この記事ではLGBT+当事者であるわたしが、「2020年に読んでよかったLGBT書籍」を紹介しています。
2020年に読んでよかったLGBT書籍5冊
わたしが2020年に読んでよかったLGBT書籍は以下です。
- 母ふたりで“かぞく”はじめました(ノンフィクション)
- ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー(ノンフィクション)
- ぼくを燃やす炎(小説)
- ヒゲとナプキン(小説)
- 元女子高生、パパになる(ノンフィクション)
①母ふたりで”かぞく”はじめました
2020年に読めてよかった本、ナンバーワンは「母ふたりで“かぞく”はじめました」という書籍です。
もうね、この本に出会えてよかったとしか言いようがありません!
概要・あらすじ
本の概要をざっくり引用しますね。
バイセクシャルの春さんとパートナー麻ちゃんが、母2人子ども3人の“かぞく”を作り上げるまで。そして自分と同じような子育てをするLGBTの仲間を支援する団体「にじいろかぞく」を立ち上げ、「結婚の自由をすべての人に」裁判に至るまで。その約20年間にわたる、めったにない“かぞく”の顛末を書きつくします。Amazonより引用
読んだ感想
この本の醍醐味はなんといっても、筆者である小野春さんの「人間らしさ」です。
孤独な「孤育て」から始まり、離婚、LGBT+当事者やステップファミリーとしての苦悩、
子どもの反抗期や両親へのカミングアウト、そして自身の乳がんや訴訟に至るまで、
すべて赤裸々に書かれているんですが、その「人間らしさ」に勇気付けられるんです。
そして何より文才に優れているので、読みやすいのはもちろんのこと、クスクス笑えたり、じんわりと泣けたり、読み応えのある一冊です。
同性カップルを家族として認めないという国からの抑圧はまだ続いていますが、
この本を読むと、誰もが幸せになれる権利があると改めて思わせてくれます。
多くの人に読んでほしい1冊です。
想いが溢れすぎたので、「母ふたりで“かぞく”はじめました」のレビューも別記事に書きました!!
さらなる読みどころを知りたい方はこちらの記事からどうぞ▼
②ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
友人に勧められて購入した本です。小説かと思ったらまさかのノンフィクションでした!
概要・あらすじ
本の概要は以下です。
優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。落涙必至の等身大ノンフィクション。Amazonより引用
読んだ感想
著者である母親視点で息子さんの通うイギリスの中学生活、教育、社会問題を書いています。
ひとつひとつの言葉にハっとさせられるんです。スッと自分の心に入ってくるような名言だらけ。
- 多様性は物事をややこしくするからない方が楽だけど、楽ばかりでは無知になる
- 人間は人をいじめるのが好きなんじゃない、罰するのが好きなんだ
- エンパシーとは自分で誰かの靴を履いてみること
- ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
人種、貧困、宗教、ジェンダーなど様々な多様性に触れていて、社会について考えざるをえなくなります。
③ぼくを燃やす炎
ゲイであることをアウティングされ、いじめに悩む高校生の姿を描いたスペインの小説が「ぼくを燃やす炎」です。
クラウドファンディングにて発行された本でもあります。
概要・あらすじ
学校にも家にも居場所を失っていた。 たまたま好きになるのが男の子だったから。 親友に募らせていた恋心を告白したことがきっかけで、オスカルは過酷ないじめに遭うようになる。親友は思わせぶりな態度であったにもかかわらず、態度を一変し、級友たちに言いふらしたのだ。追いつめられたオスカルは自傷行為をくり返すようになる。 やがて…。Amazonより引用
読んだ感想
予想以上に分厚くて読みきれるだろうか…と心配になりましたが、のめり込んで読むことができました。
学校や家に居場所がないと感じていた10代の頃の自分と重ね合わせてしまいました。
内容はわりとヘビーに感じたけど、10代のごちゃごちゃした時代をどう生き抜くかというヒントにもなるのかな。
傷つけられるのも人、でも救ってくれるのもまた人なんだと。
孤独と絆が描かれた青春小説です。
<下に続く>
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④ヒゲとナプキン
五体不満足で600万部ベストセラーを売り上げた著者の乙武洋匡さんが、トランスジェンダー当事者の杉山文野さんの実話をもとに作り上げた共同小説です。
概要・あらすじ
本の概要は以下です。
女として育てられ、現在は男として生きるイツキ、28歳。勤務先の旅行会社には「過去」は告げていない。2歳上のパートナー女性、サトカはイツキを愛しつつも、出産への思いを募らせていく。職場、恋人、両親…。社会や家族と生身で向き合った先に、イツキは光を見出せるか。Amazonより引用
読んだ感想
実話をもとに書きあげていることもあり、どの場面もリアルに想像できました。
自分らしく生きることがどんなに難しいか、それを知っている人間の強さを感じました。
トランスジェンダー当事者にとっては「どこの高校?」という何気ない質問もマイクロアグレッションにあたるのだなと思いました。
「面白い」という表現がふさわしくないのは百も承知ですが、伏線があったり思わぬ展開があったりするので、あえて「面白い」と表現したい作品です。
⑤元女子高生、パパになる
「ヒゲとナプキン」を読んだのなら合わせて読むべき!と思い購入しました。
概要・あらすじ
本の概要は以下です。
セーラー服を着ていた。30歳で死のうと思っていた。
そんな僕に、こんな未来が訪れるなんて――。
父として、LGBTQムーブメントのリーダーとして、仕事、家族、恋愛など
社会の「普通」を問い直す、フミノの奮闘記。Amazonより引用
読んだ感想
セーラー服を着ていた女子高時代、「30歳になったら死のう」と考えていた杉山さんの14年間の物語です。
苦しみの中にある一筋の光のために生き、その光を多くの人に届けてきた人なんだと感じました。
「なんのために生きるのか?どんな自分になりたいのか?何を大事にしていけばいいのだろうか?」そんな問いかけの答えが書かれているような本でした。
あと「誰に恥じることもないと思っているので」という杉山さんのお母さまがカッコいい。
2020年に読んでよかったLGBT書籍まとめ
この記事では2020年に読んでよかったLGBT書籍をまとめました。
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以上、LGBTQ+当事者のまどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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