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J-popの分析をする日記

音楽好きな人がJ-popの分析をしたりしてます。ボカロの曲作ったりもします。

過去ログ

sky's the limit

これもItunes storeシングルランキングにのっとりませんが、好きなので分析。
平田志穂子の「sky's the limit」。
作曲は僕のリスペクトがものすごい、アトラスの目黒将司さん。
それはもー、ものすごいリスペクトです。
彼の名前でCDを出せば、ゲーム音楽ファンは迷わず買うでしょう。うん。僕も買います。



楽器構成

バスドラム(Aメロ)
低音成分がけっこう多い。
はっきりとした音。リバーブ感はあまりない。音程で言うと下のラくらい。
たぶんサンプリングした音。

スネア(Aメロ)
耳が痛くなるほどのリバーブ感のなさ。音程で言うとソ#くらい。
たぶんサンプリングした音。

ハイハット
ヒップホップとかで使われてそうな音。
16分裏で叩いてスピード感を増している。
これをむやみに連打しないことで、休符をつくっている。
普段でる楽器が仕事をしないことによって、逆にいい仕事をしてる。
サビではかなり右の方で4分打ち。

インドっぽいかたかたした打楽器
Bメロで登場。かたかたしてる。

バスドラム(サビ)
そこまで重い音ではないけど、アタック感ははっきりしてる。
ロックのパターンにもかかわらず、ちょっとだけテクノっぽいバスドラム。
もしかしたら生のドラムと作った音を混ぜてるかも。

スネア(サビ)
リバーブをがんがんにかけたスネア。ぱーんって気持ちよく長くなってる。
分かりやすく2拍4拍で打ってる。

オープンハイハット(サビ)
真ん中の方で4分打ちしてる。音量は控えめ。

クラッシュシンバル(サビ)
1拍分のびたらすぐ減衰。小節頭だけでなく、4拍目にたくさんならしてるのが斬新。

ベース
かなりの音圧。ピックベースを加工したものでしょうか。
コンプレッサーでつぶして太くしてる印象。
上の音に行った時の倍音のかんじがかっこいい。
とりあえず、最高にかっこいいベースです。

ロックオルガン(Aメロ)
ビブラートのかかった音で、イントロで高い方で和音を弾いたと思いきや、Aメロでは地味に下の方でコード。
たまにロングトーンで単音をのばしたり、グリッサンドしたり、たまにテクニカル。

ピアノ(Aメロ)
すぐに減衰する音。でもアタックは強い、ハウスみたいな音。
この減衰の早いピアノのおかげでintro,Aメロで超かっこいいグル―ヴが生まれてます。
他の楽器と比べて音量は大きめ。

ジェットっぽいシンセ(Bメロ)
Bメロで「しゅいー」ってやってるやつ。
このエフェクトはフランジャーというらしいです。へー。

エレキギター(サビ)
サビでシンプルな白玉コード。でもかっこいい。



曲の流れ

intro
いきなりかっこよすぎるフレーズ。
ピアノはEm7を弾き続けて、ベースがミレドシラシって1音ずつ下がるだけなのになぜかかっこいい。
最初はバスドラ、ピアノ、ベースでリズムを提示。
2回目からは2拍4拍をスネアで埋めて、細かいところにハイハットをいれるパターン。
ロックオルガンも高いところでピアノとユニゾン。
それにしても休符の聞かせ方がほんとにすごい。かっこいいー。
イントロ1回目の休符のところでベースがめっちゃ短いの弾いてるのが好きです。これがグル―ヴを作るってことなんでしょー。

Aメロ
ハモってるわけではないけど、要所(importingとexportingで韻を踏むとことか)で同じラップを右左に広げたやつを重ねている。
それによって一本調子にならず、プロっぽいかんじになってる。
この平田志穂子さんのウィスパーボイスのラップは、超好きです。かっこいいから。
最後の方、ロックオルガンのシーの単音のばしからの「ソーラー」がBメロにはいるきっかけになってる。

Bメロ
ハモリは上3度。
フランジャーのかかった、ちょっとばりばりしたシンセがコード弾いてる。
Aメロと似たようなコード進行をこのシンセでなぞってるだけ。でもものすごい期待感。
3拍子になる部分があるが、ドラムが無いせいもありかなり自然。のちのブレイクの伏線にもなってる。
最後3拍目でブレイク。4拍目で「どたたた」ってフィルイン。シンプルだけどやっぱりかっこいい。

