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J-popの分析をする日記

音楽好きな人がJ-popの分析をしたりしてます。ボカロの曲作ったりもします。

にんじゃりばんばん/きゃりーぱみゅぱみゅ

にんじゃりばんばん key=F-minor
http://www.youtube.com/watch?v=teMdjJ3w9iM

<形式>
intro→サビ→間奏→Aメロ→サビ→間奏→Aメロ→サビ→間奏→サビ

intro,間奏
C7

Ⅴ7

C,Db,F,G,Abの都節音階を使ったフレーズ。


サビ
DbM7 Bbm7 Cm7 Fm7 Eb
DbM7 Bbm7 Cm7 Fm7 :|

bⅥM7 Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅰm7 Ⅴ
bⅥM7 Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅰm7


わりとシンプルな進行。
よく見るのは6751の形ですけども。ここは7が4になってます。
どうもヤスタカさんはドミナントよりもサブドミナントを多用する傾向がある気がします。


Aメロ(1番)
DbM7 Cm7 Bbm7 Fm7 
DbM7 Cm7 Bbm7 Cm7 Fsus4 Fm

ⅥM7 Ⅴm7 Ⅳm7 Ⅰm7
ⅥM7 Ⅴm7 Ⅳm7 Ⅴm7 Ⅰsus4 Ⅰm


6,5,4とLOVIN'YOUを彷彿とさせる平行移動のコード進行。
ここはやっぱりCm7のとこが気になります。「なな」いーろーのとこ。
9thを解決無しの動きで使ってるためか、急にふわっとした印象になってます。
ヤスタカの作るメロディにはテンションがたくさん出てきますけど、ここにヤスタカさんっぽさがあるのかもしれませんな。



Aメロ(2番)
Bbm7 AbM7 GbM7 Fm7
DbM7 Cm7  DbM7 Cm7 Fm7

ⅣM7 bⅢm ⅡM7 Ⅰm7
ⅥM7 Ⅴm7 ⅥM7 Ⅴm7 Ⅰm7


これもヤスタカさんお馴染みの1番と2番でコード進行を変える方式。
前半部分でベースを2度下げてます。
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朧村正 雪月風花・吽

最近のゲーム音楽ランキングで上位に入ってた曲。「雪月風花・吽」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17918064

僕も朧村正、最後までやりましたが、やっぱり音楽がすばらしー。
崎元さん、オーケストラの曲しか書かないと思ってたんですが、和の曲も得意みたいです。
やっぱりできる人はなんでも書けるんだなぁ。


この曲は、道中で戦闘になった時に流れる曲。たしか駿河で流れるんじゃなかったかな。
1:11からの展開はとにかく鳥肌ものです。
超かっこいい。
でもこんなベース弾けないよ!っていうw
特に1:22~1:23!ここの転換は激アツですよ~。
琴の降りてくるフレーズがこれまたかっこいい。


<楽器構成から考察>

何が日本っぽさを出してるのか、考えながら聞いてみると、どうやら音階ではなく楽器構成に秘密がありそうです。
てんてけてんてけってEを弾き続けてる三味線。
右の方でループしてる鐘の音。反対側の左には同じような仕事をしてるオープンハイハットがいますね。
あと、右の方にいる倍音が少ない笛の音。
これらの音が日本っぽさを出してると思われます。


他の楽器は、第1バイオリンと笛2本がメロディ。
第2バイオリン、ビオラ、チェロがコード。
琴が味付け。みたいな役割分担っぽいです。
ドラムはメタルに使われそうな、はっきりした音。スネアにはたくさんリバーブがかかってるみたいです。
ベースは低音が充実した音。アタックはあまり強調されてない。


