モダンホライゾン2の寒いデザインが目に余る
モダンホライゾン2、イマイチなデザインのカードが多すぎやしないでしょうか。
もちろん、面白い能力のクールなカードも多数収録されていますが、よく見ると、素人がデザインしたのかと勘違いしてしまうようなひどいカードも見られます。
この記事では、モダンホライゾン2に対する愚痴をすべて吐き出します。これから紹介するカードが気に入っている方がいたら申し訳ないですが、素人プレイヤーの戯言ですので、読み流してください。
目次
時のらせんブロックを何回擦るのか
まず私が違和感を覚えたのは、前作からセットのテーマに進化や発展が一切みられなかった点です。
公式も公表していた通り、前作のモダンホライゾンは「時のらせん2」というコンセプトで作られました。
過去セットのオマージュやリメイク、懐かしいキーワード能力がたくさん詰まった時のらせんブロックは、スタンダードのセットとしては初心者を置き去りにするという問題を抱えていたものの、ベテランプレイヤーには好評だったため、10年の時を経て、モダンホライゾンという特殊セットでもう一度試されました。
有名人のカード化、エターナルからの強力カード再録やリメイクなど、(バランスの問題は別として)プレイヤーに刺さるポイントは結構あり、特殊セットのコンセプトとしては悪くなかったと思います。個人的には、忍者の再登場にワクワクしたことを覚えています。
しかし、モダンホライゾン2のプレビューが始まり、ウィザーズが前作と全く同じことをやろうとしていることが分かった時は、正直言ってかなりがっかりしました。
そもそも時のらせんブロックの面白さは、時間のゆがみが発生したというストーリーや、ブロックを通じた3セットで過去・現在・未来を表現した美しいデザインがあってこそです。モダンホライゾンにしても、元ネタから10年以上経過した後のリメイクだから新しくて面白かったわけで、短期間で何度も繰り返すものではありません。結果的に、前作と代り映えのしない、二番煎じの退屈なセットに成り下がっていると感じました。
雑すぎて素人臭い複合デザイン
マロ―によると、名前があるメカニズムを複数持つカードを「複合デザイン」というそうです。そしてモダンホライゾン2では、常盤木でない能力を複数組み合わせたタイプの複合デザインがテーマだったようです。確かに、セットを跨いで複数のメカニズムを組み合わせることは、特殊セットならではのコンセプトですね。
問題は、それがプレイヤーにとって面白いかどうかです。今回のセットを見る限り、私にはそうは思えません。
メカニズムに名前を付けることには、カードテキストの簡略化といったゲーム上の意味だけでなく、カードの能力自体にフレイバーを与え、世界観を表現するというデザイン上の重要な役割があります。
そのため、別の世界で作られた複数の能力を組み合わせ、1枚のカードとして統一感を持ったデザインに仕上げることはかなり難しい挑戦だと思いますが、モダンホライゾン2ではそれを安易にやっているように見えます。結果的に、素人が作ったような雑なデザインのカードが大量に生まれてしまっています。
搭乗能力を持たず、もはや機体である意味すらない毛皮運送や、明らかにイニストラードのリメイクなのにゼンディカー・エルドレイン・イクサランの能力でできている不屈の補給兵は、特にひどいと思いました。
能力のフレイバーを無視したカードは、複合デザイン以外にもみられます。誉れ高い一騎打ちを好むバントの哲学を表現した賛美能力を、群れるジャンドのゴブリンに持たせるのはさすがにやめてほしかったです。
センス皆無のリメイク
信仰無き回収と橋の大魔術師。プレビューで同日に公開されたこの2枚は、モダンホライゾン発売直後にホガークの巻き添えを食らって禁止されたカードのリメイクです。
どちらもオリジナル版から大幅に弱体化されているだけでなく、橋の大魔術師は黄泉からの橋が持っていたデザイン上の面白さがかけらも残っていないため、オリジナル版のファンたちがこのリメイクで喜ぶとは到底思えません。それどころか、古傷をえぐられて無駄に辛い思いをするだけではないでしょうか。
ウィザーズ社がよりによってモダンホライゾン2でこんなことをしてくるとは想像できませんでした。センスがひどすぎて、プレイヤーを煽るためにわざとやっているんじゃないかと疑ってしまうほどです。
過剰なリス推しがうっとおしい
マローが昔からリスの復活を望んでいたことは有名な話です。イコリア以降はスタンダードのセットに収録され始めたため、これからは時々見るクリーチャータイプになるのだとは思っていました。
しかし、懐古の特殊セットとはいえ、大したフレイバーも特徴もないマイナー部族を突然セットの主役にねじ込むのはやりすぎです。思い入れがあるのは結構ですが、節度は守ってほしいものです。
中でも、リストークンを出すストーム呪文は完全にジョークエキスパンション「Unstable」と同じノリで作っているように見えてしまいます。これを黒枠でやるのは、例えネタであったとしても滑ってないでしょうか。
プレイアビリティ最悪のカード
片目のガースは、間違いなくMTGの歴史上最悪のカードです。強いとか面白いとか、それ以前の問題です。
セットに収録されていないカードのコストや能力を6枚分も正確に暗記しなければ正しく処理できないカードなど論外です。しかもそのうち2枚は再録禁止でモダンのカードプールにすら存在せず、英語以外のカード名もついてないシロモノ。初めて見たときはひどすぎて言葉を失いました。
どの呪文も1回ずつしか使えないという制約のせいで、どれを使ったのかずっと記憶しておかなければならないのも最悪です。まともにプレイさせる気があるとは思えません。果たしてこれは本当にMTGのカードなんでしょうか。某国産TCGのカードが誤って混入したのでは?
デジタル推進は大いに結構ですが、基本であるテーブルトップを過度に軽視するデザインは、MTGの価値やブランドを毀損するだけだと思います。
終わりに:ぶっちゃけネタ不足だったのでは?
はい、少し長くなってしまいましたが、以上です。
総じていうと、前作の好評を受けて続編を開発したが、1セット作るには少しネタが足りず、一度没にした質の低いアイデアで隙間を埋めなければならなかったのではないかと推察します。
下環境のバランス調整は難しいため、少しくらい環境が荒れることは仕方ないと思っていますが、中途半端な商品をリリースするのはやめてほしいです。どんな特殊セットも、出すからにはスタンダードのセットと同様、隅々まで血の通ったクールなデザインに仕上げることを期待しています。
あ、あと最後に1つ予告しておきますが、
こんなふざけたカードを作っておいて、石鍛冶の神秘家を禁止するようなことがあれば、この10倍くらい恨み節を書き殴った記事をアップすることになると思います。
皆さんは、モダンホライゾン2のデザインについてどう思いますか。コメントやtwitterで是非教えてください。