サビ
最初は下3度のハモリ。途中あまりみたことのない下5度のハモリをうすーくいれてる。
和声ではもろ禁則ですが、かっこいいからよし、でしょう。僕も賛成です。
ドラムは前半「どったどっどた!」のリズム。
後半は「どったっどっどた!」のリズム。2回目のバスドラを16分後ろにずらして、変化を出してる。
低音の方では、バスドラ、ベース、エレキギターが。
高音の方では、スネア、オープンハイハット、ボーカルがわいわいやって、A,Bに比べてかなり賑やかに。
4拍目で地味になってるクラッシュシンバルがなかなか斬新です。
たしかに、クラッシュシンバルは頭でならさないといけないっていうルールはないですな。
4拍目でならすことで、歌の休符をうまく埋めている気がします。




和音進行 E-minor

Aメロ
Ⅰ→Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ

B
Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ
Ⅰ→Ⅵ→Ⅳ

サビ
Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ
Ⅵ→Ⅳ→Ⅵ→Ⅰ


AメロはピアノはEでベースが3度下に動いていくonコード。
サビではドミナントコードを使っていないため、聞いててどこへ向かうのか予想しずらい。
なんか次向かうコードが分からない自由なかんじが面白いと思います。
6→4→6なんて、シンプルそうなのに、おおってなります。和音進行って不思議。


一つ前の東京芸大卒の辻陽さんに対して、目黒さんは工学部卒。
これだけ環境が違っても、バンドの経験とか打ちこみの経験とかを活かしてすごいのを作っとります。
音楽が好きなら音大の人にも負けないと。そうだといいなー。


http://www.youtube.com/watch?v=v3v-QP6MCAA

Cras numquam scire

itunes storeシングルランキングにはのっとりませんでしたが、好きだったので分析。
Yuccaさんで「cras numquam scire」。
Yuccaさんは東京芸大の声楽科卒業。
作曲の辻陽さんは東京芸大の楽理科卒業。
音楽家的には超高学歴なコンビです。

声楽の成績があまりよろしくない僕が言うのもなんですが、とても心地いい歌です。
Sの音もきいてて気持ちいいです。
やっぱり本場のイタリア語(を勉強した人)は「っぽさ」がでるなーという印象です。

辻陽さんは、映画音楽やらアニメやらドラマやらやってる人。
今回はクラシカルな楽器構成で聞かせてくれます。得意なフィールドでしょー。

エリート声楽科の人とかはポップスになかなか出てこない印象なので、なんだか斬新です。
でも、こういう試み大好きです。
ジャズとロックを組み合わせたカプースチンも、なんか色々混ぜすぎてよくわからんゲーム音楽も大好物です。
ジャンルの垣根を越えた時に生まれるやつが面白くて好きですなー。現代っ子だからでしょうか。


ハープ
イントロでメロディ弾いてる。
あとCメロでアルペジオしてる。

グロッケン
うたに入る前にソレミシ♭ーってやってるやつ

ピアノ
Aメロ、Bメロで4分でちゃんちゃんって和音弾いてる。
イタリア歌曲の伴奏みたいな動き。  

バイオリン
めっちゃ左の方にいる。
レーってロングトーンしたり、メロディと絡んだり、この曲で一番目立つ楽器。

ビオラ
右の方にいる。
チェロと一緒に和音を支えてる。2番ではメロディとハモったり、なかなかいいしごと。

チェロ
右の方にいる。
和音を支えてる。ピアノの左手とユニゾンしたり、根音を中心に弾いてる。


intro
なんといってもリバーブがいい仕事してる。
たての響きが強く、長いリバーブが休符のところで響いて、教会感が出ております。
このリバーブを聞かせるために、わざと音数を少なくしたのかもしれません。


Aメロ
左のバイオリンがレーってひっそり入ってcresc,decresc(<>)
ピアノがコードチェンジでちゃーん。
2回目で、右にビオラとチェロが登場。
左のバイオリンはメロディと反対に動いたり平行に動いたりユニゾンしたり、フリーダム。

弦楽器に関しては、ビブラートのかけ方とか思ったより派手にやる強弱の付け方とか
やっぱり生録音にはかなわないなーという印象。
楽器のプレイヤーの存在意義をひしひし感じます。

最後はベースがGでビオラがドーラードーシ♭ーってやってる。一回焦らしをいれたアーメン終止(sus4)
われらがはしごー先生だったらシはナチュラルにしそう。バッハの終わりでよくあるやつ。
でも次のBメロでなにやらB♭-majorに転調するようなので、ここでは保留音としてB♭をのこすのが無難なのでしょう。