<コード進行から考察>

前半はコードチェンジをあまりせず、後半は目まぐるしくコードが変わっていく曲みたいですね。
0:00~0:25はEmでごりおし。
0:26で初めてⅥの和音、Cが出てきますがそれでもCとEmを繰り返すだけの落ち着いた進行。
でも25秒間Emを聞かされてたおかげで、Cが出てきたときドラマチックに聞こえますよね。
やっぱり音楽は緩急がだいじなんだな~と思わされます。
コードではなく、ベースラインだけに注目して聞いてみると、めっちゃ自由に動いてるのが分かります。
君、ルートはいいの!?って言いたくなるほど。でもカッコいい。


0:49からはちょっと雰囲気が変わりますね。
ベースラインがドーシ―ラーソーファ#ー、って一音ずつ降りていく展開。
バッハのG線上のアリアを彷彿とさせる、オクターブを行き来するベースライン。
最後F#っていう予想外のとこに着地してます。浮遊感があっていいですね!


0:59からはB♭→Amっていう裏コードからⅣの和音進行。
いきなりB♭っていう耳慣れないコードが来るもんですから、不安定な感じがしますね。
でもAmに対する裏コードということで、順当な接続になっとります。つなぎに違和感はありません。
そしてバスドラム連打。どっどっどっど。


そして1:11!
もう定番中の定番。ベースが1音ずつ降りていく展開。
ただ、ベースの速いフレーズのおかげか、斬新なフレーズに聞こえます。カッコいい!
そしてなんといってもメロディがめっちゃキレイですね。
ベースがDを弾いてるのに対してメロディはEのロングトーンをやったり、5度の跳躍をちょこちょこ挟んできたり。
さりげなくカッコいいのやってきます。
洗練されたメロディを書くのって、すごい難しいんですよね。いやはや、このメロディはすごい。めちゃカッコいい。


1:23のサビ2回目からは、ベースが半音で下る展開になります。
もっと哀愁漂うかんじになりました。うーん、泣ける。
三味線も入ってきて盛り上がってます。


やー、カッコいい曲ですね。
聞けば聞くほど練って作られてるのが分かります。
ドラムのリズムパターンとか、メロディの楽器の選択とか。
一流の人が作った音楽ってかんじです。うん。

ジムノぺディ 第1番/サティ 

youtube→http://www.youtube.com/watch?v=3439BgooWmQ

いいですよね~。癒しの定番。
最近は映画館でも流れてますね。アコギバージョンで。

コード進行はお洒落だけど、シンプル!
GM7→DM7→GM7→DM7
メジャーセブンスのⅠとⅤを連結させただけです。
ただ、DM7で弾かれるC#が非常においしい。
普通の進行だったらD7で7thはCになるわけですが、ここではメジャーセブンス。
独特の浮遊感とお洒落感がありますよね。
また、同じ種類のコードを平行移動すると、現代っぽいニュアンスが出ます。ハウスとかでよくあるもんね。
sus4系分数コードなんかを平行移動だけでつなげたりすると、ひじょーにニュース番組っぽくなりますw
無印良品とかが好きな人は、sus4系分数コードきっと好きだと思います。無機質でお洒落な感じするから。

ドミナントをメジャーセブンス化したらこんな名曲に。
CをC#にしただけにこんなにお洒落に。
コードの選択はとっても奥が深いなぁと思わされる1曲であります。

あいつこそがテニスの王子様 真面目に分析

テニスの王子様のミュージカル、通称テニミュで一番の人気曲「あいつこそがテニスの王子様」。
ニコニコ動画では500万再生を超え、カラオケでもよく歌われてる曲です。
そんな有名曲を真面目に分析。

ニコニコ http://www.nicovideo.jp/watch/sm1857897
youtube http://www.youtube.com/watch?v=ER0c0uzlglU


intro→A→間奏1→A→間奏2→B→間奏1→C→
間奏3→D→間奏2→C→間奏3→間奏4→
E→F→間奏5→G

構成はこんなかんじ。
多すぎて分かりにくいですねw


intro(0:00~0:12)
Am G/A F/A Am
Am G/B C D

冒頭、ベースは保留して和音がひとつずつ降りる、定番の形。
後半のベースが一音ずつ上がる展開は、盛り上がりを感じさせます。
メロディは前半はピアノ、後半はブラス。
バスドラムはアタック強め、リバーブ深め。ベースは打ち込みっぽいシンプルな音。
ゆるやかな感じから始まり、バスドラ4つ打ちになる展開は盛り上がりますな。



