日本語とヘブライ語の関係を探る

 日本語の文字として日常使われている平仮名とカタカナは、一般的に漢字を省略、もしくは草書化するという過程で平安時代に考案されたと考えられています。ところがその読み方に合致する漢字が多数ある中で、何故、特定の漢字が選ばれたのか、またその基準は何かということに関しては定説がありません。例えば「あ」と読むことのできる漢字は「亜」、「阿」等、複数ありますが、これらの漢字からどのようにして一つの漢字を選び、それを日本固有の文字として差別化したのでしょうか?

 日本古代の文字としてはアヒル文字とも呼ばれる神代文字が史上最古であるという説もありますが、ごく一般的には大陸より持ち込まれた漢字が最初の文字と言われています。興味深いことに、これらの漢字は仮名に相対して真名と呼ばれています。「マナ」と言えばイスラエルの民が荒野をさまよい歩いて約束の地へ旅している途中、神が天から降らせた食物として有名です。原語を直訳すると「これは何」となり、それは神から与えられた命の賜物を意味しています。更に新約聖書においては「言葉には命がある」という表現もあり、これらの聖書の記載から「マナ」と「言葉」の関連性を伺うことができます。それ故、漢字が当初「真名」と呼ばれたのも、何らかの形でイスラエル文化の影響を受けた可能生があります。また日本古語で愛をマナと読んだ理由も神の賜物に関係しているかもしれません。もしそうならば、仮名文字とヘブライ語には何らかの共通点があるはずです。

 ヘブライ語のアルファベットは、22の子音とアイウエオのような母音から成り立っています。日本語は「あいうえお」と読む母音と、9文字の子音とその5つの母音との組み合わせ、そして「ん」を合計した51文字となっています。ところが「だ」、「ぱ」等の濁音と半濁音が含まれる文字や、「じゅ」、「みゃ」等の拗音を伴う文字を個別の子音と捉えるならば、子音の数が22になります。例えば「ぴゅ」という文字は「は行」のHという子音ではなく、PYという別の子音に「う」の母音を足してできた字と考えるわけです。そうしますと新しく子音が13種類加わってヘブライ語と同じ22の子音数になります。また多くの仮名文字が同等の読みをもつヘブライ文字に類似しているように見受けられるのですが、これは単なる偶然でしょうか?

 紀元前8世紀、国家の崩壊後、イスラエルの民が日本に移住を開始したとするならば、仮名文字の創生にあたってヘブライ文化が多大な影響を与えた可能性を否定できません。日本と中国との文化交流が深まり、漢字や宗教、文化が矢継ぎ早に国内に流入しつつあった奈良、平安時代においては、中国の優れた文化を日本に導入することは国家の至上命令でもありました。そして政権争いの渦中にあっても、遣唐使のように多くの学者・僧侶が大陸に旅立っていきました。こういった中国との文化交流の過程において、漢字は学問の基本として既に認知されてはいたものの、同時に漢字とは別に日本語の発音に適した日本独自の文字が望まれたのではないでしょうか。そこでヘブライ語の子音を参考にして、読みが同じで形状も類似している漢字をまず選び、その書体をくずすことで仮名文字が生まれたと考えられます。こうして表面的には中国の漢字文化に由来しているように見せかけながらも、実際にはその根底にはヘブライ文化が脈々と流れていることを、見事に隠蔽したのです。すなわち、仮名文字とは、イスラエル文化を国民の知らぬ内に上手に取り込むための、最上の手段であったのです。