Bメロ
バイオリンが2パートにディヴィジョン。
ハモリながらメロディと似たような動きをしてる。
ビオラとチェロは相変わらずさりげなくコードを弾いてる。
ビオラは一回だけ、メロディ休みのところで出てくる。

A'
最初は上3度のハモリ。だけど最高音に達するところで下ハモに切り替え。
目立ちすぎないようにハモらせるための配慮でしょうか。
そしてビオラも上3度でハモリ。
おかげで最初のAメロとはだいぶ違ったように聞こえます。リスナーに飽きさせない心意気。
バイオリンは最初にもやってた、レーのロングトーン。

Cメロ
4分の5拍子。
というか、拍子感が無くなる。なだらかーに流れていくようなかんじになる。
バイオリンのロングトーンが多いうたっぽい旋律が気持ちいい。
ハープはコードをアルペジオ。

A''B'
小野Dの語り。ふじょしさんが大喜びの低音強調ボイス。
かなりマイクに近い位置で録音したのでしょうか。そんな印象。
Yuccaさんのコーラスも主張強すぎず、いいかんじ。


和音進行 G-minor

intro
Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ

A
Ⅰ→Ⅶ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ
Ⅰの半音上→Ⅰ→Ⅵ→(Ⅴ)→Ⅶ→Ⅰ

B B♭-major
Ⅰ→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲ
Ⅰ→Ⅱ→Ⅳ→Ⅲ=Ⅴ(G-minor)→Ⅰ

Aでは、Ⅴの代理コードであるⅠの半音上にあるコードがとても効果的。
急にもわっとした雰囲気が漂いますが、すぐにⅠに解決します。

BではG-minorの親戚である平行調のB♭-majorに転調。
ベースが1音ずつ下るⅤ→Ⅳ→Ⅲはなかなか斬新ですが、ふつうにきれい。
Ⅱにいってからは、ドミナントコードにすすまず、Ⅳから元の調にもどるためにほしいDmにはんば無理やりつなげて解決。



僕も作曲ゼミの試験ではこういう曲を発表したいものです。まだゼミはいってないけど。
せっかく声楽やってる人が周りにいるんだし、いいチャンスです。
この曲作った辻陽さんみたいに、クラシックとポップスのいい感じの落とし所を聞かせるとか。
そういう器用なことが出来るといいなーって思います。




http://www.youtube.com/watch?v=vU3mOct7kIQ&feature=related

世界一ごはん

itunes storeシングルランキング53位
植村花菜の「世界一ごはん」。
トイレの神様でお馴染みの、ほのぼの系シンガーソングライター。ニュータイプですな。
トイレの神様のヒット後、期待されつつのニューシングル。
ハウスふうふうシチューとタイアップしとります。

近所の歌が上手いお姉さんみたいな雰囲気が、このほのぼのした歌詞にマッチしとる気がします。
いいかんじです。

プロデューサーはまたもやの亀田誠治さん。
ベースも弾いとります。アレンジもしとります。


楽器隊

ドラム
シンプルなかんじ。
バスドラは注意しないと聞こえない。
スネアはタイトでつぶがよく聞こえる音。
ハイハットはわりと低い音。
クラッシュシンバルのボリュームは控えめでリバーブも浅め。

エレキベース
4分のばし続けるのではなく、符点8分で弾くことによってグルーヴを生みだしてるのが印象的。
少しだけつぶれた、わりとシンプルな音。
まったりとしたウォーキングベースをしたり、かわいい動きしてます。

アコギ
スウィングでコードを刻み続ける。
しゃかしゃか感が非常にさわやか。

ピアノ
シンプルなアコースティックピアノ。
4分で和音を弾いてる。

エレキギター
たまにオブリガードをユニゾンしたり。なかなかさりげない。
イントロではキレよくカッティング。

ブラス(トランペット)
イントロではメロディを。
A、Bではコードを支え、サビではオブリガードを演奏。

グロッケン
イントロではメロディとユニゾン。
B、サビでは4分でコードをアルペジオする、かわいい動き。


intro
アコギとピアノのユニゾンによる「みっしみっし」のスウィングから、スネアとタムの3連符連打でスタート。
ホルンとグロッケンのかわいらしい音によるユニゾンがメロディ。
ドラムは「どった、どっどた」の分かりやすくのりやすいリズム。
ドラムが消え、タム2回からAメロへ

