片仮名の全容が明らかにされる

 平仮名は漢字の草書体からではなく、ヘブライ語のアルファベットを基に創作されたことは既に解説した通りです。高貴な文学を綴る為に用いられた平仮名とは別に、公文書を中心とした汎用性の高い文字として活用されるべく創作されたのがカタカナです。カタカナは漢字の一部を取って作られたというのが定説になっていますが、実際には漢字とヘブライ語の双方を織り交ぜながら創作されたと推定されます。何故なら漢字から成り立ちを説明できないカタカナの全てはヘブライルーツ説によって無理なく解明できるからです。

 カタカナの創作方法は3種類あったと考えられます。まず漢字の一部から作られたカタカナが11文字あります。例えばタ行は全て漢字をベースとして創作されています。多が「タ」となり、千が「チ」という風に、明らかに漢字の形状とカタカナが一致しており、疑う余地がありません。

 次にヘブライ語から創作されたカタカナが16文字あります。サ行のカタカナや、マ、ヤ、ラ、ワ等がこの例です。これらは漢字のルーツを辿ることが困難であっても、そのベースとなるヘブライ語の字形がカタカナと酷似しているため、一見してヘブライ語からその成り立ちを簡単に理解できます。ヘブライ語からカタカナを創作する際のルールは平仮名と一緒です。基本的にはヘブライ語の母音と子音の形状をとどめて、それらを移動して重ねたり、角度を変えて回転させたりしながら文字を創作します。特筆すべきは「ス」や「ソ」のようにヘブライ語を上下や左右にひっくり返して創作されている文字まであることです。その独特の創作技術には目を見張るものがあります。

 最後に漢字とヘブライ語のどちらからでも創作できるカタカナが21文字あります。ア行やナ行、カ、ク、コ等がこの例となります。平仮名の創作過程から察するに、おそらくヘブライ語から原型となる字形が作られ、その後、それに類似した漢字が選別されたと推測できます。平仮名と同様に、カタカナもヘブライルーツを隠蔽する為に漢字から創られたようにとみせかける必要があったのでしょう。その結果、ヘブライルーツが混在していながらも、カタカナの大半を漢字ベースの創作文字としてアピールすることにより、いつしかヘブライ語の存在が忘れ去られていったのです。


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