A(0:12~1:05,1:20~1:46) 青学メンバーのうた
Am F G Em
F G Am F G
Am F G Em
F G D F G

ダイアトニックをつなげたシンプルな展開ですが、2回目に出てくるDがおいしい。
Fisはこれまでのスケール感とは違った音なので(旋律短音階orドリア旋法の音)面白い響きがします。
ここで初登場するスネアはリバーブが深め。
リズムパターンはオープンハイハットを8分で叩くシンプルなロックの形。
メロディをなぞるブラス、裏メロを弾いてるリバーブ深めのピアノが良い仕事してます。
コードはディスト―ションギターのパワーコード。
コードチェンジをたまに食い気味にして、スピード感を出してるみたいです。



間奏1(1:05~1:20,2:12~2:28)
Am F G

バスドラ4つ打ち、ベース、ギターは8分刻みで力をためてるかんじ。
メロディはピアノのアルペジオ。たまにギターがユニゾンしたり。



間奏2(1:46~1:55,4:39~4:49)
Am G/B C D Esus4 E

メロディはブラス。
前の流れを踏まえたシンプルな展開。最後はsus4からの解決でアーメン終止。



B(1:55~2:12) スーパーイケメンタイム
F G Am G F G
F G Am G F Esus4 E

ここで初めて、最初の和音にⅥがきました。J-pop好きにはサビっぽく聞こえます。
バスドラとライドシンバルだけになって、急に落ち着きます。
ベースとギターも2分音符単位の長いフレーズ。
裏メロはストリングス。
ブラスが入ってからはバスドラと一緒にリズムのキメがあります。
ここも最後はブラスがアーメン。



C(2:28~3:06,4:49~5:27) スーパー店長タイム
F G Dm F G
F G Dm F G
Am C F G
Am C F G
Am Am
F G Am F G A

前半はバスドラ4つ打ち。ハイハットはクローズで8ビート。
キメではメロディ、ブラスと一緒にリズムを合わせてます。
あと、地味にアルペジオのシンセ音がここで初登場。
後半ではシンプルなロックのパターン。
ストリングスとブラスがメロディのユニゾンをして、ちょっとずつ勢いが出てきます。
そして最後の「テニース!」のとこはピカルディ!(同主調のⅠの和音)
気持ちいいです。



間奏3(3:06~3:38,5:27~5:50)
Am Cm Am Am
Dm

カッティングギターが入って少しファンクなかんじに。
ベースも今までにないかんじの動きです。
メロディはピアノのアルペジオ。
2つめのコード「Cm」はスケール外のコード。マイナーの響きで、リョーマくんピンチの状況が感じれますな。
Dmのキメの後「E-minor」へと転調。



D(3:38~4:39) 下剋上のテーマ
Em F# B Em F# B
Em A Em B
E F# Am Cm Em

華麗にE-minorへと転調しました。属調だから転調しやすいのかな。
そしてティンパニが入りました。悪役のテーマで低音を増やすのは定番ですな。
F#はドッペルドミナント。それ以外は分かりやすいダイアトニックの連結。
うたの休み中に入るブラスとピアノのオブリが素敵です!
あと、一番最後のCmが面白いですね。(4:34~4:35)
ブルーススケールから派生したコードだと思いますが、急に黒くなる感じがして面白いです。



間奏4(5:50~5:59) 
Am G/A F/A G/A C#

短3度下の調、F#-minorにつなげるために追加された部分。
この調への転調も割とつながりやすいみたいですね。(ラベルのボレロとかショパンの英雄ポロネーズとかである)
はんば強引にC#に行ってますが、今まで無かった強引さが面白いです。
ドミナントモーションで「F#-minor」へ転調。



