ダズ「照合完了。日本支社/サウザー課課長/仮面ライダーサウザー/天津垓」
サウザー「よし。これよりプロジェクトを開始する。目標は、仮面ライダーだ」
ダズ「了解。作戦行動ヲ開始シマス」

       ダズ、出撃。

サウザー「さぁ、サウザー課の仕事を始めよう」

       サウザーもサウザー課を後にする。



       シューティングウルフキーの起動音が鳴り響く。

バルカン「変身!」

       銃弾の嵐を抜けバルカンが飛び込んでくる。追撃するトリロバイトマギア。

バルカン「くっ!何だこのマギア共!?」

       バルカン、襲い掛かるマギアをスピードとパワーで圧倒、撃破する。
       マギアの残骸を見つめ。

バルカン「どっから沸いて出た。まさか滅亡迅雷の…いや、今更あいつらが。とにかく
     AIMSに連絡だ」

       バルカンがライズフォンを取り出した瞬間、銃弾がそれを撃ち抜く。
       姿を現すダズ。

バルカン「新手か!」
ダズ「照合完了。仮面ライダーバルカン/使用キー・シューティングウルフ。
   是ヨリ、タスクβ1ヲ開始スル」

       攻撃を開始するダズ。応戦するバルカン。勝負は互角。

バルカン「お前、一体どこのヒューマギアだ!?」
ダズ「計測値、予測ノ誤差2%。タスクヲβ1カラβ2ニ移行」
バルカン「答えろ!」

       バルカン攻撃。ガードするダズだが衝撃で後ずさる。

ダズ「ライザーカウンター起動」

       ダズが地面を踏み込んだ瞬間、バルカンの視界に一瞬ノイズが走る。

バルカン「ん?何だ」
ダズ「出力レベル2・計測ヲ開始スル」

       ダズゆっくりバルカンに迫る。

バルカン「こいつ!」

       再び攻撃を放つバルカン。しかしその攻撃を片手で止めるダズ。

バルカン「何!?」
ダズ「計測値、予測ノ誤差3%」

       ダズを払い連撃を繰り出すバルカン。しかしその全てが無力化される。

バルカン「くっ、どうなってやがる!?」
ダズ「総合数値・予測範囲内/タスクβ3ヲ開始。カウンター出力レベル5」

       再び地面を踏み込むダズ。同時に先程より大きなノイズが視界に走り体勢を崩すバルカン。

バルカン「うおっ!」
ダズ「計測開始」

       ダズ攻撃を繰り出す。バルカン躱そうとするが思った様に動きが取れず直撃する。

バルカン「ぐあっ!」

       更なる追撃。それを受け流し今度はカウンターを叩き込むが、ダズは微動だにしない。

バルカン「なっ!?」
ダズ「計測値、予測ノ誤差0%」

       強烈な一撃で吹っ飛ぶバルカン。

バルカン「ぐあぁぁぁぁぁ!…何だ、スーツの反応が悪い!」
ダズ「ダスクβ3終了。続ケテβ4~β5ノシークエンスヲ…」
ゼロワン「不破さん!変身!」

       メタルクラスターホッパーの変身音と共にゼロワンMが登場。
       プログライズホッパーブレードでクラスターセルを放ち牽制。

ゼロワンM「大丈夫か!?」
バルカン「社長!」
ゼロワンM「何なんだこのヒューマギア!?」
ダズ「…了解。タスクβヲ中断。目標ヲバルカンカラゼロワンニ変更」
バルカン「気を付けろ社長、こいつ妙な力を使う!」
ゼロワンM「もしデータが改竄されてるなら、これで!」

