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J-popの分析をする日記

音楽好きな人がJ-popの分析をしたりしてます。ボカロの曲作ったりもします。

過去ログ

セントエルモ

まだwikipediaにも載っていない新人バンド。Applicat spectra。
かわいらしいボーカルとギター、シンセが光るまさに今流行りそうなバンドって感じです。
ポップでたまに面白いコードがきて、色んな音を使ってる感じが好きです。これから売れてたくさんCD出すといいねー。
このボーカルの高次倍音の多い感じ(たぶん)と深めのリバーブがとてもいい感じにマッチしとります。好みは別れるかもしれませんが、僕はかなり好きな音です。
なんぞやのインタビューで「中途半端を突き詰めるのがコンセプト。」みたいなことを言っていて非常に好感を持ちました。
僕も似たようなものを目指してたりします。なんてー。


楽器構成


バスドラム
リリースの短いタイトな音。「ドン」っていう感じのしっかりした芯のある音って感じ。


スネア
バスドラに比べると地味な音、というか音量は控えめ。16分裏などの細かい刻みが印象的。


ハイハット
これもきんきんしない控えめな音。
ドラムセットは総じて、うるさくはないけどしっかりと気持ちいいアタックを聞かせてくれる音って感じがします。
コンプレッサーのかけ方が上手なおかげでしょうか。


エレキベース
減衰しない音。8分で弾く時のアタックが気持ちいい。べんべんした感じが。


エレキギター
クリーンな音。前奏とサビで大活躍ですが、Aメロのミュートなども見どころです。こういうさりげないのを作るのは難しい。うん。


アコースティックギター。
Aメロ後半でてれてれ16分でコードを弾いとります。あとサビ前のフレーズで符点8分のディレイかけてテクい感じに聞かせたり。


シンセ(ベル)
ただのアルペジオを薄めのディレイによって、お洒落フレーズに昇華させとります。


シンセ(サンプリングパッド1)
符点4分のディレイ(4回くらいで消える)の音によって、なんでもない前奏の2拍おきのフレーズが複雑におしゃれーになっとります。


シンセ(サンプリングパッド2)
こっちはパッドっぽいもわーんとした、地味ながらコードを支えてくれる仕事人。前奏で上のと一緒に流れとります。


シンセ(ループもの)
きらきらピコピコした高音のループ。前奏のバンドインから上でずっと流れとります。ライブでの再現は難しいだろうなぁ。



ききどころ


intro

サンプリングパッドという、バンドではあまりみない楽器ではじまります。
ふたつの音(コードとディレイのメロ)でシンプルなフレーズを叩いとりますが、とてもいい感じの雰囲気ですな。
バンドインしてからは、ドラムはバスドラ4つ打ち、スネアは16分裏を強調、ライドシンバルを8分裏で叩いていてテクニカルな雰囲気。
ベースはシンプルにルートを8分弾き。1回目の締めはオクターブまであがり、2回目の締めはスライドでおりてきます。
主役のエレキギターは非常に歯切れいい「じゃかじゃかっ!」のフレーズ。
何やら3つ目のサブドミナントのコード、かなり遠い音も弾いとりますなー。後述で詳しく。
Aメロいりはスネアとハイハットが消えて、ギターのパンを右!左!右!左!って振るこりゃまたナイスなブレイク。


Aメロ

バスドラは引き続き4つ打ち。スネアは後半から4拍目だけ登場。
ハイハットは裏を強調する8ビート。細かいですが1:05のオープンがナイスです。シンプルですが。
ベースは全音符のばし。後半から8分でルート弾き。ここのアタック感が非常に気持ちいいー。
シンセはディレイのベルでひたすらDのアルペジオ。たまに7thや9thの音を触ってくるとこがミソ。おしゃれです。
後半から入ってくるアコギは16分でひたすらコード。爽やか疾走感3割増しですな。
Aメロ~サビへの移り変わりでは、イントロのサンプリングパッドのリフ+ディレイをかけたアコギのリフを弾きつつドラムがとてもいい動きをしとります。
1,3拍目のバスドラと4分のリムと8分のハイハットのおとなしいフレーズを2小節やったのち、
バスドラ4分打ちをして、オープンハイハットを連打して盛り上がるという。
この4小節間のめまぐるしく変わるドラムフレーズ素晴らしいですねー。オープン連打の余韻だけを聞かせるブレイクは気持ちいいですな。