E(5:59~6:39) 奴隷人生のテーマ
F#m D E F#m D E
F#m D E F#m D E F#m
D E C#m F#m
D E C#
D E C#

F#-minorになりました。
前半は近くの和音でのシンプルな連結。後半はJ-pop王道進行。
スネアが3拍目だけになり、急に落ち着いた印象に。
後半から元に戻ってスピード感が出ます。
ブラスやストリングスが無い代わりにピアノとギターの音量が上がってる気がします。



F(6:39~6:58) お前はまさしくん
F#m D E C#
F#m D E C#
D E F#

Cの後半をF#-minorに移調したやーつ。
最後はピカルディで決めてきます。



間奏5(6:58~7:23)
Am
Am G/B C D E

何事も無かったように元の調、A-minorに着地。
ブラスのメロディ。



G(7:23~7:43) フィナーレ
F G
F G Am
F G A

メロディをブラスとストリングスでユニゾン。
オブリを入れた合唱が、フィナーレにふさわしい盛り上がりですな。
そして最後はおなじみのピカルディ終止。



この曲長い!w
歌詞を当てはめて作ることを考えると、莫大な労力があったんだなーと僕みたいなぺーぺーでも分かります。
負けそうになるとマイナーコードが増えたり、敵のテーマになると低音が増えたり、色んなテクニックが垣間見えます。
いやー、プロの作曲家、編曲家の方はすごいなーと思うばかりです。


777/AAA

歌って踊れる7人グループ。AAA。
youtubeでライブ映像を見ると分かりますが、ダンスも歌もハイクオリティです。ライブはそれはもー盛り上がるでしょう。
そんなAAAの新曲「777」。8月1週のオリコンチャート、4位の曲です。
最近は僕の近所のコンビニでも流れてます。

夏っぽい元気な曲で、サウンドのクオリティはものすごい高いです。
めまぐるしい転調による展開、エロいベースのフレーズ、などなど聞きどころ満載です
楽器構成、メロディ、コード進行の3つの視点から細かく分析していきます。


------①楽器構成------

バスドラム
60Hz付近が強調されたかんじの太い音色。
4kHzあたりのアタック感もほどよく気持ちいいです。
イントロ、Bメロ、サビはシンプルでノリやすい4つ打ち。
Aメロでは裏16分を使ったスピード感あるフレーズを叩いています。


スネアドラム
2~4kHzのヘッドにスティックが当たるアタックが強調されている印象。
Aメロで聞くと分かりやすいですが、意外とリバーブもかかっています。
2,4拍目を基本叩いてます。
フィルは少ない手数でシンコペーションを強調する、渋かっこいいものが多い。


クラップ
サビでメロディの合いの手として「ぱんぱんっ」とやってます。
こういう分かりやすい合いの手はいいですよね。ライブでも盛り上がりそうな感じです。


ハイハット
右側の前の方にいます。
タイトでボリューム控えめ。地味に裏を叩き続け、地味に聞き手を気持ち良くさせている仕事人。
この手のジャンルだと裏はオープンハイハットにすることが多いと思うのですが、この曲はクローズ。
おそらく2kHz以上の高音域を、後述するシンセべル、ブラスのために空けておいたためだと思われます。
あんまり同じ音域の楽器を増やすとごちゃごちゃして、それぞれの良さを消しあっちゃいますから。
Aメロでよく聞くと、16ビートで演奏してるのが分かりますね。
裏8分以外はほぼ聞き取れないほどの小さい音で演奏されていますが。


クラッシュシンバル
これもボリュームは控えめ。ピッチは高めでリリースは長め。
8kHzあたりのきらびやかさがある印象。


しゅいーっていう風っぽい音
リバースシンバル的に使われています。
フレーズの切れ目を聞き手に予感させるというリバースシンバルの仕事を担いつつ、夏っぽさの演出もしています。
編曲者の手腕が伝わってきますな。


宇宙っぽいキラキラしながら下降する音
イントロで流れています。たのしげな雰囲気が演出されてます。
これも編曲者のナイスなセンスによってつけくわえられたものでしょう。


エレキベース
指弾きのうねうねした、ファンキーなベース。
100Hz付近が充実してる印象。
ドラムパターンがシンプルな分、このベースが動きまくって気持ちいいグルーヴを作っています。
イントロはオクターブのディスコパターン。分かりやすく盛り上がれます。
Aメロの動きはシンコペーションを強調したもので、かなり面白いです。聞きどころ!


