米絵本作家エリック・カールさん(5月23日死去)の代表作「はらぺこあおむし」の版元の偕成社は10日までに、毎日新聞が同作を引用して5日付朝刊に掲載した風刺画について「強い違和感を感じざるを得ない」などと批判する今村正樹社長の見解を公式サイトで発表した。
風刺画は「はらぺこIOC」と題し、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長ら幹部の顔をした「あおむし」が「放映権」と書かれたリンゴの形をした「ゴリンの実」を食べるなどしている内容で、「エリック・カールさんを偲(しの)んで…」と添えられている。今村社長は原作の魅力は「あおむしのどこまでも健康的な食欲」などで「金銭的な利権への欲望を風刺するにはまったく不適当」と指摘した。
毎日新聞社社長室は風刺画を「肥大化するIOCに対する皮肉を表現した作品」と説明し「ご指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後の紙面作りに生かしてまいります」とコメントした。(共同)