サビ

アウフタクトではいる「さかさまー」のメロ。まーのとこでバンドインします。
CMでも使いやすそうなサビですね。非常にインパクトがあって、CMでたくさん流れたらヒットチャートにものりそうですけどねー。
「さかさまー」の字ハモは上3度。でそのまま「まーーーー」ってのばし続けとります。これもまたリバーブと溶け合って気持ちいいですね。
他のとこの要所の字ハモは基本上3度。

ベースはひたすらルート弾き。
そういえば坂本龍一のスコラという番組で「音楽の3大要素、メロディ、ハーモニー、リズムと同じくらい大事なのはベース」
みたいな話をしてましたがそうなんだろうなぁ。ルートないと音楽物足りんもんなぁ。
僕は中学生の頃からメロディよりベースを聞こうとする生意気なやーつだったので、そういう思考回路です。
サビのベースは低いところでルートを提示してくれるとやっぱり聞きやすいですなー。

バスドラは4つ打ち。
1,3拍目の裏でオープンを、2,4拍目でスネアをたくさん叩く複雑なフレーズ。「っつーたたったっつーたたった」っていうかんじ。

そして2本のエレキギターが16分でコードを弾いとりますが、違うポジションで弾いてる、または違うコードを弾いてるため、面白い響きになっとります。
このリバーブの深いもやもやしたエレキギターがおしゃれーな世界観出してますな。7thとか9thとか弾いてるみたいですし。
最後はドラムのタム、スネア連打からのブレイク。



和音進行


intro D-major

Ⅰ Ⅲm Ⅳ Ⅴ

Ⅰ Ⅲm Ⅳsus4 Ⅳ Ⅲm Ⅲm7(3転)


Aメロ

Ⅰ7 Ⅲm6 Ⅳ9 Ⅲm6 Ⅴadd11,13


サビ

Ⅳ9 Ⅲm7 Ⅱm7 Ⅴ7 Ⅰ6

#Ⅳ7(-5) Ⅳ7 Ⅲm6 Ⅵm ♭Ⅵ ♭Ⅶ



分かりにくいコード

#Ⅳ7(-5)=トニック
♭Ⅵ=サブドミナントマイナー(準固有和音)
♭Ⅶ=サブドミナント


introとAメロはⅢを多用しつつ、テンションをたくさんのせつつ、とりあえずいいかんじです。
intro2回目のコード進行は一個ずつ上がってってⅣから一個ずつ降りてくる、「ダイアトニック並進行」。
定番みたいです。Ⅲ7(3転)とか、形は変形しとりますが。

サビのコード進行は美しいですなー。エレキギターは4小節間トップの音でAを弾き続けてます。Ⅳでは9th、Ⅲでは3rdにあたる音。
これがいいかんじ。
ポリコードによって偶発的に生まれたものだと思いますが、狙ってやってるのならば恐ろしいです。我らがはしごー先生には及びませんがなかなか。
そして2回目の入り前、Ⅰ6の6thの音Bを弾いておいて#Ⅳ7(-5)にスムーズに入ってます。(Bは#Ⅳ7の3rdの音)

#Ⅳm7(-5)は超おしゃれ和音。僕も最近知ったのですが、このコードは使えますよー。大好きです。
前回のBuddyのサビでも使われてましたな。あの曲はマイナーだったのでⅥm7(-5)。

最後の♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ(サブドミナントマイナー→サブドミナント→トニック)の流れもかなり近代的。おしゃれー。



ポップで気持ちいい音と、面白い和音の響きを聞かせてくれる2度おいしい感じのバンド。
2度おいしいというか組み合わさってより気持ちいいというか。
Applicat Spectra、応援しとります。ちなみにこの曲、1stシングル「セントエルモ」は本日発売です。

http://www.youtube.com/watch?v=zFQcpmhpy0k

Buddy

Itunes store シングルランキング49位。
坂本真綾さんで「Buddy」。
プロデューサーは東芝EMIの江口亮さん。
いきものがかりのアレンジとかしてます。ストリングスアレンジが得意なご様子。
坂本真綾さんは俳優、声優、ナレーター、歌手、いろいろやってる大御所。作曲家の菅野よう子さんと組むことが多いですな。
彼女の透き通った声のファンは多いようです。僕も好きです。

彼女の面白いテクニックとして、フレーズ終わりの息を注意深く聞いてみると分かりますが
休符の部分で息を吐く音を聞かせることでメロディのリズムのキレを出し、また感情がこもってるようにも聞こえさせてます。
ブレスも気持ちいいタイミングで聞かせてくれ(拍通りに)、曲を分かりやすくしてくれてます。
ブレスの音なんか曲の邪魔になる部分に感じちゃいますが、それさえも表現の手段として積極的に活用してるあたりはとても興味深いです。
とか勝手に思ってたりなんとかー。