エレキピアノ
Aメロで登場。目立たないですが、左側にいます。
カッティングギターのようなフレーズで16分をリズミカルに刻みながら、コードを弾いてます。
右側にいるハイハットに対応する立ち位置。


ピアノ
ちょい右側にいます。
Aメロのリズム、コードの中核を担ってます。
ダンスミュージックっぽい、低域はカットした音色。


ブラスセクション
この曲の楽しげな雰囲気を倍増させる仕事をしてます。やや右のほう。
イントロではメロディの合いの手役。
Bメロでは低い音域でコードをバッキング。
サビではメロの邪魔をしない程度に動きつつ、コードを支えています。


シンセべル
Bメロ後半、サビで登場。
頭拍で高い音を鳴らして、曲全体をきらびやかにしてます。


ストリングス
イントロ後半ではスタッカートでトップノートを。
Bメロ前半ではロングトーンでメロディにユニゾンする動き。
サビではシンセべルにユニゾンして高音を伸ばしてます。
曲の音域のレンジを広げたいときに出てくる、J-popストリングス定番の仕事をしてます。



この曲で注目したいのは、バスドラムの音色、ベースのフレーズ、ブラスのフレーズ、でしょうか。
特にブラスはメロディに対してのオブリに使うだけでなく、コードを支える仕事も積極的にしています。
ブラスがたくさんパッパラ~と吹きまくってるので、曲全体も楽しい雰囲気になってますね。



------②メロディ------


気になるところだけちょっと見ていきます。


intro

Shll we sing a song?
Show me! Clap your hands!
NaNaNaNaNa
→A,B,D,E,F#

4拍子の曲に対して3拍のフレーズを繰り返す、ポリリズムを使ったメロディ。
2度、3度だけで上がり続けるシンプルで盛り上がるメロ。
最後に到達するF#は最初のコード、Emにおいて9thの音で少しお洒落なかんじ。

女声のメロディ→男声のラップ
の応答を繰り返す展開。
後半は3度上のハモリも増える。


Aメロ

やらなきゃいけない事なら→B,D,B,D,E,F#,F#,E,C#,B,A
無理してもこなすくせに →A,C#,A,C#,D,E,E,D,C#,E,D
本当にしたい事はいつも →B,D,B,D,E,F#,F#,E,D,C#,D,E,F#
後回しのBoy-friend →A,D,E,F#,G,F#,E,D

8分裏からためて入り、後半ではシンコペーションをしている。
音の高さはうねうねしながら上がり、また下がる山の形。
1回目で提示、2回目は2度下で同じことを繰り返し、3回目で1回目と同じことをし、4回目でオチをつける、聞きやすい定番の形。

前半は男声のソロ、後半は女声による上3度のハモリも加わる。


Bメロ前半

風が吹き抜けてく 少しの距離さえ→F#,D,A,Bb,Bb,D,A,G,F# F#,G,F#,E,F#,E,D,D
(close to your heart) →A,G,A,F#
もどかしく感じる程 溢れる想い →F#,D,A,Bb,Bb,D,A,G,F# F#,G,A,D,E,F#,D
(stay with me) →F#,G,A

1拍休んで拍頭のフレーズが続き、途中からシンコペーションを使っている。
下へ4度、上へ5度と跳躍が激しいフレーズ。印象深い。
合いの手の英語のフレーズは拍頭で伸ばすシンプルなフレーズ。メロディで伸ばしている音に対してハモる音をつかっている。
後半を少し変えた同じようなメロディをもう一回繰り返す。

