米、J&J製ワクチン6000万回分廃棄へ 工場で材料混入ミス
2021年06月12日 11時47分 毎日新聞
2021年06月12日 11時47分 毎日新聞
2021年06月12日 10時00分 毎日新聞
米食品医薬品局(FDA)は11日、東部メリーランド州ボルティモアの工場で製造されたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社製の新型コロナウイルスワクチンの一部を使用禁止にすると発表した。工場では今年3月にJ&J製のワクチンに別のワクチンの材料が混入するミスがあり、ワクチンが汚染された可能性があるとしてFDAが調査していた。米メディアによると、既に廃棄された1500万回分に加えて、新たに約6000万回分が廃棄される。
ボルティモアの米エマージェント・バイオソリューションズ社の工場は、J&Jと英アストラゼネカ社製のワクチン製造を受託していたが、今年3月にJ&J製のワクチンにアストラゼネカ社製向けの材料が混入するミスが発覚し、FDAが製造や出荷を停止させて影響を調査していた。
FDAは11日、出荷待ちになっている1億回分以上のJ&J製ワクチンのうち、6000万回分は使用不可だと判断する一方、1000万回分の出荷を認めた。残りの分はさらに調査を続けるという。
J&Jのワクチンは接種が1回で済む利点があり、米国では約1120万人がオランダの工場などで作られたワクチンの接種を受けた。ただ、ごくまれに脳などに血栓が生じる事例の報告があり、4月に使用が一時停止されたため、需要が減少していた。FDAは10日、J&J社製のワクチンを2~8度の冷蔵庫で保管した場合の保存期間を3カ月から4カ月半に延長すると発表。米政府は各州にJ&Jのワクチンの活用を呼びかけている。【ワシントン秋山信一】