アレンジのschool food punishmentは、僕が1番注目してるバンド。唯一CD買っとります。
gt&vo,bass,key,drの構成。全員ほんとにすばらしープレイヤーですが、特にキーボードの蓮尾さんはかなり前衛的な音を出してきます。
他のアーティストはyoutubeで聞いたり、ダウンロード購入したりしてますがsfpだけはCDで欲しいという謎の僕のこだわり。
一筋縄ではいかない和音進行、大量のシンセの音、積極的に使われるたくさんのエフェクト、今の時代だから生まれたバンドって感じです。
なんておおげさですかなー。とりあえず好きです。



楽器構成


バスドラム
低音がしっかりしててあっさりとした音。主張はそれほど強くないなかんじ。


スネア
残響音がほどよく残るいいかんじの音。ラ♭くらいの音


ハイハット
なんとハイハットがないという。びっくり。
シンセとピアノのギターのアタックで高音域のリズムを補ってるということでしょうか、それにしてもなかなかお目にかかれませんよ、これは。
サビ後半にライドシンバル、2番Bメロのオープンハイハット以外聞こえません。


エレキベース
サビなんか、ひたすらルート弾きに徹するかと思いきや、フレーズ終わりにかけ上がったり抜け目ないです。
8分弾きで細かく動くフレーズは見もの。
前奏ファドファ↑の連続はなかなか激しー。


ストリングス
基本オクターブユニゾンで、符点8分のリズムなんかで派手に跳躍してます。
前奏部分はスタッカートで符点8分のスタッカートでポリリズム。
特にイントロ→AやA→Bなどの移り変わりの時の派手な動きは盛り上がりに一役かっとります。


エレキギター(ディスト―ション)
イントロで一見この曲には合わなさそうな歪んだ音でアルペジオをしてます。
でもこれのおかげでスタート感が3割増しです。たぶん。
もしかしたらシンセにディスト―ションかけた音かもしれない。蓮尾さんならやりかねない。


エレキギター(クリーン)
Aメロでコードアルペジオ。右の方にさりげなくおります
サビでもさりげなく要所でアルペジオ。


アコースティックギター
音程は正直全然分かりませんが、爽やかなアタック感は強く感じます。
曲を通して、リズムを支えてる影の役者。


ピアノ
1番Aメロでは拍頭にコードを弾いてるだけですが、2小節かけてリバースしてます。
Bメロ前では、ひだりー、みぎーって感じの激しいリバース。ストリングスと上手くあってます。
あとはサビ前のグリッサンドとサビのさりげないアルペジオなどなど。


しゅわーんっていうシンセ
イントロの頭で活躍。アタックが後ろにきて音程が下がっていく音


右から左にてけてけって走っていくシンセ
Aメロ前半→後半のブレイクで活躍。倍音のきつい音。


かこーかこーって右、左でやるシンセ
Bメロで活躍。オクターブで動いてる。レゾナンスをきつくした音。たぶん。


右でてぃきてぃきめっちゃ速くなってるシンセ
サビで活躍。f-minorの11thにあたるB♭をひたすら16分で連打。
ハイハットが無い分、この音が細かいリズムを担う役割を果たしてると思われます。
sfpの曲でよく聞ける細かい音。


きんきんしたノイズ
なんともいえない音程も良く分からない、ポルタメントしまくるノイズ。
こういった邪魔な音(和音的に)がカッコよかったりするんですよねー。音楽ってふしぎー。



ききどころなど


intro


アコギとコーラスとベースで始まり、ストリングスが入ってきてクレッシェンドからのバンドイン。
コーラスは3度ハモリのhuー。
ディスト―ションギターとベースとストリングスがそれぞれ違うリズムでリフを弾き続ける複雑のポリリズム。
これだけ複雑なポリリズムを聞かせてからのブレイクはそりゃー気持ちいいね。
ストリングスの16分下降からのタムでAメロへ


Aメロ


F→Bという増4度の転調。なにー!ってかんじですな。増4度、減5度は一番遠い音程ですから。
偽終止的に長2度上のコードに解決して転調。(Ⅴ→Ⅵ)
「いま」「過去」「未来」ではそれぞれ3度下のハモリ。
タムとバスドラの複雑なリズムでたくさん低音を聞かせてくれます。
4拍目裏のフラムがいいかんじクールです。
べースはルートを全音符のばすだけのシンプルなかんじ。
ストリングスのフレーズは7th→3rd→13th→1stのテンションを触りにいくおしゃれーなやつ。
AメロラストでEmを弾き、半音下のE♭mに平行移動します。
この転調、なかなか複雑ですがストリングスの最後の2つの音、シーレーによってGのコードを明確にして分かりやすくしてます。
偽終止的に短3度下のコードに解決。(Ⅴ→Ⅲ)


