トランスジェンダーとは、生まれたときの性別と性自認が異なる人のことをいいます。
LGBT+のTがトランスジェンダーにあたります。
この記事は「トランスジェンダーとは?」をわかりやすく解説しています。
トランスジェンダーとは?意味
トランスジェンダーとは、「生まれたときの性別」と「性自認」が異なる人のことです。
もっとわかりやすく説明すると、生まれたときに男性でも、その人自身が認識している性別は女性である人のこと。
またその逆で、生まれたときに女性でも、その人自身が認識している性別は男性である人のこと。
トランスジェンダーの種類
近年ではトランスジェンダーには3つの種類があるとされています。
それが以下です。
- トランスジェンダー(TG)
- トランスセクシュアル(TS)
- トランスヴェスタイト(TV)
トランスジェンダー(TG)とは?
トランスジェンダーは冒頭でも説明した通り、「生まれたときの性別」と「性自認」が異なる人のことですが、
更に細かく解説すると、外科的な治療は望まないけれど、ホルモン治療をする人のことをいいます。
トランスセクシュアル(TS)とは?
トランスセクシュアルとは、身体と心の性が異なるため、外科的手術によって一致させたいと望んでいる人のことをいいます。
英語ではTrancesexualismと表記されます。
トランスヴェスタイト(TV)とは?
トランスヴェスタイトとは、社会から求められる女らしさや男らしさに捉われない性表現をする人のことです。
少し前までは女装家や男装家と言われることもありましたね。
トランスヴェストは身体的性別と性自認は一致しています。
性表現がいちばん重要視されています。
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FtM・MtF・FtX・MtXとは?
トランスジェンダーの類型としては、下記のように分けることができます。
- FtX……身体が女性で性は無性または中性
- FtM……身体が女性で性自認は男性
- MtX……身体が男性で性は無性または中性
- MtF……身体が男性で性自認は女性
Fは女性を表す「Female」の頭文字をとったものです。
Mは男性を表す「Male」の頭文字をとったものです。
例えばFtMと表記されていた場合、「Female to Male」と略されていることがわかるので、
女性から男性に性別移行した人、また性別違和を抱えている人となります。
Xジェンダーとは?
Xジェンダーとは女性でも男性でもない第3の性のことをいいます。
女か男か2つの性別に縛られない性があるということです。
わたしが住むカナダはLGBT+フレンドリーとして知られているので、パスポートにXの記載が可能です!!
わたし自身、2019年に子どもが生まれたのですが、必ずと言っていいほど周りから性別を聞かれました。
性別二元制の社会はXジェンダーやトランスジェンダーの方たちにとって本当に息苦しいんです。
トランスジェンダーと性同一性障害の違い
日本でトランスジェンダーという言葉がまだ浸透していなかった頃、「性同一性障害」とひとくくりに呼ばれていました。
トランスジェンダーと性同一性障害は、似ているようですが実は違います。
- トランスジェンダーは「生まれたときの性別」と「性自認」が異なる人
- 性同一性障害は「生まれたときの性別」と「性自認」が一致せず強い違和感がある状態
英語ではGender Identity Disorderと表記され、GIDと略されます。
性同一性障害は、医学的な疾患名として使われていますが、
2018年6月にWHOがトランスジェンダーを「精神疾患」から除外すると宣言し、2019年5月に正式承認されました。
トランスジェンダーの語源・英語表記
トランスジェンダーは英語でTransgenderと表記されます。
Trance(トランス)はラテン語で「乗り越える」や「反対側に行く」を意味し、Gender(ジェンダー)は性を意味します。
トランスジェンダーの反対語
トランスジェンダーの反対語としてシスジェンダー(Cisgender)という言葉があります。
「生まれたときの性別」と「性自認」が一致している人のことです。
トランスジェンダーとゲイの違い
トランスジェンダーとゲイがごっちゃになってしまっている方がたまにいますが、全く意味が異なります。
- ゲイは、男性として恋愛対象が男性を好きな人のこと
- トランスジェンダーは「生まれたときの性別」と「性自認」が異なる人のこと
LGBは性的指向(好きになる性別の対象)が関係しているのに対して、Tは性自認(自分の性別をどう感じるか)が関係しています。
詳しいLGBT用語は別記事へ▼
詳しい性自認や性的指向(SOGI)は別記事へ▼
また、同性カップルは「女役・男役があるんじゃないの?」と勘違いしている方もたまにいます。
この辺もトランスジェンダーとゲイが混同されているのが原因です。
詳しくは別記事へ▼
トランスジェンダーの困ることや社会の問題点
トランスジェンダーの方たちが実際に困ることや社会の問題点をまとめてみました。
<下に続く>
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トランスジェンダーのトイレ
わたしが住んでいるカナダでは、学校だけでなくレストランでも「誰でも使えるトイレ」が普及されてきています。
日本でも大学や会社では「誰でも使えるトイレ」の普及が始まっています。
しかし、多くの学校、特に小中高の学校では、「誰でも使えるトイレ」や「多目的トイレ」が設置されていないですよね。
男女別に分かれなければいけないのは当事者にとって苦痛です。
トランスジェンダーの学校生活
学校生活では以下のようなことがあります。
- 制服がズボンかスカートの2択しかない
- 体操服が男女に分けられたデザインになっている
- 保健の教科書で異性愛が前提とされている表現がある
- 男女別の名簿やトイレ
修学旅行の部屋割りや大浴場も当事者にとってはシンドい場面ですね…。
ジェンダーレス制服の普及もどんどん広がることを願います。子どもたちにだって性自認を自由に表現する権利があるんですから!