Aメロ
アコギはじゃかじゃか。ピアノは4分でコード。
ドラムはイントロのパターン。
ベースは1拍目と2拍裏をのばすパターン

Bメロ
前半部分ではドラムが1拍目バスドラ、4拍目スネアのパターン。
ベースが全音符。手数が急に少なくなる。
前半部分の最後、ベースが上にのぼりきってフレーズが終わる。
2分でひいてるグロッケンがかわいらしー。
後半部分では、基本Aメロのリズムで、ベースの後の音を短くしてさらに歯切れよくしている。
同じリズムでトランペットもなり、その後メロディと絡み合うようにのぼっていきサビへ

サビ
ドラムはAメロのリズムに2拍裏のスネアもプラスしたパターン。
少しだけ手数を増やしてます。
あと、2,4拍にクラップをたしてる。
トランペットのオブリガードがかわいらしくていいかんじ。
ベースは符点8分のルート弾きをひたすら。たまに経過音をはさみつつ。


和音進行 E♭minor

intro
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅴ→Ⅳ→Ⅶ
Ⅵ→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ

Aメロ
Ⅰ→(Cmに行くための)Ⅴ→Ⅴ→Ⅰ
(A♭mに行くための)Ⅴ→Ⅴ→Ⅰ
(Fmに行くための)Ⅴ→Ⅴ→Ⅰ
(E♭mに行くための)Ⅴ→Ⅴ→Ⅰ

Bメロ
Ⅶ→Ⅲ→Ⅵ→Ⅰ
Ⅶ→Ⅲ→Ⅵ
Ⅰ→Ⅱ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ
Ⅱ→Ⅴ

サビ
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ
Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ


やっぱり、こういったシンプルな曲は和声で勝負してきます。
Aメロではドッペルドミナントの連発が美しいことを実感できます。
サビは、J-popでよく聞くやつ。4536。




トイレの神様同様、スロースターターでヒットしていくんでしょうか。
じわじわ売れてく、ニュータイプのアーティストなんでしょうか。
トイレの神様だけの一発屋なのでしょうか。
亀田誠治という強い味方をつけた以上、僕はじわじわ売れる方に一票です。
こういうほのぼのした音楽は、ひとつくらいあってほしいものです。
音圧がすごいテクノとか、甘い声で恋を歌うやつとか以外に。
やっぱりいろいろあった方が面白いですなー。と思います。


http://www.youtube.com/watch?v=l1g28_YmmQQ&feature=player_embedded

Wired Life

itunes storeシングルランキング、にはのっとりません。
なぜなら黒木メイサはSonyのアーティストだからー。
sonyさんappleに対抗意識を燃やしてらっしゃるようです。なんともなんとも。
シンセとコーラスワークが面白い、僕の趣味どまんなかの曲です。


最近、きゃりーぱみゅぱみゅやら、この黒木メイサやらモデルさんがヒットチャートをにぎわしてますね。
きゃりーぱみゅぱみゅはテクノ王子、perfumeの中田ヤスタカさんを。
そして黒木メイサはR&B王子、亜室奈美恵のNao'ymtさんをひきさげております。
モデルさんが生涯を歌に捧げたボーカリストさんやら、バンドさんやらをヒットチャートで抜いていく。
敏腕プロデューサーの力は恐ろしいです。
でも、確かにきゃりーぱみゅぱみゅのトラックも、黒木メイサのトラックも、とても緻密に作られた感じで聞いてて飽きません。



主な楽器隊

ドラム

バスドラムはアタックは強く、すぐ減衰する音。
Aメロのスネアは、リムショットをリバーブ深めにしたみたいな音。
BメロからのスネアはまさにR&Bっていうかんじ。
もちっとしてて、でもアタック感は強いです。
ハイハットは全体を通して、存在感薄め。
サビでは右左、広いレンジで「つんつくつんつく」なっとります。


シンセベース

Bメロでは拍の頭の方でオクターブの動き。
サビからは、バスドラムとサイドチェインでコンプレッサーとつなぎ、「ウーン」ってならすやつ。パンプ。
この「ウーン」っていうベースはエレクトロではよく使われるそうな。
このおかげで、非常に音の密度の高いサビになっとります。