Bメロ


ベースはでれでれ8分で細かい動き
ドラムは「どっどっだだどだ」のループ。
ストリングスはスタッカートと16分の細かい動きの組み合わせ。4度のハモリ
「針を無視して」に入る時の一瞬のブレイクは気持ちいいですねー。
僕も最近バンドをやり始めてこういうブレイクが気持ちいいことを知りました。
相変わらずストリングスはテンションの音を弾いたりコード構成音を弾いたり、おしゃれーな動き。
サビ前の「追い風と感情の向く方へ」ではバスドラムとタムの「どどどど」っていう音と、アコギの刻み、ベースのオクターブの動きがそれぞれ8分になって
すごい切迫感が出ております。あと3度下のハモリもいれてる。
その後に急に音が無くなって、シンセとピアノグリッサンドのフィルをやるもんだからそりゃー気持ちいいね。


サビ


ハモリは下3度と4度の組み合わせ。
ベースは基本8分でルート刻みしてますが、メロが無くなるところで上に遊びにくるかんじ。
ドラムは2拍目の裏裏までスネアをいれてくる攻めの姿勢。このテンポでこれはかなり大変そう。おかげでスピード感3割増しです。
サビ後半では8ビートに裏でライドシンバルをいれるシンプルなかたち。
ストリングスはメロが休みのとこで下降して一気にかけあがる主張強めの動き。
基本2分のロングトーンでテンションとか弾いとります。
あとかなり影が薄いですが、ピアノのアルペジオとギターのバッキングがコードを支えとります。


Dメロのシンセソロ


ストリングスとシンセのかけあいパート。
シンセはピッチベンドをかけたり、フィルターを使ったり激しく音色変化させてます。
もはや何をやってるか分かりませんが、色んなつまみを動かしまくっているんでしょう。
こういったことの出来るキーボーディストの人は素直に憧れます。すごいなぁ。




和音進行 


intro F-minor


 Ⅰm   Ⅶdim   Ⅴ9 ♭Ⅲ
 Ⅳm7 ♭Ⅲ(1転) ♭ⅥM7  Ⅴ7

 Ⅰm11 ⅠmM11# ♭Ⅲsus4
  =(onB ♭Ⅶsus4 )


Aメロ B-minor


 ⅠmM9 ♭Ⅲm9
 ⅠmM9 ♭Ⅲm9 ⅤM7 Ⅰ7(3転) Ⅳ(1転)
  =onE♭のⅠの半音上
    


Bメロ E♭-minor


 Ⅰm9 ⅢM7  ⅥM7 ⅤM7   →F-minor
  [  平行移動   ]

 ⅠM7 ♭ⅢM7 ♭ⅥM7 Ⅴ7


サビ  F-minor


 Ⅰm9   Ⅱm7(-5)  Ⅴ9  Ⅰm7
 Ⅵm7(-5) ♭ⅥM7     Ⅱm7(-5) Ⅴ7

 Ⅰm9 Ⅶdim  ♭Ⅵdim   Ⅰm7
 Ⅳm7 ♭Ⅲ(1転) ♭ⅥM7   Ⅶdim



分かりにくいコード(代理コード)

♭Ⅲ,Ⅵm7(-5)→トニック
♭Ⅵ,♭ⅥM7 →サブドミナント
Ⅶdim,    →ドミナント



これでもかと代理コードとディミニッシュを多用した構成。そしてクラシカルじゃない転調。
まさにブルーハーツとは真逆を目指した音楽ですな。和声的に。
特にⅠの代理の♭Ⅲ、Ⅳの代理の♭ⅥM7はかなりの頻度で使われとります。

Bメロみたいな同じ形のコードで動くやつを平行進行というらしいです。
主に短2度で使われるらしいですが、これは跳躍しまくるという稀な例。近代的です。

サビでは同じメロディのところで違うコードワークを使ってます。
1回目は1→2→5→1のシンプルなやつ、2回目はdimを多用したコードワークになってます。



使ってる音も和声も何から何まで密度の濃い作品です。スリーコードでシンプルな楽器構成のブルーハーツとかモンゴル800とは対照的。
でも、そういうスリーコード(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ)の歌の方がメッセージ性を強く感じたりするんですよねぇ。
音楽は面白いけど難しいもんですな。
sfp早くニューアルバム出さんかなー。今度の名古屋のライブは行く予定です。

http://www.youtube.com/watch?v=7wtJwmvwXRM

Limited addiction

AKB,ジャニーズ,K-popとボーカルユニットが量産されてるこの頃ですが
その中で僕をものすごくわくわくさせてるボーカルユニット「東京女子流」。
この曲「Limited addiction」前奏のドラム、ベース、ギターからどきどきさせられた曲です。
アイドルだからといってバカにできませんよ。いやほんと。

