オールバックポニーは小顔美人だけのもの? ヘアメイク直伝・誰でも似合うアレンジテク

オールバックポニーテールって、髪で輪郭をごまかせない分、選ばれし小顔美人にしか似合わないヘアアレンジ!という印象が。

でもそれ、ちょっと古い考え。実は、結び方やボリュームを出す位置などバランス次第で、面長やハチ張り、おでこが広くても狭くても、素敵に仕上げることは可能! 正解バランスを探るべく、数々の女性の晴れ舞台を彩るウエディングヘアメイクの小林理保さんにコツを聞いた。

SNSで話題の韓国オルチャンっぽい産毛スタイルの作り方や、ヘアバンドアレンジ、海外風ラフスタイルの作り方までご紹介。美人の代名詞ともいわれているヘアスタイルに、あなたも挑戦してみない?

‐目次‐

オールバックポニーテール 基本の作り方

面長さんは、トップにボリューム不要

丸顔さんは、がっつりオールバックでもOK

ハチ張りさんは、高めポニテ×トップの逆毛で"四角い頭"を防止

伸ばしかけ前髪やボブでも、オールバックポニテはできる?

おでこが広いひとは“サイド”、狭いひとは“トップ”がポイントに

"巻き"の仕込みが肝。海外っぽいざっくりオールバックポニテ

ポイントは"産毛"。SNS発・韓国オルチャン風オールバックポニテ

脱・お風呂上がり。ヘアバンドで作る、90年代風オールバックポニテ

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オールバックポニーテールの基本の作り方

ポニーテールって簡単なようで、少しの差でこダサくなってしまったり、意外と奥が深い。中でも、一番ハードルが高いと思われがちな「オールバックポニーテール」。上手く仕上がるコツを小林さんに聞いてみた。

# 高めポニテも、低めポニテも「丸み」が重要!

出典: 小林理保さん提供

まず決めるべきなのは、ポニーテールを作る位置。低め位置に設定する場合、目立ってしまうのが絶壁の後頭部。全体的に「丸み」を意識して作ってあげることが、ポイントだそう。

ピタッとして丸みがなくなってしまうと、老けて見えちゃう場合もあるので…。コームを使って逆毛を入れてあげてください。

コメント: 小林理保さん

高めポニテの場合は、頭の下の部分がピタッとなりすぎてしまうことが多いので、バランスよく「丸み」を意識して引き出してあげると良いのだそう。ボリュームが出にくい場合は、こちらも同様、逆毛を入れて少しボリュームを作ってあげて。

# スタイリッシュに見せたいのなら「8:2」がおすすめ

出典: 小林理保さん提供

続いては前髪のアップの仕方。がっつり上にあげてしまってもいいけれど、顔立ちによっては男らしくなってしまう場合も…。女性らしく仕上げたいのなら、毛の流れに沿って横に流してみて。

センター分けにしたい場合、きっちりと分けてトップにはあまり逆毛を入れず、全体的に逆毛は最小限に。後頭部にだけ逆毛を入れると、きれいな形に仕上がる。

出典: 小林理保さん提供

7:3分けの場合は、ゆるくふわっとした印象でも、きっちりとした印象でもどちらでも似合う。ゆるくふわっとした印象にしたいのであれば、引き出したり、逆毛を入れて、全体的に丸いシルエットを作ってあげて。きっちりとさせたいのであれば、後頭部だけ逆毛を入れてあげればOK。

王道の7:3もかわいいけれど、写真のような8:2に分けると、おしゃれでスタイリッシュな印象にもできる。

# スプレーを先にかけるのは玄人の技?

美容室でセットしてもらうと、スプレーを先にかけるヘアメイクさんも多い。実際、スプレーはいつかけるのが正解?

