アウティングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
アウティングとは当事者の承諾を得ずに、その人の秘密を第三者に話してしまうことを言います。
性的指向・性自認(SOGI)においてのアウティングがもっとも多く、問題視されています。
アウティングした側は当事者に深い傷を負わせてしまうので覚えておきたい言葉です。
この記事では以下のことを説明しています。
- アウティングとは?
- アウティングの具体的な例
- アウティングの問題点
- アウティングの違法性
- カミングアウトとの違い
アウティングとは?意味や定義
アウティングとは、当事者の承諾を得ずに、その人の秘密(性的指向・性自認)を第三者に話してしまうことを言います。
単刀直入な意味としては「暴露」が一番近いです。
悪意の有無に関わらず、プライバシーの侵害・人権侵害にあたる行為なんです。
アウティングの具体的な例
わかりやすいアウティングの具体例をいくつか紹介します。
性的指向を第三者にバラす
性自認を第三者にバラす
このようにLGBTQ+当事者であることを、本人の承諾なしに第三者に言いふらすことがアウティングです。
親友にはカミングアウトしているけど職場にはカミングアウトしていないとか、
友達や職場にはカミングアウトしているけど家族にはカミングアウトしていないとか、
当事者は誰にカミングアウトするか選んで話している場合も多いので気をつけなければなりません。
LGBTQ当事者が、自分のセクシャアリティを相手に打ち明けること。
<下に続く>
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他にもあるアウティングの例
他にもアウティングの例はあるので紹介しておきます!!
- トランスの方の過去の名前を他人に言いふらす
- ホルモン治療してる?など不特定多数の人の前で聞く
- カミングアウトするようにはやしたてられた
- 上司だけにカミングアウトしたのに社員全員に伝えられた
- ひとりだけの先生にカミングアウトしたのに他の先生にも伝えられた
- 仲のいい友達だけにカミングアウトしたのにクラス全員に暴露されていた
- 元恋人に「別れるならゲイだということをネットで話す」と言われた
本名でカミングアウトをしていないのにも関わらずネット上に本名をこぼされたり、
写真を公表していないのに勝手に使われたりすることもアウティングの一種となります。
オープンにしている人もいれば、していない人もいる。
アウティングの問題点とは?
ではなぜアウティングをしてはいけないのでしょうか。
アウティングの問題点を箇条書きにしてみました。
- プライバシーの侵害である
- 差別の助長・ハラスメントにも繋がる
- 悪意の有無に関わらず信頼を裏切る行為
アウティングをする側はちょっとしたウワサ話のつもりかもしれませんが、
アウティングをされた側にとっては精神的苦痛を強いられるのです。
差別や偏見が全くないとは言い切れない社会で、
自分の性的指向・性自認(SOGI)を暴露されてしまうのはリスクがあるんです。
LGBTQ+に関して理解があるかもわからない第三者に話されるわけですから…。
自分の口から伝えていないので、面白おかしく伝わってしまう可能性もあります。
それが結果的に差別やイジメ、SOGIハラやマイクロアグレッションにも繋がっているんです。
命にかかわる危険な行為であることから、アウティングはいかなる理由があっても絶対にしてはいけないのです。
そもそもLGBTQ+に関することでなくても、自分が知られたくないことを勝手にペラペラと言いふらされたら、嫌な気持ちになりますが…。
実際にあったアウティングの事例
2015年に一橋大学の学生さんが、同級生にゲイであることを暴露され自殺する事件が起きました。
LINEグループ内で本人の同意なくアウティングされたことが自殺の原因でした。
実はこの事件によって「アウティング」という言葉が一気に広まったんですよ。
他にも性別変更したことを勝手に公表され同僚から差別的な言動を受けた人もいますし、
長年勤務した職場でハラスメントを受け退職せざるを得なかった人もいます。
アウティングの違法性
現段階ではアウティングを規制する法律自体は存在しないものの、
名誉毀損やプライバシーの侵害行為にあたる違法な加害行為として認識されています。
アウティングとカミングアウトの違い
ちなみにアウティングとカミングアウトは混同されがちですが、全く意味が違います。
簡単に説明するとこんな感じ▼
- 自分の性的指向や性自認を自分で誰かに打ち明けることを「カミングアウト」
- 自分の性的指向や性自認を勝手に第三者に暴露されるのが「アウティング」
カミングアウトされたらどうする?
もしも友人や家族からカミングアウトを受けたら、どう対応すればいいのでしょうか。
正しい答えはないんですが個人的にはこの流れがベストです▼
- 「大事なことを伝えてくれてありがとう」
- 「アウティングしないから安心してね」
- 他に誰か知っている人はいる?
- 何か困っていることがあれば言ってね!
カミングアウトされたことで戸惑う人も中にいるかもしれませんが、
LGBTQ+を理解するしないに関係なくアウティングをしないことは最低限のマナーになります。
アウティングされたらどうする?
では、もしもアウティングされてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
相談員が勉強不足・認識不足ということも考え、LGBTQ+に関する活動や支援を行っている団体に相談するのがベストだと個人的には思います!!
また、アウティングを実際に裁判で取りあげている弁護士に相談してみるのもいいですね。
アウティングまとめ
2020年6月から大企業は「パワハラ防止法」が施行されました。
この防止法にはアウティングもきちんと含まれているんですよ〜。
アウティングは「当事者を追い詰める危険な行為」という認識が広まることを願ってブログを書きました。
もうこれ以上、アウティングによって尊い命がなくなりませんように。
他にも覚えておきたい「マイクロアグレッション」という言葉があります。
別記事からお読みいただけます▼
以上、LGBTQ+当事者のまどぅー(@madocanada)でした。
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Source: 恋するダンサー自由記