ミラバイオロジクス株式会社

事業案内

LassoGraft Technology®技術情報 “DOI: 10.21203/rs.3.rs-85705/v1”

私たちは、RaPIDセレクション技術とLassoGraft Technology® という2つの技術を保有しており、高い可能性を秘めた治療用バイオ医薬品の発見を目指しています。
RaPID (Random non-standard Peptides Integrated Discovery)システムは、遺伝子コードの再プログラミングとmRNAディスプレイを組み合わせて、1012以上からなるランダム配列から、多くのde novoターゲット特異的な高親和性大環状ペプチドを提供しています。

このようなペプチドは、一般的に標的に対して絶妙な結合特異性と高い親和性を示します。これらのペプチドは、受容体アンタゴニストまたはアゴニスト、結晶化シャペロン、イメージング/検出ツールなどのアプリケーションで非常に有用であることが証明されています。しかし、大環状ペプチドは薬物動態やバイオアベイラビリティーが予測できないことが多く、薬剤としての使用には必ずしも適していません。

私たちは、大環状ペプチドの「ファーマコフォア」をコピーしてヒトの天然タンパク質の一部とすることでこの限界を解決し、大環状ペプチドとタンパク質の両方のメリットを兼ね備えた、より信頼性の高いドラッグフォーマットを作ることに成功しました。
これは、特別なタンパク質工学的努力を必要とせず、RaPIDペプチドの内部配列を取り、幅広い種類のタンパク質の表面露出ループに挿入するだけで実現できます。この技術はLassoGraft Technology® と名付けられています。この技術を応用することで、IgGや血清アルブミンを含む様々なタンパク質が様々な受容体に結合することが可能となり、二重、三重特異的なバインダー分子を迅速に作製することが可能となりました。

LassoGraft Technology® の技術的な利点は、そのスピード、多様性、親和性の成熟化、プラグアンドプレイ能力にあります。従来のハイブリドーマやフェイズディスプレイの合成ライブラリー法などに代表される、既存の技術を凌駕する技術を有しています。

LassoGraft Technology

【注釈】
当社は、本LassoGraft Technology® の基本技術である2件の出願特許について、出願人の国立大学法人東京大学および国立大学法人大阪大学と独占ライセンス契約を2018年8月末に締結しました。続いてLassoペプチドの探索に利用する、RaPIDシステム技術(一部)についてペプチドリーム株式会社とサブライセンス契約を2018年12月下旬に締結しています。

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事業内容

アルブミンをはじめとする任意のタンパク質(足場)への応用が可能です。しかし、私たちの主な応用対象の一つは抗体分子です。抗体は、二特異性抗体や三特異性抗体を含め、バイオ医薬品の開発・製品化の中心にあります。抗体は、溶解性、低免疫原性、薬物動態、免疫学的特性(ADCC、CDC)など、医薬品としての優れた特徴を多く受け継いでいます。

免疫グロブリン分子のFc部分は、応用のための興味深い足場です。抗体の特徴の多くを維持するようにグラフト部位を設計することができます。グラフトされたFc部分をMirabody®と呼んでいます。Mirabodyの分子量は元の抗体の約3分の1なので、生産性が向上し、商品のコストを抑えることができます。Fcポーション分子には8つのグラフト部位があります。

元のCDR結合活性を維持した抗体全体を足場として利用することもできます。 二重特異性、三重特異性、さらには四重特異性の抗体を作成しました。 それらをAddbody®と名付けました。 Mirabody®と同様に、Addbody®は元の抗体の多くの機能を備えています。 抗体には30以上のグラフト部位があります。

バイオ医薬品の創薬における共同研究のご提案をお待ちしております。当社の治療ターゲット領域は、(細胞膜)タンパク質ターゲットをお持ちであれば制限はありません。


事業概要
事業概要
【注釈】
  • Addbody® は、既存の抗体に、強い結合親和性を持つ環状ペプチドの配列をLassoGraftした構造を有しています。つまり、大手製薬企業が既に持っている抗体医薬品やその開発候補化合物に、第二、第三の機能性を付加したい場合に特に有用です。

  • Mirabody® は、抗体のFc部分を基本骨格に、強い結合親和性を持つ環状ペプチド配列をLassoGraftした構造を有しています。標的タンパク質に強い結合能を有する環状ペプチド(一種類とは限らない)を複数箇所に付加することができるため、結合親和性を増強したり、多重結合性を持たせたりすることが可能です。つまり、Mirabody® はベースとなる既存の抗体が不要であるため、新規の標的、あるいはその組合せに対する創薬を目指す場合に特に有用です。

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