プロの場合スプレーは先にかけてしまうひとも多いですね。でも先にかけると、失敗してしまったときに、修正しづらくなってしまいます。

コメント: 小林理保さん

初心者さんは最後にかけたほうが無難かも。

# 頭の形・輪郭のコンプレックスをカバーしてくれるのは「逆毛」

ポニーテールが似合うかに合わないかの最大のポイントは、後頭部に丸みがあるかどうか。絶壁のひとは必ず「逆毛」を入れて、横や後ろから見たときもしっかり丸いシルエットになるよう作ってあげて。

そしてこの「逆毛」は、輪郭コンプレックスの解消にも使えるワザ。自分の頭の形や輪郭の特徴を理解すれば、どこに「逆毛」を入れれば、その印象を緩和させることができるのかがわかる。

オールバックポニーテールのような、シンプルなスタイルはごまかしが効かない分、逆毛を入れる位置に気を付けたいですね。頭の形のどこをカバーするのかを考えて、逆毛を入れていくイメージです。

コメント: 小林理保さん

輪郭・頭の形別にどこにボリュームを入れるべきかは、続いて紹介するコンプレックス別おすすめのオールバックポニーテールをチェックして。

面長さんは、トップにボリューム不要

出典: 小林理保さん提供

面長さんの場合、トップにボリュームを作る必要はなし。サイドにねじりを入れて、引き出せるようにすと、丸みのあるポニーテールに近づくのだそう。

きっちりしたスタイルよりも、7:3にしてふんわりと仕上げてあげるのがおすすめ。

丸顔さんは、がっつりオールバックでもOK

出典: 小林理保さん提供

どんなスタイルでもやりやすい丸顔さんは、トップボリュームを出しつつ、タイトにしすぎず、ルーズに引き出すとフェイスラインをカバーできる。

センター分けや7:3もいいけれど、がっつりオールバックにしてしまっても女性らしさが出るから挑戦してみて。

ハチ張りさんは、高めポニテ×トップの逆毛で"四角い頭"を防止

出典: 小林理保さん提供

ハチ張りさんがオールバックポニーテールをすると、ものすごくハチが張って見えてしまう場合も。トップを高めにし、張っている部分をブラシでしっかりタイトに仕上げてあげて。

逆毛を入れる位置は、黒目の間くらいの横幅。トップは耳までの縦幅を目安に。

出典: 小林理保さん提供

後頭部にもふわふわの逆毛を入れてあげて。

出典: 小林理保さん提供

ポニーテールの位置も少し高めに設定すると、張っている部分をカバーできるのだそう。

出典: 小林理保さん提供

伸ばしかけ前髪やボブでも、オールバックポニテはできる?

伸ばしかけの前髪や短めの髪で、オールバックポニーテールにしたいけれど難しい…という声も。

# 伸ばしかけ前髪をピンを使って留めるのは、あか抜けない原因?

伸ばしかけ前髪の場合でも逆毛をいれればオールバックは可能。ハードワックスをつけて、逆毛も少し入れてあげて。長さが足りない場合、ピンを使って留めがちだけれども、ピンを使いすぎるとあか抜けない印象になってしまいがちなのだとか。

ピンはなるべく使わないですね。ポンパっぽくして止めるとかのときとかは使ってもいいと思うけど、なるべく使わないです。

コメント: 小林理保さん

ちなみに、ハードワックスは女性ものよりも男性もののほうがキープ力が強いものが多いため、プロの間では女性の場合でも男性ものを使用する場合が多いのだそう。

# くるりんぱやねじりは、ロングだからこそかわいい?

出典: 小林理保さん提供

ボブなどの短めヘアでオールバックポニーテールにする場合、トップのボリュームはあまり必要なし。短い髪だとポニーにする毛束の量が少ないから「前から見たらボリュームがあるのに、後ろがない…」となると、バランスがちぐはぐになってしまう。ボブでオールバックポニーテールにしたい場合は、きっちりとまとめるのが無難かも。

また、短い髪でねじりやくるりんぱを組み合わせてまとめるひとも多いけれど、長さが足りないのにそういったアレンジをすると、ちんちくりんな印象になってしまう場合も…。

ねじりやくるりんぱを入れると、その分長さが短くなってしまいます。ねじりやくるりんぱを入れる良さは、ふんわり感が出せるということ。長さが足りず、キツキツでくるりんぱするくらいなら、しないほうが良いと思います。

コメント: 小林理保さん

おでこが広いひとは“サイド”、狭いひとは“トップ”がポイントに

輪郭・頭の形に続き、オールバックポニテにしたくない大きな原因である、おでこのコンプレックス。広いひと、狭いひと、それぞれにおすすめなオールバックのやり方をご紹介。