ぽこぽこシンセ
Aメロ、Bメロで上のほうでなってる倍音少なめの音。
符点8分のディレイをかけることによって、面白いグルーヴを生んでいる。


パッド系シンセ
中音で「ミソシレシ」って弾いてるやつ。
曲中でE7を提示し続ける職人的なやつ。


シンセストリングス(スタッカート)
2拍目の裏で「てぃんっ」ってひいてるやつ。
これのおかげもあってBメロにはいってから勢いが出てきます。


ノイズ
イントロからなりつづけてる。
この曲の雰囲気を作っとります。



曲構成


intro
ノイズが右へ左へと動きながらリズミカルになってる。
そんな中で、パッド系のシンセが「ミソシレシー」って弾いて、マイナーの曲だよーアピール。
ぽこぽこシンセに交代して、テクニカルなディレイを見せつける。
そのあと、なんか重いクリスタルみたいな音がなってAメロへ


Aメロ
イントロでなってたパッド系シンセとディレイのぽこぽこシンセが鳴り続けてる。
あとバスドラムがかなり多い手数でリズミカルになってる。
そして、僕がこの曲で一番気に入ってるとこ!
字ハモがとても面白いです。
前半部分では、音程無視のウィスパーボイスでのハモリ(ハモリというのかは謎)
後半では4度下のハモリ。
4度ハモリは坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」でも使われてますが、こういう儚い雰囲気を出すのに向いているんでしょうか。
シンプルなスネアのフィルイン。いかにも盛り上がりそう。


Bメロ
「Cut&rope」のところはオクターブでのユニゾン。
そしてこの後の4度ハモリもとてもきれいです。
何回も聞きたくなる魅力があります。


サビ
3度4度を動きまわる、テクニカルな字ハモ。
あと、サイドチェインのコンプレッサーを使った「ウーン」っていうシンセがやっぱりかっこいい。
メロディはAメロとBメロの流れの動きとは対称的に、3度の跳躍の動きが多い。サビっぽさを演出してる。
後半は「ラ、シーシーラソ」の繰り返し。キャッチー。


Dメロ
今までとは違った主張の強いバスドラが4分打ちで登場。クラップも登場。
うたはオクターブでユニゾン。
フィルターをいじったかっこいいシンセが「しゅいしゅいー」ってやって大サビへ。


和音進行

Aメロ E-minor


Bメロ 


サビ
Ⅵ→Ⅶ→Ⅴ→Ⅵ Ⅵ→Ⅶ→Ⅴ→Ⅰ


とってもシンプル!
サビでくる6756の、5→6は最高にキマってます。
鮮やかに偽終止きめられた感あります。

7,5のドミナントコード続きで早くトニックに解決したい
→1じゃなくて6に解決。
→えー!?
ていう感じでしょう。うん、たぶん。


個人的にこの曲、大好きです。
こんなカッコいいトラック作れたら、そりゃあもうやばいでしょう。
いいないいなー。
和声学だけじゃ作れないから、自分でいろんなこと勉強しなきゃねー。


http://www.youtube.com/watch?v=Slc-hwCxzpI&feature=related

アリアドネの糸

Itunes storeシングルランキング4位
Do As Infinityの「アリアドネの糸」
まさにJ-pop!な印象を勝手に受けました。
今のポップス(ロック)のおいしいとこどりな印象。

プロデューサーは東京事変のベーシスト、亀田誠二。超大御所プロデューサーです。ベースは本人演奏のご様子。



楽器編成

ドラム

スネアが目立つように設定してある印象。
そのスネアはリリースが長い設定。
リバーブを深めにかけてるか、コンプレッサーのリリースタイムを短く(でかくなりすぎた音を小さくする時間を一瞬に)していると思われます。たぶん。

バスドラムはアタックは強いけど、主張しすぎないかんじ。
Aメロ前半で出てくるタムは中低音を強調した重い音。
ハイハットは生の質感がとてもいいかんじ!特にオープンハイハットの4分打ちが生っぽい!というか生っぽい良さがあります。
やっぱり強弱とか微妙なタイミングのずれ(本当に微妙な)はかっこいいグルーブを生むんだと感じさせられます。
クラッシュシンバルはこの曲の調、Dに合わせた高さでなってます。これも自然に聞こえる原因でしょうか。


エレキベース

ベースの最低音であるEを長2度下にずらした、ドロップDのチューニング設定。これによってAメロ前半とAメロ後半で大きな展開をしとります。

Dの8分連打でも要所でさりげなく(本当にさりげなく)スライドしてるあたり、さすが亀田さんです。
これもかっこいいグルーブを生むひとつの要因でしょー。リズム隊の微妙なニュアンスが曲全体の印象をコントロールしてる気がします。
ロック特有のつぶれた音がとてもかっこいいです。