作曲、編曲、プロデューサーはRoyal mirrorball(松井寛)さん。
元DJらしい、いかしたグル―ヴを聞かせてくれます。



楽器構成


バスドラム
低音が充実した感じのタイトなバスドラ。

スネア
R&Bっぽいもちっとしたスネア。この曲に超あってると思います。

ハイハット
16分の細かい刻みと、気持ちいいタイミングでかましてくるオープンが最高にクールです。
クラッシュはおさえめのボリューム。
生っぽい音。

シンセベース
これだけで白飯がいけますくらいのかっこよさ。いかないけど。
Aメロでは休符を上手く使ったいいかんじのグルーヴ。
サビでは1拍目でルートを置きにきて、3,4拍目でデレデレ動いとります。
ちなみに僕が好きなフレーズはサビ直前の1:07~1:10と、サビ繰り返し時の1:16~1:17。
あとAメロのビブラートと随所でかましてくるスライドもいいですねー。
十分な低音といい具合の倍音があって(sin派っぽい気持ちよさをかんじます)リリースが速い音。

エレキギター(クリーン)
4拍子の曲に対し、3拍子のリフを繰り返すポリリズムをしてます。これによって曲が複雑におもしろくー。
とってもファンキーなリフ。たったら、のリズムでF#m→E→F#mの繰り返し。
Aメロ、サビではほぼアタックしか聞こえないさりげないカッティング。いいしごとしてます。

エレキギター(ディスト―ション)
Bメロでうすーく。
あと2番サビの後でいかにもな歪んだ音でがんがんソロ弾いとります。

ピアノ
ハウスっぽいかたい音。和音のアタックを充実させてくれてます。

エレキピアノ
リバーブとディレイの深くかかったお洒落音。要所で速いアルペジオ下降をお洒落にキメてきます。
リッジレーサー(レースゲーム)とかで使われてそうな使われ方。

うにょうにょしたシンセ
前奏でコード弾いとります。

ちょっと声っぽいシンセ
前奏でメロ弾いとります。
サビ後半でメロと平行してハモっとります。

ぴろぴろしながら下降するシンセ(ディレイ)
前奏やサビ後半でたまにきます。

タンバリン
前奏でしゃかしゃか。
あとサビの4拍目でさりげなく。



ききどころ


前奏、Aメロ

真ん中でなってるバスドラムとスネアと、広いレンジで細かく刻んでるハイハット。
単なるループじゃなく毎回違う16分裏を聞かせてくれるために、飽きがこないグル―ヴがうまれてる気がします。
Aメロのベースと組み合わさることによって、思わずあごと下腹でリズムをとってしまうような、より気持ちいいリズムに。
前奏からAメロに入るとギターの上の音が減ってボリュームも落ちますが、ノリを支えるいいしごとしてます。

ハモリはなかなか複雑。
最初の「あどけない」とか「やさしさが」とかは上3度。
「やられてく」「かんじょうを」はメロと平行して動かずラーラララーシ―の上4度、6度のハモリ。
Bメロいりの「ほしいだけ」は下4度のテクいハモリ。


Bメロ

10秒もないあっさりしたBメロ。ハモリは上3度。
でもギターがディスト―ションに変わったり、コードを華麗に弾いてくピアノ、
サビに向かってあらぶるベースとドラムなど聞きどころ満載です。
このBメロ3小節目(1:07~1:10)のベースとドラムの動きは圧巻です。激しーですな。
ベースはうねうねしてあがって、最後はスライドで降りる式。
ドラムは1拍表裏のスネア、2拍目のクラッシュ、3拍目のタム連打、4拍表裏のオープンと
この小節にどんだけつめこむんだ式。
最高です。
最後はコード符点8分連打からのピアノグリッサンド。


サビ

裏のオープンが入ったおかげで、にぎやかになっとります。
この「つっちつっちー」のディスコパターンとベースのいかした動きがいいかんじ。
あとファンキーなギターも戻ってきます。
うたの方は全員でユニゾン。上3度でシンセがハモっとります。
最後の方は上3度、4度、5度でいろいろ動くハモリ。
あと細かいですが1:26のボーカルの子の高音の抜き方がいいですねー。好きです。
音程のあたってない(子音で)このトラックを使ったエンジニアさん、プロデューサーさんもファインプレーだと思います。
サビ後半のにょにょーってしたシンセはボーカルを邪魔することなく、上手い具合に絡みあってます。



