デザイナーの佐藤可士和が着用するロレックスの腕時計は?

LIFEセレブウォッチ・ハンティング
2021.06.04

世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はグラフィックデザイナー、クリエイティブディレクター、アートディレクターと多方面にて活躍する佐藤可士和が着用するロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」を紹介しよう。

沼本有佳子:文
Text by Yukaco Numamoto
2021年6月4日掲載記事

日本を代表するデザイナー、佐藤可士和

佐藤可士和

写真:つのだよしお/アフロ
佐藤可士和。多摩美術大学を卒業後、株式会社博報堂を経て2000年に独立した。彼の名前と顔を知らない人でもユニクロ、セブン-イレブン、楽天グループ、今治タオルといったブランドのクリエイティブディレクション、ホンダ「N-BOX」のロゴ、横浜みなとみらい地区にあるカップヌードルミュージアムのトータルプロデュースも手掛けている、と言えば彼の作品が日本の生活に根付いているものであることが分かるだろう。

 国立新美術館にて2021年2月3日〜4月28日の期間で開催された「佐藤可士和展」。もともと5月10日まで開催される予定だったが緊急事態宣言下で予定を早めての終了となってしまった。連日大盛況だったという本展にゴールデンウィーク中に行こうと思っていた人も多かったのではないだろうか。グラフィックデザイナー、クリエイティブディレクター、アートディレクターと多方面にて活躍する佐藤可士和が愛用する時計がこれだ。


ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」

オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ

2018年6月2日に行われた武田薬品工業の新社屋落成イベントで佐藤可士和が着用するロレックスの「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」。オイスターブレスレットと黒青ベゼルの組み合わせ、会見の日時から、18KWGケースの116710BLNRと推測される。

 デザインのプロフェッショナルと言える佐藤可士和が選んだ腕時計はロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」だ。ロレックスのGMTマスターといえば、同社がパン・アメリカン航空の国際線パイロットのために開発したモデルとして知られ、第2時間帯を24時間で1周する副時針とベゼルを組み合わせることで読み取ることができるモデルである。そのデビューは1954年。

 その後、82年には副時針の単独調整が可能なGMTマスターⅡが登場している。その比類なき機能性と堅牢性、一目でそれと判別できるデザインは世界を旅する人々を魅了してきた。

オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ

ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」
自動巻き(Cal.3186)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWG(直径40mm)。10気圧防水。販売終了モデル。

 GMTマスター Ⅱの象徴的であるスタイルのひとつと言えるのが24時間目盛り入りのベゼルで、青赤や黒青のように昼夜で2色に分かれているパターンのものが有名だ。佐藤可士和が着用するモデルも黒と青を組み合わせた、通称ペプシベゼルモデルである。

 この両方向回転ベゼルのベゼルリングには、セラクロムベゼルインサートが備わっており、極めて硬いセラミックスから作られている。ひとつの部品として製造されており、耐傷性と耐蝕性に優れているため、年月が経っても鮮やかなカラーを保つことが可能である。2色ベゼルのモデルを選ぶこともGMTマスターⅡを保有する楽しみかと思われるが、あえてオールブラックのタイプを選んでいることも興味深い。

世界をタフに移動する人に相応しい時計

 前述の通り、時針、分針、秒針と先端に三角形がついた24時間針(副時針)、そして24時間目盛り入りセラクロムベゼルインサートを備えた両方向回転ベゼルを組み合わせることにより、GMTマスターⅡはローカルタイムとホームタイムや、ローカルタイムと別のタイムゾーンの時刻(第3時間帯)を表示することができる。

 コロナ禍の中において、すっかり浸透したオンラインミーティングを海外と行うことも多いであろう佐藤可士和のライフスタイルに力強く寄り添う時計である。


G-SHOCKもお気に入り

DWE-5600KS-7JR

佐藤可士和が手掛けた「DWE-5600KS-7JR」。全3色のケースから、ストラップの組み合わせで最大通りの組み合わせを可能としたモデル。完売。

 佐藤の時計の好みはタフに使える質実剛健なものが多く選ばれているように思われる。余談になるが、大学から愛用し続けるG-SHOCKは、パンクバンドをやっていた際に、リストバンドの代わりとしてアクセサリー感覚で選んだとのこと。筆者にとっては少しばかり意外な話であった。

 G-SHOCKは他にもレアモデルを所有しており、誕生35周年を記念して世界35本限定で販売されたネオンカラーモデルは、デザインを手掛けたNIGO自身から2色セットで贈呈されたというから羨ましい。

 冒頭で紹介した佐藤可士和展でコラボレーション商品として出品したG-SHOCK「DWE-5600KS-7JR」は全3色・27通りの組み合わせを楽しめるものである。ここにも時計をアクセサリーとして楽しむ精神が垣間見られる。「新しい」「唯一無二」であることに敏感であり続けることが求められる職業なだけに、佐藤が関わったG-SHOCKは斬新な楽しみ方が加味されている。

 カメラや車の選択からもモノ選びに男っぽさやガジェットとしての面白さ、普遍的なデザインを愛することがうかがい知れる。彼の時計選びに今後も着目したい。


ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ」をテスト[92点]

https://www.webchronos.net/specification/10736/
ロレックスGMTマスターの歴史と系譜。現行モデルの特徴も紹介

https://www.webchronos.net/features/53862/
ロレックスGMTマスターⅡの魅力に迫る。モデルや選び方を紹介

https://www.webchronos.net/features/46994/