エレキギター1

Aメロだけ右にいき、あとは真ん中でなっている。
イントロ、Aメロは「たつつたつつたつ」(つ、のとこでミュート奏法)のロッカーご用達のパターン。
4度のパワーコードがきいてます。
歪めてつぶした音。


エレキギター2

イントロだけ登場。超かっこいいリフを弾いとります(00:28~)
エレキギター1と同じような音。


シンセ1
高音を埋めるやわらかいパッド


シンセ2
クリスタルっぽい、リバーブ深めの「こーん」ってやつ



曲の展開 (intro→A→B→サビ)


intro(0:16~0:42)

曲のはいりは、ベースは2オクターブ上のD。
それの上でギターがいろいろ違うコードを弾いとります。
オンコード連発。シンプルかっこいいです。
2本目のエレキが「じゃじゃじゃーん」って低いとこに入ってきてから展開。
途中からベースは一番下のD。一気に2オクターブ下がります。
オープンハイハットも4分連打ではいってきて盛り上がる。
Aメロ入りは、コードとスネアの「ダッダッダッ」を波形編集で短くしてキレよくしている


Aメロ

前半部分、またベースは2オクターブ高いDを弾き続け、オンコードを使ってます。
そしてちょっとヤンキー感ある重いタムを「どんどこどんどこ」やってます。
非常にしぶかっこいいー。
ベースが高く、ハイハットは鳴らしていないため、周波数的に考えると超低音と超高音を抑えてる。この後の展開への前振り。

後半部分、ドラムはロックの基本パターンに。
ベースはドロップDに。
高音でなってる不思議な感じのパッドがかっこいい。
このパッド、高音の響きを華やかにしてるだけじゃなく、派形編集によってバッキング的な動きもしている(0:55~0:58)


Bメロ

「じゃじゃじゃじゃ」→うた→「じゃじゃじゃじゃ」→うた
の展開。
歌部分では、ギターは軽く触れて弾いてるような音。たしかこれをハーモニクスって言うんでしたっけ?たしかそー。
1:09にくるメロディに対するベースの答えは、非常に亀田さんっぽい!
というか東京事変っぽい。
ベースの高音で7thを弾きにいってます。チャレンジャー魂かんじます。

Bメロ後半、バスドラが4分打ちになって、サビにそなえてためてる。
それにしてもエレキギターという楽器はおそろしいです。
高いとこでコード弾いてるだけで、曲の厚みが一気に増します。かっこいいし。

サビへの転調に向けて最後にEのドッぺルドミナントであるB7を「じゃじゃ!」っとやってサビへ


サビ

ここでもうもちろん、全楽器がわいわいやります。
このAメロでは狭い周波数帯域で演奏をし(ハイハットおさえめ)
Bメロでリズムの変化をつけつつ少し帯域を広げ
サビで音程のレンジが、どばーっと開くかんじがJ-popのシングル曲の定番です。
と、最近買った本に書いてありました。

ギターはミュートなんぞせずに「でででで」って8分で弾きまくり。
ベースも8分でルート。テクニカルな亀田さんも、定型でおいしいとこは抑えてきます。
ドラムはロックパターンで、オープンハイハット4分連打。
クリスタルっぽいシンセは歌の答えをしたり、さりげなく高音で良い活躍。


和音進行

Aメロ (d-minor)
Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ

Bメロ (d-minor)
Ⅵ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅶ→Ⅳ
Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ→(Ⅱに行くための)Ⅴ

サビ (e-minor)
Ⅰ→Ⅵ→Ⅶ→Ⅳ
Ⅶ→Ⅳ→Ⅵ


Aメロは非常に基本的な145のかたち。
でも、1の時に上の音を細かく変えているため(オンコード)とてもかっこいいです。
あと気になるのは、7→4の動き。ドミナントコードからサブドミナントコードへの動きですがあまり違和感がありません。
なにかはじまる予感を感じさせられます。



Do as infinity。高校生くらいからすこし好きでした。
アルバムも1枚(中古で買ったのを1枚)持ってます。
あまりランキングの上の方に出てこないイメージでしたが、復活してからドラマとのタイアップもあって、ぐーんときたのでしょう。
プロデューサーの亀田さんも含めて、間違いなくトップアーティストでしょう。
今後もポップな曲に期待です。



http://www.youtube.com/watch?v=GKkC3OhnakY