女声によるハモリは全て下3度。


Bメロ後半

モノクロのまま見過ごした景色→B,B,C#,D,E,F#,A,A A,G,F#,G,F#,D,D
すべてがここから輝きだすよ →B,B,C#,D,D,F#,G,A A,G,F,G,G,A,F#
(Light up your day!)    →E,D#,E,F#

16分の細かいリズムを使ったスピード感のあるメロディ。
下6度、オクターブの動きは歌うのになかなか難しい。
音域はどんどん上がっていって、サビを予感させている。

男声によるハモリは下5度で最後だけ下6度。
5度のハモリを連続させることはクラシックの世界では禁則とされていますが、最近のポップスでは使うようになってきたみたいです。
サビ前ということで、今までと少し違った響きが欲しかったのでしょう。
連続5度は、使うにしても効果的に使うことが求められそうです。


サビ前半

We can sing a song! 太陽浴びて    →B,E,F#,G#,B,B,E,F#,G#,C#,B
一つになろう あの空にClap your hands!→B,E,F#,G#,B,B,E,F#,G#,C#,B,A,G#

イントロのフレーズを思い出させるようなポリリズムのフレーズ。
5度、4度の跳躍も出てきて、サビっぽい盛り上がりがあります。
同じフレーズを2回繰り返しとります。


サビ後半

どんな未来だって どんな希望だって→B,B,B,E,F#,G#, B,B,B,E,F#,G
笑顔で必ず 色付くものさ     →A,G#,E,C#,B,C#,E,G#,A,G#,E,C#,G#,F#

さらにフレーズを細かく、1小節のフレーズを2回繰り返してます。
最後のフレーズはシンコペーション無しの8分で刻むフレーズ。
今までがシンコペーション多めだったために、対比されてより目立つようになってます。良いキメですな。
音はメジャー・ペンタトニック・スケールを単純にたどったものになってます。



こうやって見ていくと、フレーズを意識して作られていることがよく分かります。
作ったフレーズを繰り返したり、2度ずらして繰り返したり、少しだけ変えてみたり。
そういう工夫がポップな音楽を作るポイントみたいですね。



------③コード進行------

key: E-minor(intro,Aメロ)⇒D-major(Bメロ)⇒E-major(サビ)

上段はコードネーム、下段はおおまかなディグリーネーム。
セカンダリードミナントは、Ⅴ→○で表記。
展開系は、1転→^1 2転→^2で表記。


intro (E-minor)

Em7(9) GonA    D  Bm  Fm
Ⅰm   Ⅴ→bⅦ bⅦ Ⅴm   bⅡ

Em7(9) GonA    D   Bsus4  B Fm :|
Ⅰm   Ⅴ→bⅦ bⅦ Ⅴ    ⅤbⅡ :|

2つ目のコード、GonAはsus4系分数コード。
導音を省いたドミナントで、おしゃれ~にbⅦへと導くコードです。
ポップスの世界で売れる曲を作るには、曲が始まって2つ目のコードが重要らしく
ここで「おおっ、なんか面白いね」と思わせたら勝ちだそうです。どっかの本で読みました~。
もちろんダイアトニックを中心としたシンプルな進行だけで展開した方が気持ちいい曲、ジャンルはたくさんありますから
一概には「2つ目にお洒落和音を置くべき」とは言えません。
ただ、曲を作る際に1つの重要なポイントになりそうです。

4つ目のコード、Bmは自然短音階上にあらわれるⅤのコード。
おそらくメロディ(ラップ)をDの音で持続させたいがために、このコードを使ってるんだと思います。(コードBを使うとDとD#がぶつかる)

5つ目のコード、Fmは裏コードが変形したもの。
裏コードは「行きたい和音の半音上をルートとするセブンス系のコードのこと」ですが、ここではマイナー化してます。
行き先もマイナーコードなので、平行に和音が動くダンスミュージック的な気持ちよさがあります。