       ゼロワンM、一気呵成に攻めダズの隙を作る。

ゼロワンM「もらった!」

       ホッパーブレードの一撃がダズに迫る。しかし突如現れたサウザーがそれを受け止める。

ゼロワンM「何!?」

       動揺するゼロワンMからホッパーブレードを奪い斬り飛ばすサウザー。

ゼロワンM「うわぁぁぁぁ!」
バルカン「社長!」
サウザー「まだこれを使わせる訳にはいかない」

       サウザー、ホッパーブレードを投げ捨てる。

バルカン「サウザー課長。まさかそのヒューマギア、ザイアが!?」
ゼロワンM「何で、何であんたがヒューマギアにそんな事を!?」
サウザー「ザイアの利益となる事こそ、我がサウザー課の使命だ」
ゼロワンM「AIと生きるって事の意味を理解してくれたんじゃなかったのか!?」
サウザー「全ては利害の一致。『アーク』それに『ガーディアン』。どちらもザイアにとっては
     企業イメージを損なう邪魔な存在だった」
ゼロワンM「そんな…!」
バルカン「社長、結局こいつはぶっ潰すしかない相手だったって事だ」
ゼロワンM「不破さん」
サウザー「話は終わりだ。プロジェクトを進めさせてもらう。ダズ、バルカンは私が相手をする。
     お前はゼロワンに集中しろ」
ダズ「了解。タスクγ2ヲ開始。セルジャマー起動」

       ダズはゼロワンMに、サウザーはバルカンへ攻撃を開始。
       応戦するゼロワンMだが攻撃、防御共にダズに触れた瞬間クラスターセルの
       装甲が無力化される。

ゼロワンM「こいつメタルクラスターの力を無効化してるのか!?」

       両腕のジャマー発生器から火花が散る。

ダズ「セルジャマー可動率93%」
ゼロワンM「もしかして!」

       ゼロワンM、大量のクラスターセルを放ち攻撃。ダズ、無効化し切れず吹っ飛ぶ。

ダズ「セルジャマー可動率150%オーバー。両腕部及ビ、ジャマー発生器損傷」
ゼロワンM「よし!このまま一気に!」
サウザー「ダズ!」

       サウザー、バルカンを払いゼロワンMに攻撃。

ゼロワンM「うわっ!」
バルカン「今だ!」

       バルカン、キーのボタンを押しパワーをチャージ。ダズに銃口を向ける。

バルカン「くらえ!」
サウザー「えぇい!」

       シューティングブラストがダズに迫る。その前に立ちふさがり盾になるサウザー。

サウザー「ぐあっ!」
ゼロワンM「え?」
バルカン「外したか!」
サウザー「ダズ、一時撤退だ!」

       サウザー、ジャッキングブレイクで弾幕を貼りダズを連れて撤退。

ゼロワンM&バルカン「くっ!」
ゼロワンM「…あの人」
バルカン「どうやらザイアは本気で俺達を潰すつもりらしいな」
ゼロワンM「本当に、そうなのかな?」
バルカン「どう言う意味だ?」
ゼロワンM「あのヒューマギア、まるで力を試してるみたいだった」
バルカン「奴等の言ってたプロジェクトってやつか。じゃぁザイアは何を企んでる?」
ゼロワンM「分からない。けど…」
バルカン「何にしても俺は奴等を追う」
ゼロワンM「…」
バルカン「どうした?」
ゼロワンM「少し調べたい事があるんだ。不破さん、今は戦わないって出来ないかな?」
バルカン「無理だな。奴等がその気になればもっと汚い手を使ってもおかしくねぇ。それに…」
ゼロワンM「それに?」
バルカン「あんなもん、滅や迅に見せられるか」
ゼロワンM「不破さん。俺も出来るだけ早く戻る。頼むから無茶だけはしないでくれ」
バルカン「約束出来ねぇな」

       バルカン、サウザー達を追う。ゼロワンMはホッパーブレードを回収し。

ゼロワンM「今はまだ、か」

       通信を開く。

ゼロワンM「イズ、AIMSに連絡を取ってくれ」

       ゼロワンM、バルカンとは反対の方へ向かう。



       メンテナンスルーム。本社と通信するサウザー。

サウザー「やはりゼロワン、飛電のテクノロジーは我々の予測を凌駕しています。
     セルジャマーの復旧は不可能……分かりました」

       通信終了。ダズがメンテナンスを終え現れる。両腕が別のユニットに変わっている。

サウザー「応急修理は終わったか」
ダズ「両腕部・換装完了。接続ニ問題無シ」
サウザー「よし。ただ今を以ってタスクγを破棄。以降タスクΩ発動まで目標を
     ライザーシステムのライダーに限定する」
ダズ「了解」
サウザー「ダズ、メモリに異常は無いか?」
ダズ「可動率安定。正常可動域デス」
サウザー「お前の使命は何だ?」
ダズ「プロジェクトヲ完遂シ、ザイアノ利益ト成ル事デス」
サウザー「では夢は?」
ダズ「ユメ…プログラムニアリマセン」
サウザー「そうか。いやそれでいい。プロジェクトに復帰しろ」
ダズ「了解」

