トーンポリシングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
トーンポリシングとは相手の口調を非難し、話の論点をずらす行為のことです。
直訳すると「話し方の取り締まり」となりますね。
トーンポリシングは相手を抑圧するのに都合よく使われるので覚えておきたい言葉です。
この記事では以下のことを説明しています。
- トーンポリシングとは?
- トーンポリシングの具体的な例
- トーンポリシングの問題点
トーンポリシングとは?意味や定義
相手の口調を非難し、話の論点をずらす行為のことをトーンポリシングと言います。
直訳的な意味合いとしては
- トーン (tone)=話し方
- ポリシング (policing)=取り締まり
となります。
トーンポリシングは相手を抑圧したい時にも都合よく使われガチです。
日常でトーンポリシングを受けることもモチロンありますが、
性別やセクシュアリティ、また人種的、民族的マイノリティの人たちが、マジョリティから受けるトーンポリシングが特に問題視されています。
意見を述べる時に、もしも自分がマジョリティ側だとしたらトーンポリシングをしないように注意が必要です。
なぜなら差別をしたり特権を持つ側は、自分が差別をしているとは認めたくないので無意識にトーンポリシングをしがちだからです。
「言いたいことはわかるけど、普通の声で言えばいい」とか「押し付けがましくなく主張してほしい」とか、
「怒るんじゃなく伝え方を変えてみなよ」とか「差別は反対だけど、平和的な方法で行ないましょう」とか、
いっけんすると、理解あるように見せかけながら話の論点をずらしてくる行為がトーンポリシングということ。
正当な抗議に対して居心地が悪い人が使う手段です。
マイクロアグレッション同様に相手の傷を過小評価する癖もあるんですよ…。
トーンポリシングの具体的な例
<下に続く>
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いじめ被害のトーンポリシング
生徒が先生にいじめ被害を報告した時の例です。
このように相手が要求している内容は完全に無視して、「相手の話し方」について言及してくるのです。
マイノリティが受けるトーンポリシング
LGBTQ当事者が受けるトーンポリシングの例をあげてみます。
「声を上げる」という行為そのものを批判するトーンポリシングです。
人種差別のトーンポリシング
米国では2020年の現在、ジョージ・フロイドさんの死に抗議する大規模デモが行われています。
白人警察官が逮捕中の黒人男性の首を執拗に踏みつけ窒息死さた事件。
このデモは、人種差別に苦しめられてきた黒人の怒りの表明ですが、
このデモの最中に多くのトーンポリシングを見かけました。
怒りの抗議デモが起こる前は誰も話題にしなかったし無関心だったのに、
抗議デモが始まった途端に「怒るな、冷静になれ!」と諭したり、
「主張はわかるけどやり方が間違っている」とか、
「差別はいけないことだと思うけど言い方を考えないとね」などと、
論点をずらしてくるのがトーンポリシングです。
この大規模デモで相次ぐ暴動や窃盗自体を批判したくなりますが、
その批判がトーンポリシングになる可能性も大いにあります。
普通の声で主張しても届かなかったからこその暴動という形になってしまったのだから。
まずは、これまでの根深い人種差別問題を知ることが大事なのです。
トーンポリシングの問題点
トーンポリシングは、以下のような関係の中で起こることが非常に多いんです。
- 弱者<強者
- 当事者<非当事者
- 被害者<加害者
- 女性<男性
- 黒人<白人
- 部下<上司
- 生徒<先生
- 障がい者<健常者
- 少数派<多数派
トーンポリシングをする側は非当事者であったり、権力を持っている側だということがわかりますよね。
モラハラやパワハラとも構造は似ています。
このように上下関係やパワーバランスがとれていない関係性の中で言われることが多いのも問題のひとつ。
差別や抑圧を受けている側の悲しみや怒りに寄り添うことの方が必要なのに。
トーンポリシングまとめ
似たような言葉でマンズプレイニングやマイクロアグレッション、ポリティカルコレクトネスというのもあります。
なぜその問題が起きているのかに着目し、トーンポリシングの発信者にならないようにしたいものです!
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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