「味のイメージがわかない」独特なネーミング

108種類のクリームソーダ。メニューの独特なネーミングが話題。写真提供/白季ジルさん(Twitter:@gilles_mmd)
一部の客の間では、ネーミングセンスが非常にユニークだと話題になっている。
たとえば、「環」「言葉」「Q」「おまえまごころとかあるんか?」「もう ゴールして いいよね」「緑虫」など、なんとも独特。注文の際に思わず笑ってしまいそうだ。
「店に来られない方でも見ただけで明るくなれるメニューを意識しました。私(菅原さん)と店長で、お互いの好きなものを出しあい、2日間で考えました」
一番人気は「君が望む永遠」で、菅原さん曰く「複雑な味」。なかでもオススメは「渚」とのことで、「苦しみを乗り越え、幸せにたどり着いた味がします」。
まったく味の想像がつかないが、一体、客はどのようにメニューを選べばいいのだろうか……。
常連客の白季ジルさん(23歳・Twitter:
@gilles_mmd)に聞いてみた。
常連客の声「メニューを見てビビッときたものをその時の気分で楽しむ」

「十六夜」820円。写真提供/白季ジルさん(Twitter:@gilles_mmd)
「108種類あるだけあって、ほとんどのメニューは名前以外見た目も味も分からない状態でした。でも、名前の印象だけで注文するのも楽しみのひとつとなっています」(白季さん、以下同)
どんなものを飲みたいか、苦手なフレーバーなど、あらかじめ希望を伝えることもできるとか。もちろん、昔ながらのクリームソーダも頼めば作ってくれるそうだ。
ちなみに白季さんは「十六夜」と「湊」というメニューを注文したそうだ。気になるそのお味は……?
「十六夜はオレンジやレモンの風味でスッキリめ。一方、湊はシンプルなクリームソーダに生の桃が入った甘めのクリームソーダでした。どちらもとてもおいしかったです」
白季さんは純喫茶も好きで、他店のクリームソーダをたびたび飲みに行っていた。これまで様々な店でクリームソーダを飲んできた。当然、バーテンダーによるものは初めてとのことだが、他店との違いについてこう話す。
「ランバリオンのクリームソーダはオレンジピールでフレーバーが付いていたり、果物シロップを使用したりと、ノンアルコールカクテルのような感覚で楽しめました。グラスにもこだわっていて、昔ながらの純喫茶のものとまた違った新しい良さがあります」
まだ1度しか行けていないという白季さん。ゴールデンウィーク中に再訪問を予定していたが、予想外に繁盛していたそうで「次に行っても入れないかも」と寂しそうに呟いた。
「あまりにも品数が多いので一度の訪問では選びきれません。またメニューを見てビビッときたものをその時の気分で楽しもうと思いますが、個人的には『屋良』と『屋良内科』の違いが気になります」
コロナを乗り越えるべく、様々なアイデアで苦しい状況を生き抜く飲食店。普段お酒を提供するバーが、純喫茶として営業することで、お酒が飲めない客が来店するきっかけにもなっているという。一見さんには入りにくいというイメージもあるバーだが、菅原さんは今回の試みが「最初の一歩の後押しになれば」と話した。11日以降も、不定期で開催したいとしている。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。Twitter:
@nanancypears
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純情喫茶 スガハラ
住所:東京都町田市原町田6-20-10中野屋ビルB1F
営業時間:12時〜20時
Instagram:
@bar_rumbullion
※営業時間やメニューは取材時のものです。