# おでこが広いひとの場合

出典: 小林理保さん提供

おでこが適度に広いひとの場合は、手ぐしでざっくり感を出しながら、7:3で分けて、サイドの部分を少し下ろし残したスタイルがよく似合う。

出典: 小林理保さん提供

また、適度な広さはいいけれど、生え際がかなり後ろにあるというひとの場合は、余計にその部分を強調してしまうため、オールバックはあまりお勧めできないそう。

おでこが適度に広いのはいいけれど、生え際がかなり後ろにあるひとは、そもそもオールバックのポニーテールはやめたほうがいいかもしれないです。

コメント: 小林理保さん

# おでこが狭いひとの場合

出典: 小林理保さん提供

おでこが狭いひとは、上にボリュームを作りすぎてしまうと、逆に狭さが目立ってしまう。

多少のボリュームは必要だけれども、おでこの半分くらいが目安。おでこ以上のボリュームいらないです。

コメント: 小林理保さん

「おでこ:髪」の比率を「2:1」程度にとどめ、サイドもタイトに仕上げて。

出典: 小林理保さん提供

"巻き"の仕込みが肝。海外っぽいざっくりオールバックポニテ

出典: 小林理保さん提供

海外の女の子のようにラフに仕上げたいのなら、とにかく細かく髪を巻くのが近道。

大体巻くときって下巻きにするひとが多いと思うんです。でも全部は難しいけれど、表面の髪だけでも上巻きにするとこなれ感がでますよ。

コメント: 小林理保さん

25mmくらいのコテを使って、巻きつけるように根もとからやけどしない程度に巻いて、表面の髪だけでも上巻きに。前髪は19mmのコテを使って巻いてあげて。

巻き終わったらスプレーを振りかけて、最後にクッションブラシを使ってほぐしてあげるとふわふわな外国人風ヘアが再現できる。ザックリと結っただけでいい感じのシルエットになり、後れ毛の巻きのバランスもいい感じに。ほぐしたときに巻きがとれちゃう問題も、スプレーをしてからほぐすようにすれば、いい感じのふわふわ感に仕上がるのだそう。

ポイントは"産毛"。SNS発・韓国オルチャン風オールバックポニテ

出典: 小林理保さん提供

最近では、韓国のアイドルの子がやっているような産毛がすこし残っているオールバックポニーテールがSNSで人気。産毛があるかないかは天性の物だけれど、ある場合の仕上げ方は、ワックスやムースなどのスタイリング剤を軽くつけてあげることが重要。

あえておしゃれで産毛を残しているというのがわかるように、軽くツヤ感を出してあげてください。使うワックスはおでこについても肌荒れしずらい、オーガニックのものがおすすめ。

コメント: 小林理保さん

写真のようにざっくりまとめて、前髪だけウェーブさせるのも韓国っぽいヘアスタイル。産毛がない場合や、すこしイメージを変えたいときにもおすすめの髪型。

脱・お風呂上がり。ヘアバンドで作る、90年代風オールバックポニテ

出典: 小林理保さん提供

90年代っぽくレトロかわいく仕上げたいのなら、ヘアバンドとオールバックポニーテールを組み合わせるのがおすすめ。伸ばしかけの前髪の場合でもきれいにまとまりやすい。

ただし、ヘアバンドを使ったオールバックポニーテールにはちょっとコツが必要です。ヘアバンドを生え際が、多少見える位置にしないと"風呂上がり"のような雰囲気になってしまう場合も…。

コメント: 小林理保さん

おしゃれをしたつもりが「お風呂上がり?」なんて聞かれちゃったら台無し。ヘアバンドをつける場合は、髪とヘアバンドの見える比率が大事なのだそう。髪の部分をどれくらい見せたほうがかわいいか、トップのボリュームをどれくらい入れたほうがいいかなど、バランスをよく考えてヘアバンドの太さも決めてみて。

また、ぴったりしすぎてカールがなさすぎるのも、ヘアバンドが浮いてしまう原因。写真のように、前髪をすこし引き出して、低めサイドで結ぶのもおすすめ。ヘアバンドをつけてから前髪や後れ毛を引き出して、19mmで前髪を巻いて。

オールバックポニーテールが似合うかどうかは、全てバランス次第。自分に似合う作り方をマスターして、美人の髪型に挑戦してみて。

取材協力/ROI Wedding 小林理保

text : by.S編集部

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ヘアメイクアップアーティスト
小林 理保

フリーのヘアメイクアーティストとして活躍後、ブライダルアシスタントとして1年半、森ユキオ氏に師事。2015年より、ROI WEDDINGチームに所属。