「ユダヤの秘宝」にまつわる重要な証言

 古代エジプトのピラミッドにまつわる様々な発掘現場を検証すると、当時から墓泥棒が横行していたことがわかります。埋葬品だけでなく、ミイラまで盗まれることもあり、その対策として離れた別の場所に墓を隔離し、盗難の危険からミイラと埋蔵品を守ったのです。いつの日でも、高価な宝物や埋葬品は常に、盗難の危機にさらされていたのでしょう。

 同様に神の象徴である契約の箱や、その中に収められていた貴重な神器も、墓泥棒の標的となったはずです。その為、契約の箱の管理者は、大切な神器が盗まれないよう、それを隠すことを急務とし、本物と偽物を巧みに摩り替えて、神器を密かに温存したと考えられます。こうして、いつの間にか本物が偽物に置き換えられ、あたかもそれが本物の神器であるかのように取り扱われたのです。

 しかし、この事象に一つ問題が生じました。それは、聖なるご神体に、一体誰が手をかけるのかということです。聖書にも書かれている通り、ご神仏に触れることは危険極まりなく、実際に触った人は神の怒りに触れて死去したことが記載されています。その思いが「カゴメ、カゴメ」に込められているのです。誰も触れることができない聖なるご神体を、一体誰が守り、取り出して、隠すのか、ということです。これが「カゴメ」本来の主旨であり、その原語であるヘブライ語では、「誰が守るのか?」「誰が守護するのか?」という意味になります。
 
 その摩り替え作業を明言した文が「籠の中の鳥は」の歌詞であり、ヘブライ語で「封じられ、安置されている神器を取り出せ!」と解釈できることは、前述した通りです。そして「いついつ出会う」という歌詞からは、その神器が「契約の箱」の中に収められていたことが推測できます。「いつ」は、ヘブライ語で「置かれた」「収められた」を意味する(hitsiv、イツィ)であり、「出会う」は、収納庫、家を意味する(diyur、ディユゥー)です。2つ合わせて「箱に収納された」ことを指します。これは正に、硬く封じられている神器「契約の箱」の中に保管されていたことに他なりません。「契約の箱に収められ、封じられてこれまで安置されてきた神器を取り出せ!」というのが「カゴメ、カゴメ、籠の中の鳥はいついつ出会う」の意味だったのです。

 そして驚くことにその後、神器が摩り替えられた事が、その後に続く歌詞に書かれています。「夜明け」は、(ya、ヤ)、(akar、アカ)、という2つのヘブライ語が合体した言葉で「ヤ」は神、「アカ」は「取り除く」を意味することから、「神(器)を取り除く」ことを意味します。次に「晩に鶴と亀がすべった」を解読してみましょう。「晩に」は、ヘブライ語で「造る」を意味する(baniti、バニティ)が多少訛った言葉です。では一体、何を造ったのでしょうか。答えが「鶴と亀」です。「鶴と」はヘブライ語の(tsurat、ツルト)であり、「~の形をした」を意味します。「亀」は「お守りを意味する」(kamea、カメ)であり、合わせて「お守りの形をした」という意味になります。更に「すーべった」は(subsidyah、スーベシーダ)が原語であり、このヘブライ語は元来、「補助的」を意味することから、本物を補助する、つまり差し替える為に造ったお守りを指していると考えられます。「夜明けの晩に鶴と亀が滑った」とは、「神器を取り除き、代わりにお守りの形をしたものを造った」という、「ユダヤの秘宝」の行く末に関わる貴重な証言だったのです。


引用元:日本とユダヤのハーモニー