昨日(2021年6月10日)の原稿に書いたように、この「サンデースポーツ」は昼間の東京ドームでの試合生中継とコラボレーション企画である。中継で登場した藤川球児と上原浩治が、ここでも並んで出席。「火の玉ストレート」の藤川球児と、大卒の上原浩治は、揃って同期入団の選手で、共に大リーグにも挑戦した一流投手の野球放談である。
単純に面白かった。実を言うと、上原が現役の時、筆者は彼の顔が苦手で、余り好意をもっていなかった。いかに、男は顔じゃないよと言われても、プロ野球のピッチャーにはイケメンもいる。楽天の岸孝之、日ハムの上沢直之、昔の金子千尋もよかった。ところが、引退後の上原は美醜に関係がなくなり、発言もしっかりしてきた。
どことなく言葉がユーモラス。今回もアナウンサーの解説データを見て、「ちっちゃ、こまか」と表現する。自然体である。一方、藤川球児は立て板に水といおうか、際限もなく言葉が連なって出てくる。この日の日ハムの投手、伊藤大海(ドラフト1位)についても、球児の見立て通りの結果が出た。つまり、一流投手の解説の面白さは、単なる投手心理の説明だけでなく、バッターとの相対的な駆け引きによる的確な球の選択予想まで出来る面白さである。
則本投手の2017年と2021年とのストレートの割合比較なども説得力があった。ともかく、予算潤沢なNHKとしてはこれからもこういう工夫は歓迎する。地上波からほぼ消えたプロ野球のために。(放送2021年6月6日21時50分~)
(黄蘭)
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