       再び出撃するダズ。

サウザー「データの改竄は完璧。ならば後は飛電或人がどう動くか」

       サウザーもダズの後を追う。



       ダズを探すバルカン。スーツの可動を気にしている。

バルカン「やはり反応が悪い。刃に連絡も取れねぇし、このままやるしかねぇか」

       バルカンの前に複数のトリロバイトマギアが出現。包囲する。

マギア「哨戒班ヨリ連絡。バルカンヲ発見」
バルカン「そっちからお出ましか」
マギア「目標ノ足止メヲ開始スル」

       パワーが出ないバルカン。連携の取れた攻撃が追い立てる。

不破「チョロチョロしやがって!」

       マギアの一斉照射がバルカンを襲う。

不破「ぐあぁぁぁ!」
マギア「実験機到着マデ、コノママ目標ヲ拘束スル」

       バルカンに迫るマギア達。しかしそれを薙ぎ払う銃撃。
       ラッシングチーターキーの起動音が轟く。

バルキリー「変身!」

       颯爽と駆け付けるバルキリー。

バルカン「刃」
バルキリー「大丈夫か」
バルカン「遅ぇぞ。とんだ職務怠慢だな」
バルキリー「話は社長から聞いた。なるほどな、ショットライザーの出力が50%まで低下している」

       二人を取り囲むマギア達。

バルカン「とにかくこいつ等をなんとかするぞ」
バルキリー「了解だ。対象を破壊する!」

       迫る銃撃と斬撃の連携。しかしそれを更なる連携で突破する二人。

バルカン「くらえ!」

       ショットライザーの一斉掃射でマギアをまとめて撃破。

バルカン「刃、こいつを何とか出来るか?」
バルキリー「ここでは無理だ。一度戻って解析してみないと…どこへ行く?」
バルカン「時間がねぇ。このまま行く」
バルキリー「またそんな無茶を…」

       突如バルキリーが膝から崩れかける。

バルキリー「くっ!」
バルカン「刃!そこか!」

       バルカン銃撃。その銃弾を握り潰しダズが現れる。

ダズ「バルキリーノ出力低下ヲ確認」
バルキリー「こいつが!」
バルカン「だけじゃねぇ」

       ダズの後ろから姿を見せるサウザー。

サウザー「待っていたよ、刃唯阿」
バルキリー「天津垓。こんなシステムを作ってザイアは何を企んでいる?」
サウザー「君なら分かるだろ。戦場に置いてライザーシステム同士がぶつかり合った場合、
     如何にして優劣が決するか」
バルカン「そんなもん、装着者の実力に決まってんだろ」
バルキリー「いや、兵器として不特定の使用を考慮するなら、システムの性能こそが勝敗を決める」
サウザー「その通り。このライザーカウンターはそれをコントロールするシステム。
     よりザイアに利益を齎す側へ段階的にシステムの使用権を解放すれば、
     その利益は莫大なものとなる」
バルカン「ザイアは戦争をコントロールするつもりか!」
バルキリー「無理だな。それは戦局の一つの要因に過ぎない。そのヒューマギアの本当の意味は何だ!?」
サウザー「残念だが私もそこまで知らされてはいないよ。ダズ、プロジェクトを完遂しろ」
ダズ「了解」
バルカン「上等だ。ここでお前達をぶっ潰す!」

