しかし、悪さをしている者はいつ、ばれるか不安に苛まれるものである。
権力は擦りきれ、時代は変わる。
Tは議員を引退し温泉山荘の経営者となっていた。
平成の時代も終わり令和になったとき90歳になったTは心配になった。何とか第3セクターのトリックをばれないようにしないといままでの努力がすべて水の泡となってしまう。
なにか良い考えはなか。悩む日々。この悩みは草津の湯でも治らんな。まずは、宿の湯に入ろう。もちろん村の源泉の掛け流し。
湯船に浸りながら考えた。そうだ!!。
第3セクターらしくすればいい。俺が辞めて代表取り締役を副村長にすればよい。俺も齢90だ。いつまで命があるか判らない。
孫やひ孫、いや、未来に続く子孫のためにこの温泉宿が続くようにしなければならない。Tは加賀屋の気持ちが身に染みて解った。
鶯温泉開発株式会社の総会で満場一致でTは退任し虹の下村の副村長が代表取り締役に選任された。計画通り。
ここまで、来るのに様々なテクニックが必要だった。
虹の下村にはこの地に村民憩いの家を建ててある。ここの鶯温泉観光協会に指定管理を委託していた。まずは、その鶯温泉観光協会を解散させる。
すると、指定管理者が契約途中でいなくなる。村の観光課は混乱する。この混乱に乗じて我ら鶯温泉開発株式会社が指定管理を継続するようにする。それには我が社の第3セクタートリックを完璧なものにしなければならない。副村長を代表取締役にすれば良い。そして、第3セクターとして指定管理を引き継げばよい。完璧だ。誰もこんな事に気づくものはいまい。おれば取締役のままだ。
副村長のお土産は運営補助金。なんて、美味しい。
わはははははははははははっ、はあ?。
しかし、月光仮面はみていた。無いのを見ていた。悪魔の証明を。
新代表取締役はこれから弁慶になるのだ。齢90の義経を守り討ち死にするのだ。
この物語は実話に基づいたフィクションです。