トランスジェンダーの就職活動・履歴書
「生まれたときの性別」と「性自認」が一致しないトランスジェンダーの方たちは就職活動に支障をきたしています。
例えば、就職活動の際に、履歴書に記載された性別と外見が異なっていることを理由に内定を取り消された事例があります。
これらは全てトランスフォビア(フォビアについては別記事へ)からの差別。
日本で男女雇用機会均等法という法律があるので、採用の判断に性別は関係ないんです。
わたしが住むカナダでは履歴書に性別は書かないです!!もっというと、顔写真も貼らないし、家族構成も書きません。
履歴書から性別欄をなくす署名は下記から▼(わたしも賛同しました!!)
トランスジェンダーの名前と戸籍
トランスジェンダーの方たち名前と戸籍を変更するにはいくつもの条件をクリアしなければいけないんです。
〈条件〉
・20歳以上であること
・現に婚姻していないこと
・現に未成年の子がいないこと
・生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永久に欠く状態であること
・その他の身体について他の性別に係る身体性器に係る部分に近似する外観を備えていること上記のような条件をクリアしていないと性別変更ができないというのが現状です。Rainbow Lifeより引用
リスクも高く、身体にメスを入れたくない当事者も多い中、必然的に手術をして戸籍変更するしか方法がないのは疑問に残るところです。
医療のインフラ整備が遅れていることは明らかです。
関連記事:トランスジェンダーの戸籍変更の手続きの流れと必要書類
トランスフォビアからの差別
トランスフォビアとは、トランスジェンダーの人に対しての嫌悪感・否定的な価値観を持つことです。
日常的に発せられるマイクロアグレッションもあれば、SOGIハラスメントの被害に遭うこともあります。
トランスフォビアからの迫害や差別は日本だけでなく世界中で問題視されています。
こちらの記事も合わせてどうぞ▼
トランスジェンダーの当事者が書いた本
- オレは絶対にワタシじゃない
- 誰かの理想を生きられはしない
- 元女子高生、パパになる
①オレは絶対にワタシじゃない(著書:遠藤まめた)
「トランスジェンダーはこう」という重苦しい説明本ではなく、当事者である遠藤まめたさんの人生のストーリーがユーモア交えて書かれています。
遠藤まめたさんの文章力には惹かれるものがあり、短時間で読むことができました。
社会が変わるために行動する勇気を持たせてくれる本でした。
②誰かの理想を生きられはしない(著書:吉野 靫)
「自分自身のマイノリティとマジョリティについて学ぶ必要がある」というところにすごく共感できました。
トランスフォビアの存在を常に警戒しなくてはいけないこと、多くの人に知ってほしいです。
吉野さん自身の医療裁判とその経過についても詳述されています。
③元女子高生、パパになる(著書:杉山文野)
トランスジェンダー当事者である杉山文野さんに新著です。
「なんのために生きるのか?どんな自分になりたいのか?何を大事にしていけばいいのだろうか?」そんな問いかけの答えが書かれているような本。
杉山文野さんの高校時代からパパになるまでの14年間の物語です。
トランスジェンダーとは?まとめ
この記事ではトランスジェンダーについてまとめました。
参考になれば幸いです。
以上、まどぅー(➠プロフィールはこちら)でした。
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