      パワーダウンを連携でカバーしダズに対抗するバルカンとバルキリー。

ダズ「予測誤差28%・再計測ヲ開始」

      攻撃の手を止めないダズ。果敢に攻める二人。戦闘の場を移す。

サウザー「やはり予測を大幅に上回っている。これがシステムを越える力…」
ゼロワンM「そう。想いの力だ」

      ゼロワンM、サウザーと対峙する。

サウザー「どこに行っていた、飛電或人?」
ゼロワンM「これ以上ヒューマギアを使って馬鹿な真似はさせない」
サウザー「ザイアに歯向かう事こそ、馬鹿な真似だと思うが?」
ゼロワンM「戦うしかないんだな」
サウザー「答えは分かっているはずだ」
ゼロワンM「なら、もう容赦はしない!」

      ぶつかり合うゼロワンMとサウザー。その力は互角。

サウザー「流石だな飛電或人!だが!」

      サウザー、サウザンドディストラクションを放つ。ガードするも吹っ飛ぶゼロワンM。

ゼロワンM「ぐあっ!俺は負けない、人とヒューマギアの未来の為に!」

      ゼロワンM、ゼロツーキーを取り出す。

サウザー「君には散々苦い思いをさせられてきた。その考えは手に取るように分かる。フン!」

      サウザンドジャッカーのクリスタル攻撃で怯むゼロワンM。

ゼロワンM「くっ!」
サウザー「ゼロツーキーの力、頂くぞ!」

      サウザンドジャッカーをゼロツーキー目掛け突きこみその力をジャックする。

ゼロワンM「ぐうぅぅぅぅぅ!」
サウザー「はあぁぁぁぁぁ!」

      力が弾ける。サウザンドジャッカーがゼロワンM目掛け振り降ろされる。

サウザー「たあぁぁぁぁ!」

      しかしその刃が寸でのところで止まる。

ゼロワンM「考えてる事は手に取るように分かる。今なら」

      ゼロワンM、サウザンドジャッカーを降ろさせる。

サウザー「ようやく一息つける。良く気付いてくれた、飛電或人」
ゼロワンM「全部この為の芝居だった。ゼロツーキーとザイアスペックを使って、
      ゼアの思考領域に飛ぶ為の」
サウザー「私の言動は全て本社にモニタリングされているからね」
ゼロワンM「教えてくれ、今度こそ本当の事を」
サウザー「本社は新たな兵器事業を立ち上げている。まだ詳細は掴めていないがそれを探っている折り、
     日本支社に今回の計画書とダズが送り込まれて来た」
ゼロワンM「あのヒューマギア、ザイアはどこから?」
サウザー「ダズは不法投棄されていたヒューマギアだ。本社はそれを回収し、あの姿へと作り替えた」
ゼロワンM「それって…」
サウザー「そう、私が飛電を買収した時だ。ダズは新兵器のテストベットであり、飛電のテクノロジーを
     解析する為の生贄だ」
ゼロワンM「プログライズホッパーブレード」
サウザー「あれはヒューマギアを救える奇跡のテクノロジー。本社が何を企んでいるにせよ
     あの技術を解析される事は、飛電にとっても、ヒューマギアにとっても命取りになるだろう」
ゼロワンM「全部飛電を思っての事、か」
サウザー「ああ」
ゼロワンM「けどそれだけじゃないんだろ?」
サウザー「やはりバレてしまったか。これは個人的な贖罪だ。ダズがああなってしまったのも、
     その原因を作ったのも全て私の愚かな考えの結果。ダズを救いたい」
ゼロワンM「天津課長」
サウザー「対策は出来ているな?」
ゼロワンM「ああ。ゼアがやってくれた」
サウザー「全てはゼアの予測通りか」
ゼロワンM「それだけじゃない。あんたがダズを庇った時に感じた。あんたのヒューマギアに対する想いを。
      俺はそれを信じたいと思った」
サウザー「そうか。ならば後は私を倒せ、飛電或人」
ゼロワンM「ホントにいいんだな」
サウザー「本社を最後まで欺くにはそうするしかない」
ゼロワンM「分かった」
サウザー「だが、一つだけ。不破君と刃君には弁解を頼む。1000%許されるとは思わないが」
ゼロワンM「フッ。分からないぜ。俺達は仮面ライダーだろ?」
サウザー「…そうだな」
ゼロワンM「感謝します。飛電と全てのヒューマギアを守ってくれて」
サウザー「これがサウザー課の仕事だ。では、始めようか」

