ペペロンチーノの決め手は乳化!乳化の基本からテクニックまで解説!

ペペロンチーノの決め手は乳化!乳化の基本からテクニックまで解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

2020年10月 6日

おいしいペペロンチーノを作るには「乳化」という工程を欠かすことができない。乳化とは簡単にいえばオリーブオイルと茹で汁を合わせて、ソースにとろみを付けることをいう。これをすることで口当たりがよくなり、ペペロンチーノがおいしくなるのだ。しかし、正しい乳化のやり方を知らない人も多いはずだ。そこで今回はペペロンチーノを作るのに必要な乳化のやり方を中心に説明する。

  

1. そもそも乳化(エマルジョン)とは?

乳化とは水と油を均一に混ざり合わせることをいい、その混ざり合ったものを「エマルジョン」という。たとえば、油が水に溶けた水中油滴型エマルジョンには牛乳や生クリームなどがあり、逆に水が油に溶けた油中水滴型エマルジョンにはバターやマーガリンなどがある(※1)。ペペロンチーノのソースを作る際の乳化もこれと同じで、オリーブオイルと茹で汁を均一に混ぜ合わすことをいう。

茹で汁により乳化が起こる仕組み

本来なら水と油は混ざり合わないはずだが、なぜオリーブオイルと茹で汁は均一に混ざるのだろうか。この理由はパスタの茹で汁に含まれるデンプンが乳化剤の役割を担うからだ。乳化剤とは乳化を促すための働きをする物質のことで、水・油のいずれかを膜で囲ってもう一方に溶け込めるようにする。ペペロンチーノの場合は油の周りをデンプンが囲むため、茹で汁と混ざり合うことができるのだ。

パスタソースを乳化させる理由

ペペロンチーノのソースを乳化させる理由はいくつかある。まずは乳化させることでソースにとろみがつき、パスタとソースがよく絡むようになるからだ。また、乳化させることで油っぽさがなくなり、口当たりがまろやかになるからである。要するに、ソースを乳化させることでペペロンチーノが格段においしくなるのだ。

2. ペペロンチーノのソースを乳化させる方法

乳化の仕組みや目的を確認したところで、実際にペペロンチーノのソースを乳化させる方法を知ろう。正しい乳化のやり方を覚えることで、自宅でも簡単においしいパスタを作れるようになる。

手順1.ニンニクと鷹の爪を炒める

フライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を入れよう。それから中火にかけて、オリーブオイルがふつふつとするまで加熱する。数十秒でふつふつとするので、そこからは弱火にする。そのままニンニクがきつね色に変わるまで炒めよう。

手順2.オイルに茹で汁を加える

ニンニクの色がきつね色に変わったら、フライパンに茹で汁を加えよう。フライパンに加える茹で汁の量はオリーブオイルと同じくらいにするとよい。たとえば、オリーブオイルが40ccなら茹で汁も40cc(お玉一杯分)を目安にしよう。量を同じにすることで、乳化がうまくいきやすくなる。

手順3.泡立てるようにして混ぜる

フライパンに茹で汁を加えたら、まずはフライパンを斜めに傾けてソースを一か所に集める。それから菜箸(木ベラ・泡だて器)でシャカシャカと泡立てるようにして30秒ほど混ぜる。その後、スピードを落としてゆっくりと泡立てると、ソースが白く濁りとろみが出始める。これでソースは完成だ。
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3. ペペロンチーノの乳化を成功させるポイント

先ほど説明した手順通りに行っても、ペペロンチーノの乳化が失敗してしまうこともあるだろう。そのような場合には以下に説明するポイントに意識して行ってみるといいだろう。

ポイント1.茹で汁を少しずつ追加する

ペペロンチーノのソースを作る際には、オリーブオイルの量と同じくらいの茹で汁を追加するのがよい。その際、一度にすべてを加えるのではなく、少しずつ茹で汁を加えるのがポイントだ。少しずつ茹で汁を追加することで、乳化が安定しやすくなる。また、茹で汁が足りずに追加したい場合は、スプーン1杯ずつで微調整を行うのがおすすめだ。

ポイント2.茹で上がる3分前の汁を使う

先述のとおり、ペペロンチーノのソースの乳化には茹で汁に含まれるデンプンが必要だ。このデンプンはしっかりとパスタを茹でたお湯の中に多く含まれているため、茹で上がる3分くらい前の茹で汁を使うほうがよい。茹で始めのお湯にはデンプンが少ないため、乳化が失敗しやすいので注意しよう。

ポイント3.十分に空気を含ませる

おいしいペペロンチーノのソースを作りたいなら、ソースに空気を含ませるのがポイントだ。この理由はソースに空気を含ませることで乳化が進むからだ。菜箸などでシャカシャカと混ぜるのはもちろん、フライパンをゆするなどして空気を十分に含ませるようにしよう。

ポイント4.茹で汁に昆布だしを加える

通常、パスタを茹でるお湯には塩だけを入れる。その際、昆布だしを加えてみるのがおすすめだ。昆布だしを入れることで茹で汁の中にグルタミン酸というアミノ酸が増える(※2)。アミノ酸も乳化剤の役割を担うため、昆布だしが溶け込んだ茹で汁を使うことで乳化が成功しやすくなる。

結論

乳化のポイントをおさらいすると、「オリーブオイルの量と同じだけ茹で汁を加える」「パスタが茹で上がる3分前の茹で汁を使う」「フライパンに茹で汁を加えたら一生懸命混ぜる」の三つが重要になる。これらを意識するだけで、自宅でもお店で出るようなおいしいペペロンチーノを作れるようになる。乳化がうまくできないと悩んでいる人は、間違っている部分がないか探してみるとよいだろう。
【参考文献】

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  • 公開日:

    2017年9月13日

  • 更新日:

    2020年10月 6日

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