2021年5月12日
清水建設は2021年5月10日、100%子会社であるエスシー・マシーナリとIHI運搬機械と共同で、超大型の陸上風力発電施設の建設に対応できる国内最大級の移動型タワークレーンの設計・製作に着手したと発表した。
国内では脱炭素化の流れを受け、洋上・陸上ともに風力発電の建設計画が相次いでいる。そうしたなか、今後の陸上風力発電は、FIT期間満了後の売電単価の下落や建設効率を考慮し、発電効率の高い大型施設のニーズが高まると見られているという。
一方、これまでの陸上風力発電の建設に利用されてきた移動式クレーンは、高さ100m、出力ベースで4MW程度の中型施設の建設が限界だった。これ以上の規模の施設を建設するためには特殊な大型クレーンが必要となるが、建設効率が低く実用的ではないという。移動型クレーンであれば、陸上風力発電施設の施工で不可欠となるクレーンの移設を柔軟に行えるメリットがある。
こうした背景から清水建設では、陸上では最大となる高さ150m、5MW級の超大型施設の建設が可能な移動型タワークレーンの開発に着手。名称は「S-Movable Towercran」で、最大作業高さは152m、最大揚重能力は145t・半径12.5mをほこる。マストの一部と基礎部を解体するだけで、タイヤ式の自走式搬送車両(ドーリー)で次の建設ヤードに移動することができ、工期の大幅な短縮と事業コストの削減に貢献できるとしている
新型クレーンの開発に向けた投資額は約11億円で、完成は2023年6月を予定している。清水建設ではこれにより大型陸上風力発電建設の受注競争力を高め、業界トップの受注シェア獲得を目指すとしている。
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