       サウザンドジャッカーを構えるサウザー。

ゼロワンM「ああ」

       そこにゼロツーキーを当てるゼロワンM。二人の意識が現実に戻る。
       始まる本気のぶつかり合い。激しい攻撃の応酬。

サウザー「さぁ1000%の力を見せてみろ!」

       サウザー、サウザンドジャッカーでクリスタル攻撃。回避するもゼロツーキーを
       払い飛ばされるゼロワンM。

ゼロワンM「望む所だ!」

       ゼロワンM、ライジングホッパーゼロワンリアライズver.を取り出し起動。ベルトに装填。
       ゼロワンMからゼロワンRへ。

ゼロワンR「お前を止められるのはただ一人、俺だ!」

       ゼロワンR、アクロバットな動きと高速移動からの攻撃でサウザーを圧倒。

サウザー「これがゼロワンの本当の力!だが!」

       サウザー、ジャッキングブレイクを放つがそれを躱し一瞬で後ろに回り込むゼロワンR。

サウザー「何!?」

       サウザーの振り向き様の攻撃を払い強烈な一撃を叩き込むゼロワンR。

サウザー「ぐっ!」
ゼロワンR「はあぁぁぁぁぁぁ!」

       ゼロワンRの高速の連打がサウザーに炸裂。

サウザー「ぐあっ!」
ゼロワンM「これで終わりだ!」

       ゼロワンRのリアライジングインパクトがサウザーにきまる。

サウザー「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!…これ程とは!」

       本社へ通信を開く。

サウザー「作戦続行不可能、離脱する」

       サウザー、満身創痍だがその眼から力は消えていない。ゼロワンRと互いを見据え退場。

ゼロワンR「ダズは必ず助ける」

       ゼロワンR、急いでバルカン達の所へ向かう。



       ダズと戦闘を続けているバルカン、バルキリー。苦戦が続く。

ダズ「ライザーカウンターレベル8」

       二人の出力が一気に落ちる。そこにダズの攻撃が炸裂。

バルカン&バルキリー「くっ!」
バルカン「本当に厄介なシステムだな!」
バルキリー「試験機だけあって装甲も厚い!」
バルカン「だがやるっきゃねぇ!たあぁぁぁ!」

       バルカンの一撃を受け切るダズ。カウンターで吹っ飛ばす。
       その衝撃でバルカンの手からショットライザーが離れる。

バルカン「ぐあぁぁぁぁ!」
バルキリー「不破!」

       バルキリー、銃撃を放つがそれを意に返さず突進を仕掛けるダズ。

バルキリー「ぐあっ!」
ダズ「バルカン及ビバルキリー共ニ戦闘能力軽微。タスクδ・最終シーケンスヲ開始スル」

       ダズ、落ちているバルカンのショットライザーを拾い上げる。

ダズ「ライザーシステムノ破壊ヲ実行スル」

       ダズの手に力が籠りショットライザーから火花が散る。

バルカン「なっ!ふざけんな!」

       バルカン、ダズの腕に組み付き手をこじ開けようとする。

バルカン「二度と無くしてたまるか!ぐぅぅぅぅぅ!」
ダズ「出力ノ上昇ヲ確認」
バルカン「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」

