まず注目すべきは88という数字です。一般的に「八十八箇所」は、88の煩悩を消し去り、88の徳を成就するという意味に捉えられているようです。しかし「8」の音読みである「ヤ」はヘブライ語で神を意味し、その8を重ねることにより、八重(ヤエ)、つまりヘブライ語での「神」となります。しかも日本語では幾重にも覆われて隠れてしまう、というニュアンスが含まれている為、「八十八」は「神を隠す」と解釈できます。それを更に明確に表現した言葉が「八重桜」であり、この言葉の読みはヘブライ語で「神隠し」を意味します。おそらく空海は、密かに安置された神器を、八十八箇所の霊場を結ぶ動線によって包囲し、歩く旅路を遍路と定め、尚且つ、秘宝の隠し場所は、人気のない僻地、すなわち山の奥地を選んだのでしょう。
しかも剣山には元来、鶴石、亀石、そして宝蔵石と呼ばれる3つの大きな岩石がその頂上に存在し、山自体が「鶴亀山」とも呼ばれていたのです。更に、「かごめかごめ」のヘブライ語訳と旧約聖書のイザヤ書から、秘宝が隠された場所は、人為的に水を引いた溜池のある、人里離れた山地であると推測できますが、剣山の周辺からは水が沸き出でており、山の頂上がおよそ平坦になっているという不自然な地形から、剣山には人の手が加えられ、そのどこかに人工の溜池が潜んでいる可能性が高いのです。
西アジアにおいて、大切なものを温存する場所の下に水を引くことは、めずらしいことではなかったようです。エジプトの三大ピラミッドには参道の地下へ繋がるオシリス・シャフトと呼ばれる墓の縦穴があり、最下層には大きな水貯めのある広いスペースがあります。同様にユダヤの秘宝も、人工的に水が引かれた山上付近の地下室に隠された可能性があり、そこに「お守りの形」にすり返られた石像が目印として置かれたことを、「かごめかごめ」はヘブライ語で歌ったのではないでしょうか。
火の無い所に煙は立たずという諺がありますが、イスラエルの民が日本に渡ってきた直後、剣山にユダヤの秘宝が隠されていたという可能性は、否定できません。 空海の故郷に聳え立つ剣山は神隠しの象徴であり、鶴と亀という「お守り」の岩によって、今でも神の秘宝を守護しているのです。
引用元:日本とユダヤのハーモニー