和音進行 F#-minor

前奏

[Ⅰm→Ⅰm7→Ⅰm6]→Ⅳ9→Ⅱm7(-5)→♭Ⅵm→Ⅴ
↑ベースラインクリシェ

Ⅱm7(-5)→-Ⅱ→Ⅰm7→Ⅴm→Ⅵ

Aメロ

Ⅰm→Ⅳm→Ⅴm


Bメロ

♭Ⅵm→♭Ⅶ→♭Ⅵm→Ⅴ

サビ

[Ⅰm→Ⅰm7→Ⅰm6]→Ⅳ9→Ⅱm7(-5)→Ⅴ
↑ベースラインクリシェ

Ⅰm7^1→Ⅱm→Ⅰm7→+Ⅵm→Ⅵ→Ⅴ


サビに出てくる+Ⅵmは旋律短音階の時に出てくる和音。
Ⅵの直前におくことで、きれいなベース進行をさせてます。
AメロとBメロは案外シンプルな進行。
前奏とサビはクリシェを使ったきれいなベースライン。1音ずつ下がっていってⅡ→Ⅴ→Ⅰ



前奏と間奏の長さからも、サウンドで勝負しようというガチ感なんか伝わってきて好きです。
アイドルポップでこの前奏と間奏の長さはなかなかないでしょー。
11.23発売の新曲「Liar」もyoutubeで先行試聴できます。3分間。こちらもとってもファンキーでかっこいいです。
こんなに質の良い音楽を無料でフルコーラス聞けるなんて良い時代になったもんです(半分嫌み)
何はともあれ僕はひそかに東京女子流、応援しております。


http://www.youtube.com/watch?v=X8VX6_mRABs&feature=BFa&list=SPE0D890BFBC4E136E&lf=list_related

ノルニル

やくしまるえつこメトロオーケストラで「ノルニル」。
itunes storeではまだ販売されてないようです。
やくしまるえつこと言えば、相対性理論で活躍してるボーカリストのイメージが強いですが、実はマルチな方です。
プロ―デューサー、CM音楽、楽曲提供などなど、若くして音楽業界を背負っております。
ポップな椎名林檎っていう、僕の勝手な印象。

よく、やくしまるえつこの音楽をニコニコ動画とかでみかけると、
「この素人感あふれる歌が好き」とか
「お金がかかってなさそうなサウンドがいい」とか
そんなコメントを見かけますが、僕は狙ってやってるんだと思います。買いかぶりすぎでしょうかー、どうでしょうね。
ただ今回は今までの相対性理論の、いい意味でぬるっとしたグル―ヴとは違い、かちかちした、より親しみやすいJ-popという印象です。
使ってる音はよくある音な気がしますが、コード進行とか「他のやつらとは違うぜ」という心意気を感じます。


とあるレコーディングエンジニアさんによると、やくしまるえつこさんは小さな声で話しても遠くまで聞こえるほど豊かな倍音成分があるそうな。
たしかに、言われてみるとしゃりしゃりしてますなー。高次倍音が豊かなんでしょう。
だから遠くでも何を言っているか判断できる、と。
僕はこういうウィスパーな歌い方、大好物です。何も聞くものが無い時にとりあえず流しときたいかんじ。
ササキトモコさんとかeufoniusさんとかホントに好きです。



楽器構成


バスドラム
アタックはあるが、あまり聞こえない音。
リバーブの浅いタイトな音。生っぽい。


スネア
よく聞こえる音。
この16分裏で叩かれるスネアのおかげで、疾走感あふれるグル―ヴが生まれてる。
これもあまり加工せずに、録音したままを使ったという印象。


ハイハット
右の方にいる。基本8分でひたすら叩いてる。
2拍裏、4拍裏でくるオープンのキレのよさがかっこいい。
クラッシュはむやみに多用しない方針。Aメロ終わりとサビに入る時、サビの最後だけです。
おかげでタイトなサウンドがよりひきしまっております。


エレキベース
これがまたかっこいいー。
低音成分が多くて、いる時の安心感がすごい。
Aメロでのメロとの絡みはとても面白いです。


ピアノ
イントロ、2番Aメロで大活躍
フレーズ終わりに飛び道具として使ったり、おしゃれーに弾いたり。


ストリングス(Vn,Va)
曲を通して高音で主張しまくってる。
イントロではビオラが低音を支えとります。
Aメロは低いところでキレイにハモってますですが、どんどんちょっとずつ上がってって、Aメロラストでは単旋律できーきーやっとります。