       ダズの手を無理矢理こじ開けショットライザーを奪い返すバルカン。

バルキリー「不破!」

       バルキリー援護射撃。バルカンもダズから距離を取り銃撃を放つ。

ダズ「左腕駆動系ニ損害」
バルキリー「本当に無茶しかしない奴だ」
バルカン「俺にこじ開けられない物はねぇ。それに」

       バルカン、ショットライザーを一瞥。

バルキリー「ああ。私達は仮面ライダーだ」

       体勢を立て直すダズ。

ダズ「ライザーカウンターレベル9」

       膝を着く二人。しかし。

バルカン&バルキリー「くっ!…うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

       気迫。気合で立ち上がる。

バルキリー「今が変身を維持できる限界のラインだ」
バルカン「そんなもん関係ねぇ!俺達がルールだ!」
バルカン&バルキリー「たあぁぁぁぁぁ!(はあぁぁぁぁぁ!)」

       二人の渾身の一撃が炸裂。ダズを怯ませる。

ダズ「予測値オーバー。解析不能」
バルカン「簡単な事だ。想いはテクノロジーを越える」
バルキリー「覚えておけ」
ゼロワンM「不破さん!刃さん!」

       ゼロワンMが駆け付ける。

ゼロワンM「ごめん、遅くなった!」
バルカン「社長」
バルキリー「そっちは片付いたのか?」
ゼロワンM「ああ。ダズを元に戻す。力を貸してくれ」
バルキリー「了解した」
バルカン「任せておけ」
ダズ「緊急指令確認。タスクδヲ破棄シ・タスクΩヲ開始スル」
ゼロワンM「ダズ、お前を止める!」

       既に限界に近い三人だが、それぞれの想いで最後まで戦い抜く。

バルカン「刃!」
バルキリー「ああ!」

       シューティングブラストとラッシングブラスト。
       二人の必殺ショットがダズを動きを止める。

バルカン「社長!」
ゼロワンM「ああ!」

       メタルクラスターキーにホッパーブレードをスキャン。

ゼロワンM「はあぁぁぁぁぁ!」

       ファイナルライズがダズに炸裂。

ダズ「プログラムニ障害発生…スキャニングデータヲ…」

       機能を停止し倒れるダズ。

ゼロワンM「イズ!?」

       通信を開くゼロワンM。

イズ「ダズ無事です。改竄されたデータは全て消え、現在はスリープモードに入っています」
ゼロワンM「データの流出は?」
イズ「ありません。完全に阻止できました」
ゼロワンM「良かった。工場に運んで余計な部品を全て取り除いてくれ」
イズ「分かりました」

       ゼロワンM、通信を切る。

バルキリー「上手く行ったようだな」
ゼロワンM「ああ。刃さんと亡のおかげだ。プログライズホッパーブレードのプロテクト構築が早く終わったのは」
バルキリー「天津垓は?」
ゼロワンM「ちゃんと話したよ。全部ダズやヒューマギア、飛電を守る為だった」
バルキリー「そうか」
バルカン「あ?どう言う事だ刃?」
バルキリー「説明すると長い。後にしろ」
バルカン「何だと?おい社長!」
ゼロワンM「いや、ちょっと長くなっちゃうから、後じゃダメ?」
バルカン「なんで今じゃいけねぇんだ!?」
ゼロワンM「まぁまぁまぁまぁまぁ!」
バルキリー「しかし、ザイアの本社は何を企んでいるんだ?」
バルカン「何を企んでいようが、平和は俺達が守る」
ゼロワンM「うん。じゃ、俺も会社に帰るかな」
バルキリー「そう言えばもうすぐ宇宙だったな」
ゼロワンM「新衛生ウィアに乗り込んでね。帰って兄貴の厳しい訓練だ」
バルカン「頑張れよ」
バルキリー「不破、AIMSに寄れ。ショットライザーのメンテナンスをする」
バルカン「おう。あと説明だ」
バルキリー「分かっている」
ゼロワンM「二人共ありがとう。今日の勝利は、全員の善意があったから!はい、アルトじゃないと!」
バルカン「ぐっ!」
バルキリー「はぁ。行くぞ」

       バルキリー、バルカンを引きずって行く。二人に手を振り、ゼロワンMも飛電に帰る。



       サウザー課に戻ったサウザー。

サウザー「まさかホッパーブレードにプロテクトが施されているとは。全て私の情報収集不足…
     はい、今回の責任は1000%私に…では、AIMSへの説明は日本支社から。失礼します」

       通信を終えるサウザー。

サウザー「さうざー、与多垣社長から預かっているデータをAIMS経由で飛電に転送してくれ」

       さうざーの鳴き声。

サウザー「これでダズは元に戻る。だがヒューマギアを利用した実験兵器。リオンCEOの腹の内を探る必要があるな。
     それが出来るのは1000%私だけ。さぁ、サウザー課の仕事を始めよう」

       新たな仕事に向けて歩みだすサウザー。




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