2021-06-10

日本の古き良きIT企業退職して3年がたった

3年前、世間一般にはメーカーSIerとして知られている会社退職した。ただ俺のポジションパッケージソフト開発であり純粋SIerとは異なる。

客ともSEとも会話せず、ひたすらドキュメントプログラムを書く部署だ。といっても別にペーペーではなく主任クラスであり、

会社の業績がとてもよかったこともあり年収1000万弱はあった。35歳。

これだけ見るととてもいい待遇に見えるだろう。でも耐えられないことがいっぱいあった。

Linuxで動くアプリなのにVMを動かすのも苦労する8GBしかメモリのないWindows PC、紙にコード印刷して説明しないと納得しない品質保証部、

作業実施Excelにチェックを付けていくテストjquery一つ使うのに3ヶ月かかる承認フロー、開発中にバグを一つ出すごとに

ひたすら反省文を求める品質保証部と一緒になって詰めてくるマネージャー、常にコンパイルできないtrunk、

Java 5の時代から進化しないコード、使いにくい社内ミドルウェアの利用を強制される設計、開発期間の半分以上を占める最上設計

一旦書いたコードは消してはならずコメントアウトしないといけないコーディング規約など、数を上げればきりがない。

色々改善活動を頑張ったものの、結局Subversionの導入も品質保証部がついていけないから、ということでClearCaseといわれる

今ではほぼ誰も使ってないであろうバージョン管理ツールが使われ続けることになった。使いにくい社内ミドルウェア

研究所がその道のプロと聞いたので一緒に改善を図った。そしたらRubyしかいたことがない文系新卒の子が出てきた。

一応研究所の人だし…と思って新バージョンプロトの開発を依頼したら、1分以上稼働できない状態になって出てきた。

研究開発は準委任相当なのでそれ以上修正を依頼できずに期間が終わった。

また前の会社独特の文化として、大きなバグを出した開発者反省会(社内ではとある固有名詞で呼ばれている)があった。

この反省会のターゲットになった開発チームはその資料準備で開発が1〜3ヶ月ほど止まるほど大掛かりなイベントだ。

このとき担当品質保証部は「連帯責任から」という理由資料レビューに大変な精を出す。余計なお世話だ。

このため1020ページほどの資料を毎週レビューにかけて最高のものにしていく。でも結局本番では幹部からの怒号が飛んで終わりである

連帯責任かいっていた品質保証部は幹部と一緒になって詰めてくる。連帯責任ではなかったのか。

幹部によると、この反省会があるから今の会社があるんだそう。これを経験して一人前らしい。

こんな感じで開発の体制はひどかったが、世間一般ではホワイト企業と見られている通り有休は取りやすかった。

そのため、転職活動を始めた。そしたらなんと「メモリ32GBのマシン」「mavenが気兼ねなく使える回線」「自動テスト

GitHub」「CI/CD」 という発言ポンポン出てくる。メルカリだのGoogleだのといったイケイWeb系ではなく、

いわゆるSIerでもだ。最初は何だこの格差はと思ったが、まぁ営業トークなんだろうな、と思い直した。というわけで

ケイWeb系も内定は出たものの、つい安定をとってしまい某大企業のDX系の部署転職した。

そしたら何だこれは。最高スペックMacBook ProからGitHubpushするだけで自動デプロイで即サービスイン、

問題が発生したら社用携帯に通知が飛んできて、クラウド監視サービスログをチェック、即修正デプロイ

社内の連絡はSlackで、スタンプを押せばIssueがたち即関連部署対応に走る。OfficeツールGoogle Docsで、

計算表はちゃんと表として使っている。開発者ちゃんと開発をしており、反省会の準備や品質保証部の接待なんて業務はなく

純粋エンドユーザーだけを見ている。ここはなんて最高の環境なんだと歓喜した。また個人的にはおまけ程度であるが、

年収は30万ほど増えて大台に乗った。

さて、それから3年がたった。人間というのはい環境になれると対して喜びを感じなくなる、というのはそうだと思う。

今では別にdeployブランチマージされたらCIが走って自動テストが走りデプロイされるのも、だから何?

って感じだしま普通仕事として淡々とやっている感じはする。待遇面で悪化した点もちらほらあるし

(例えば年間休日が5日ぐらい減った、残業が月5時間ぐらい増えたなど)などもある。

ただ一つ言えることは前の会社には戻れないな…ということである人間一度生活レベルを上げてしまうと下げるのは

とても苦痛に感じてしまものである

ただ、一つだけ今の会社転職してよかったと感じ続けられることが一つある。それは人だ。

前の会社では家でプログラムを書いているなんていった日にはおちょくられたり、人生楽しいの的な目で見られたりした。

芸能人ゴルフの話ができないとコミュ障扱いされた。そのため仕事の話はしても、飲み会にはできるだけ行きたくなかった。

でも今の会社では雑談としてFastlyが落ちても大丈夫CDN構想とか、AtCoderの話をして盛り上がることができる。

ダイバーシティなんていうが、人間所詮同質な人間同士で集まったほうが快適なんだな・・・という複雑な思いを抱いている。

  • IBMですな もはや外資系ではなく日本企業なんだね

  • NTTデータあたりがぱっと浮かんだ。 NTT研究所で文系新卒が出てくるのもなんだか簡単に想像がつく 多分早稲田の文系あたりなんだろう 富士通だと35で1000万弱はかなり厳しいし、日立中...

  • 某社は「落穂拾い」という名前のつるし上げがあったけど今でもあるのかな? 2年目の研修員論文とか謎だらけだったな

  • ClearCaseというからには日本アイ・ビー・エムかな。 でも、おかしいな。箱崎では最新のソースは客のサーバにあるとぬかす女リーダーwがいたり、 ソースをUTディレクトリからSTディレ...

  • データってNTT系列にありながらドコモほどではないがイケイケってイメージなんだが違うの?

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