ほぉーーーーっ。ほけっきょ。

鶯の鳴く里。虹の下村の湯治場のお話。

けっきょ。けっきょ。けっーーーーー。ぼたっ。(落下音)

この湯治場に加賀屋というのがあった。たいへんに良い宿で近くから湧き出すこの村の温泉を引き込み、温泉宿をやっていた。

加賀屋はもともと加賀の人。加賀といえば北陸だな。越国、越前、今の石川県よ。いいとこだよ。サブちゃんも歌っておろう。加賀の女。情が深いよ。ま、このはなしは、「ええがや。」

義経と弁慶が落ち延びた北陸路は山形の真室川から沢内を通る昔の街道で鶯の里はそんな街道に隣接する湯の里じゃった。奥州街道なんか無かった頃の話。この街道の方が古いんだな。

そんな静かな里のとんでもない物語じゃ。

それでは先ずは、サブちゃんどぉぞう。

平和な里じゃった。あの戦が始まるまでは。

里に陸軍の軍人寮が出来ることになって村は大騒ぎ。南朝のお公家様がいらした御所でもあるところから、なんとかせにゃならん。

そこで名乗り出たのが我らが加賀屋よ。

加賀屋が奔走して土地を提供した。ほんとの話は温泉をただ使いするために自分の土地を貸しただけだけどな。そりゃあ。めざとい加賀屋のこと。これは、当然の動機として許す。笑い。

予定通り、加賀屋はその多大なる村への貢献によって村の温泉は軍の目的の達成するまで、皇国の世界制覇を達成するまで、温泉はただにすると口約束をしたんだ。

皇国は敗れた。

そして、軍の目的はいつまでも達成されなかったから、ずっとただ。ラッキー。

敗戦後もずつと、ただだった。無料。湯水のごとく。あ、湯です。

ぼろ儲け。とうとう、旅館からホテルになったとさ。

しかし、このうらやましい儲けをじっとねたましく思っていた親戚の男がいた。

その男のことはこのつづきに書く

この物語は実話に基づいて創作されたフィクションです。

 

 

 

 

 

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