イラストレーターさんやモデラーさんなど、制作に関わるさまざまなクリエイターとやりとりをするのが主な業務ですが、何よりも大切にしているのが“共創”の精神です。キャラクターや衣装のデザイン案をこちらで決めて、その通りに制作してもらうだけというやり方では良いものはできないと考えているので、企画段階からできる限りクリエイターさんやタレントさんと知恵を出しあい、一緒につくりあげるように心がけています。それぞれの想いを深く理解し、お互いに気持ちよく“共創”すること。それがCOVERの創業当時からのDNAです。課題に直面することも多々ありますが、今後も世界中の優れたクリエイターと力を合わせ、成長を続けていきたいと考えています。

私の部署では、外部のクライアントさんから案件のご相談をいただき、COVERの所属タレントを起用した企画を提案・実施するのがメインですが、今はそのフィールドをマスへと押し上げていく挑戦をしています。とは言え、大型案件ならばなんでも良いというスタンスではなく、タレントさんにとってプラスになるかどうかを、かなり慎重に見極めるのがCOVERらしさだと思います。利益優先ではなく、それぞれのブランディングを優先し、タレントと一丸となって取り組む。その積み重ねが、今の「ホロライブ」の成長にもつながっているはずで、いかに各自の個性や想いと親和性の高い案件を増やしていけるかを大切にしています。

VTuberに関する事業はまだ発展途中ということもあり、規制面の整備がこれからという状況です。社会通念を守りながら、VTuberならではの特性である「タレントさんがリアルタイムで配信すること」の魅力をどう最大化できるか？その両方の視点で運営方針の策定を進めています。もちろん、最低限の管理は必要です。その一方で、COVERはクリエイティブありきの会社なので、ルールで縛りすぎず、良いバランスを模索していければと思っています。これは私たち1社で完結できるものではなく、業界全体で協力しながら定めていく必要があるので、今後はさまざまな企業の方とディスカッションを重ねながら、VTuberという新しいカルチャーに最適なルールをつくっていきたいですね。