オリンピックの海外選手団第１号・女子ソフトボールのオーストラリア代表が、合宿先で初めての屋外練習に臨みました。公開が中止されるなど、コロナ禍での対応の難しさも浮き彫りとなっています。

　「オーストラリアの選手らが滞在先のホテルから出てきました。日本に到着して、これが初めての外出となります」（皆川玲奈キャスター）

　一般客との接触を避け、裏口から出た女子ソフトボールのオーストラリア代表。向かったのは市内の球場です。

　１日に入国した選手は市の外出制限に従い、ホテル内で練習を重ねてきました。やわらかいボールを使ってのバント練習など工夫を凝らしたメニューに選手は・・・。
　「私たちはみんな元気で、ホテル内でも力強く、前向きな雰囲気を保っています」（女子ソフトボール豪代表 エレン・ロバーツ投手）

　初の屋外練習で選手はハツラツとした動きを見せましたが・・・。
　「フェンスがあって、辛うじて見えているような状況です。本来公開されるはずの練習が急きょ、非公開となりました」（皆川玲奈キャスター）

　「音がすごいですね。もうちょっと近くで見られれば良いのだけれど」（男性）

　市民も楽しみにしていた公開のブレーキとなったのがコロナ対策。

　「（多くの人が）関心を持って集中されるのではないかということから、（感染症の対策を）もう一度、万全を期していきたいということで」（太田市 文化スポーツ総務課 大沢英利課長）

　太田市が選手団受け入れのために策定し、政府にも提出したこのマニュアル。公開のためのコロナ対策がその水準に達しない可能性もあり、延期を判断しました。

　そしてコロナ対策はこんなところにも。
　「子供たちに蚕を飼ってもらい、蚕からとれた生糸を利用し、選手の皆さまに記念品として箸袋を製作した」（太田市 文化スポーツ総務課 大沢英利課長）

　おととし、太田市で合宿をした代表チームは、小学生との交流で蚕にも触れました。その生糸で作った記念品の箸袋さえ、コロナ対策で渡せていません。

　選手も「コロナ対策が最優先」としつつ、こうも語りました。
　「これまでの合宿で、子供たちとのソフトボール教室がとても楽しかったです。本当にやりがいがあって、今回もぜひ一緒にやりたかったので残念です」（女子ソフトボール豪代表 エレン・ロバーツ投手）

　「五輪選手と近くで会える機会だったので、ぜひ交流したかったなと」（女性）

　「おもてなし」の精神を掲げたオリンピック。しかし、その機会は極めて限られそうです。