トロンボーン、トランペット
1:41~1:45とサビ後半の「ファーソーラー、ラー」だけ登場。
ここだけのレコーディングのために、2人雇ったのでしょうか。
ここらへんのサウンドへのこだわりもやくしまるえつこの魅力だと思います。うん。
僕だったら、せっかくだからここも吹いてもらおうよってなるもん。
こういうところでプロとアマチュアの違いが出ますな。


シンセベル
アタック感の弱い、リバーブ深めの音。
イントロ、Bメロで登場。



曲の流れ


intro

優雅でまったりした雰囲気。
ピアノの左手とヴィオラでベースを弾き、ピアノの右手がメロディを。
シンセべルが飾り付けの感じで2拍3拍でアルペジオ。
バイオリンは2拍3拍を2つのパートのハモリでのばし。
後半ではピアノのメロの休み部分で、シンセべルやバイオリンが答えたりしてます。
ほのぼのした3拍子。
Amに行くためのドミナント、Eのロングトーンをバイオリンでのばして
レミラレミ、という謎和音のコーラスもロングトーンでのばしてAメロへ
(ジャズっぽい4度の和音、ミラレの上と下に付け足したかんじの和音。たぶん)


Aメロ

さりげなく小さな音で16分裏でいれてるスネアが、いいグル―ヴを作ってます。
ストリングスは白玉でのばしつつ、コードチェンジの時にバイオリンだけ経過音をいれてくかんじ。
ベースの動きがとても面白い。
メロの「くるくる」に合わせたリズムで「ララミラ」と派手にオクターブ上まで跳躍する動きをしてます。
1回目前半の締めはピアノの和音F7連打。ストリングスがラシドレミーってかけあがる。
2回目からクリーンなエレキギターのアルペジオが登場。左の方におります。
なにげなく6th,7th,9thの音をいれてくることで、なんだか豪華になっとります。それも自然に使われてる感じがいいですねー。
ストリングスは1音ずつ階段であがってきます。
最終的にはかなり高い「ミーシーレーラー」の繰り返しでメロディ弾いとります。
ブラスも登場して盛り上がりは絶頂に。


Bメロ

盛り上がったところで急に落としてきます。
ベース、ドラムなんかが無くなり、シンセべルとストリングス、とディレイで「こっこっこっこっ」ってパーカッション的になってるやつだけになる。
ストリングスがまた少しずつあがっていって元の盛り上がりに持ってきます。
なんて便利な楽器なんだ、バイオリン。とりあえず1音ずつあげれば盛りあがります。な気がします。
サビ前のスネアの連打はさりげなくかっこいい。16分裏を強調することで、疾走感をだしてます。なるほどー。
この裏裏のスネアとか、意識しないと聞こえてない音でも、鼓膜は振動されてて気持ちよさがあるんですよね。こういうところがあるから音楽は面白いと思います。
そのスネア連打と、ストリングスがポルタメントで音程が落ちていってサビへ。
ポルタメントで降りていってサビへ入るのはなかなかお耳にかかれない気がします。斬新。


サビ

半音でのぼっていって「レーラーミー」をひたすら高音で繰り返すバイオリン。
と、その3度下からハモってくるコーラス「ファーミー」が盛り上げてます。
ベースはあいかわらずキレがよくて派手に動いてるけど、Aメロの休符を聞かせる感じとは違い、たくさん低音を聞かせてくれるかんじ。
ドラムのリズムパターンはロックでよくあるやつ。
右の方ではエレキギターのピアノがさりげなくコードを弾いてます。隙間を埋める影の役者。
途中からうすーく、ホントにうすーく3度下に字ハモをいれてます。さりげない。
最後の方では、ブラスとストリングスとコーラスが高音でロングトーンで伸ばし、これでもか!ってほど盛り上がってます。



和音進行 A-minor

Aメロ

Ⅰm→♭ⅥM7→Ⅴm→Ⅰm→♭Ⅶ→Ⅵ
Ⅰm→♭ⅥM7→Ⅴm→Ⅰm→♭Ⅶ7→♭Ⅲ→Ⅳm→Ⅴ


Bメロ

Ⅰ→♭Ⅱ7=D-minorの♭Ⅵ7→♭Ⅶ


サビ D-minor

Ⅰ→♭Ⅶ→♭Ⅵ→Ⅴ
Ⅳm→Ⅴm→Ⅳm→Ⅴm→Ⅳm→Ⅴm
♭Ⅵ→♭Ⅶ


Bメロ途中で下属調のD-minorに転調。A-minorでもD-minorでも解釈出来る鮮やかなコード進行の転調。
サビでは同じメロディで違うコード進行が使われてる。
サビ冒頭のメロの「ラファラファ~」は5th,3thだけど、Ⅳmになってからは9th,7thで解釈が変わる。
同じメロをやりつつ新たな展開を聞かせる、とてもいい例だと思う。


