魚類の化石研究40年、新種発見40種 いのちのたび博物館名誉館員

 北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館、八幡東区東田)の藪本美孝名誉館員(68)は40年以上、魚類の化石を研究してきた。これまでに40の新種を発見し、発表した論文は100本に上る。長年の功績が評価され、化石研究者らでつくる日本古生物学会の学術賞を2019年度に受賞した。受賞者の大半を大学の研究者が占め、博物館学芸員の受賞はまれだ。

 藪本さんは兵庫県伊丹市出身。大学で魚の生態を研究し、恩師の縁で1978年に北九州市の職員となった。当時、いのちのたび博物館の前身である自然史博物館の開設準備が進んでいた。展示する標本を集めるため、藪本さんも藍島(小倉北区)や馬島(同区)で鯨の化石などを採取して回った。

 同館は81年、仮施設として八幡駅(八幡東区)の駅舎内に完成した。専用の研究設備はなく、廃校となった近くの小学校などを研究室として代用し、中古のエアコンを取り付けるなどして資料を保管した。「研究のできる博物館」が学芸員らの合言葉だったが、藪本さんは「研究どころじゃないくらい大変だった」と振り返る。...

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