高校生男女の淡い恋愛模様を描いたインターネット動画が話題になった。学校帰りに女子生徒が「私をふらないで」という気持ちを込めたカルピスソーダを持っているのに男子生徒が気づく……というストーリーだ。実は、女子が男子にカルピスを渡して告白する伝統が受け継がれている高校が愛知県に実在し、動画はそれに着想を得たものだという。「モデル」となった高校に取材した。(中田宗孝)
告白うかがう高校生描いた動画、ツイッターで反響
ウェブムービー「『カルピスソーダ』を、ふらないで」は、アサヒ飲料から発売中の「カルピスソーダ」とセブンイレブンのコラボレーション企画として7月に公開された。お互いに告白のチャンスをうかがう1年生男女の部活の帰り道が舞台。女子が持っていたカルピスソーダを見ながら、「(カルピスソーダを)ふらないで。炭酸だし……」(女子)、「まぁ、ふらないけどね」(男子)という、お互いの思いが伝わるシーンは、ツイッターで「青春!」「甘酸っぱい!」と反響を集めたという。
愛知の豊橋東高校がモデル「絶対、私たちのことだ」
動画では具体的な学校名は明かされていないが、取材を進めると、愛知県の豊橋東高校で実際に行われている、女子生徒が好きな男子生徒にカルピスを渡すという「告白文化」から着想を得た作品だと分かった。
豊橋東高校の生徒会副会長を務める三浦侑奈さん(2年)は「カルピスソーダの動画を見て『絶対、私たちの高校のことだよね!』と友達同士で話していました。学校内でも結構話題になったんです」と明かす。
平成に入って定着、先輩から後輩に伝わる
同校の生徒たちの間で伝わる告白方法は、毎年秋の体育大会の後に女子生徒が意中の男子生徒にカルピスを渡して思いを伝えるというものだ。同校の先生は「あくまで一部の生徒の間でひっそりと行われるものですが、カルピスを渡す告白は平成に入ってから始まり、定着したようです」と話す。
もちろん、学校行事として位置付けられているものではない。生徒会長の蔵迫亮太君(2年)は、部活の先輩から同校の独特な告白文化を聞いたそうで、先輩から後輩に受け継がれてきたようだ。ただ、なぜカルピスを渡すことになったのかは、先生も生徒も分からないという。