この曲、初めて聞いた時は「なんだか複雑そうな曲だなー」と思ってましたが、案の定テンションコードが多かったり展開の仕方が斬新だったり
やっぱり複雑な曲でした。
ただ、盛り上がるところでストリングスが上がるとか、疾走感を出すために裏拍のドラムを強調したとか、他のJ-popでもよくやることも見受けられました。

この分析のために何十、何百回と聞いてますが、何回聞いてもこの世界観と情報量の多さに圧倒されます。
彼女、ライブでは全くMCをしないそうな。あと歌う時全く動かないし表情も変えないそうな。
やくしまるさん、楽しいですよー。LOVEずっきゅんが有名ですが、僕はねこめしとミス・パラレルワールドが好きです。なんとなくおすすめしてみる。

http://www.youtube.com/watch?v=Vk_KkbBpTb0





strong

本日itunes storeシングルランキング14位
Miyavi vs krevaの「strong」。

Miyaviさんは高校を自主退学し、その後ギター一本で生きてきたロックな男。
klevaさんはkick the can crewで有名になったMC。
日本のヒップホップのトラックメイカ―と言えば彼なそうな。
ちなみにこのコラボ、亀田さんの差し金らしいです。亀田さんヒットチャートに登場しすぎです。

楽器構成

ギター
ギターのスラップ弾きなんて初めてみました。
Gm7、Cだけなのになぜか超かっこいいという。すごー。
おかげでベースが無くても音楽が成立するっていう斬新なかんじ。

バスドラム
Aではスネアの直後など、スピード感を出すために細かいところで踏んでる。
B、サビでは4つ打ち。
生音。

スネアドラム
レーっていう音程がはっきりしてる。
常に2拍4拍をたたく。リズムの中核。
生音。

ハイハット
オープンを8分裏で叩くパターンが目立つ。
ディスコパターン。


たくさん楽器を使ってなんぼの今、ギターとドラムだけでこんなにカッコ良い音楽が出来るなんてびっくりです。
そう感じるのも僕がゆとりだからでしょう。うん。
一流のプレイヤーは違うなぁ。


intro
ギターのリフだけからはじまる。
Gm→Cのギターにオープンハイハットをかぶせて、スタート感を演出。
やかんがわいたみたいなノイズをいれて盛り上がる。
それにしてもkrevaさんのラップは上手いなぁ。0:17の、8分3連符で「let's go」っていうのがスピード感がでてとてもいいと思います。
その「れつごっ、っは!」に被せながらスネアの連打でAメロへ。


Aメロ
ギターのコードGm7,Gmと、ドラムの「どったっっどったどっ」のループだけなのに気持ちいい。ふたつの楽器だけなのに。
これぞループミュージックの真髄、みたいなのを見せてくれます。
krevaさんのラップのリズムの面白さも、同じループを飽きさせない理由のひとつでしょう。
ギターのノイズを16分で連打して、Bメロへ

Bメロ
ラップと絡み合うようなギターリフ。
ドラムは分かりやすい8ビートに。

サビ
ギターのコードじゃーんとともに、Krevaさんが叫ぶ。
そして冒頭のリフとラップ、の繰り返し。
2番に入る時のハーモニクス。こんなカッコいいハーモニクスは初めてです。
今のところの僕のベストオブハーモニクスはこの曲ですな。暫定。


たまに波形編集でギターをいじって、ノイズっぽいのが入ったり16分で刻んできたり。
ループの中にもアクセントをいれてきてリスナーに飽きさせない心意気がみてとれます。


和音進行 G-minor

intro
Ⅰ→Ⅳ

Aメロ
Ⅰ→Ⅳ

Bメロ


サビ
Ⅰ→Ⅳ


ベース音で考えていくと、こんな単純なかんじ。
こんな単純な和音でも弾き方とか、7thいれたりとかいろいろするとこんなにもかっこよくなるものかーと感心です。
やっぱりギターってすごい楽器だ。


このPVかっこいいなー。たくさんカメラを置くっていう単純な仕掛けですが、シンプルかっこいいです。
MiyaviさんもKrevaさんもいかしとります。
Hip-Hopの人とロックの人のコラボですが、やっぱりこういうの面白いと思います。




http://www.youtube.com/watch?v=8iptwSaqTK0