Aメロ前半

Em7(9)  GonA   F#m7 Bsus4 Bm  Fm
Ⅰm   Ⅴ→bⅦ  Ⅱ   Ⅴ   Ⅴm bⅡ

Em7(9)  GonA   DM7 Bsus4 B7(b9) B7
Ⅰm    Ⅴ→bⅦ  bⅦ  Ⅴ   Ⅴ   Ⅴ

イントロにも出てきたようにGonAはDに向かうためのコードですが、1回目では聞き手の期待を裏切るように偽終止しています。(Ⅴ→Ⅲのニュアンス)
2回目は順当に接続。1回目で影を作ることで気持ちのいい対比が出来ています。


Aメロ後半

Em7(9) GonA    F#m7 Bsus4 Bm  
Ⅰm   Ⅴ→bⅦ  Ⅱ  Ⅴ   Ⅴm
 
Em7(9) GonA
Ⅰm   Ⅴ→bⅦ

1回目は8小節あったのに対し、2回目は6小節になってます。
少し前のめりにBメロへ入る展開。
最後のコードGonAはDへ向かうドミナント。その機能を使ってそのままBメロではD-majorに転調します。
E-minorとD-majorは「属調の平行調」の関係。
調号は#が1つ増えるだけで、楽譜上はたいした転調ではないようにも見えますが、主音が長2度動く転調はなかなか聞きなじみが無く、テクい転調です。
効果的な転調ですがなかなか自分で作ると難しい進行なので、作り手さんにとって良い参考になると思います。


Bメロ前半 (D-major)

D    Gm     D   Gm
Ⅰ   Ⅳm   Ⅰ  Ⅳm

D    Gm   Bm   A   G   Gm
Ⅰ   Ⅳm  Ⅵ   Ⅴ  Ⅳ  Ⅳm

D-majorに転調したようですが、D-minorからの借用和音Ⅳmをつかっているため、あまり明るい印象では無いですね。
この若干薄暗い雰囲気は、サビをより華やかに聞かせるための布石にもなっています。
Ⅳm以外はダイアトニックコードを使った順当な接続。


Bメロ後半

Em7 F#m7 GM7 F#m7
Ⅱ   Ⅲ  Ⅳ  Ⅲ

Em7 F#m7   Gm7   BbonC Dsus4 D
Ⅱ   Ⅲ   Ⅱ→Ⅲ Ⅴ→Ⅲ Ⅰ   Ⅰ 

Bsus4   B
Ⅴ→Ⅱ  Ⅴ→Ⅱ

コードが1つずつずれていく展開。じりじりと盛り上がっていく予感がします。
Gm7→BbonC→Dは、F-majorのⅡ→Ⅴ→Ⅵ。
起点が今まで使ってきたGm、着地点がD-majorのⅠなのでスムーズにつながってます。
不思議な印象のあるツー・ファイブですが、強引な感じはしません。芸術的。
Ⅰに落ち着いた後は、普通にE-majorのⅤ、Bを置いて転調。


サビ前半 (E-major)

E   D#m7-5 B Cdim
Ⅰ  Ⅱ→Ⅵ Ⅴ pass

C#m  Bm7 E
Ⅵ   Ⅴm Ⅰ

AM7 G#m7  C#m7
Ⅳ   Ⅲ   Ⅵ

F#m7 EonG# A Bsus4 B
Ⅱ   Ⅰ^1  ⅣⅤ   Ⅴ

2つ目のコードD#m7-5はC#m(Ⅵ)へ向かうためのⅡ。
本来次のコードはG#7ですが、ここでは普通のⅤ、Bを使ってます。
BはC#mの長2度下のコードなので、偽終止的にC#mへ解決することが出来ます。(Ⅴ→Ⅵのニュアンス)
間に挟んであるCdimはパッシング・ディミニッシュ。長2度動くコード進行をなめらか~にしてくれてます。

2段目も同じメロディを歌っていますが、コードはC#mと違ったものを使っています。
このメロディの違った一面が見れる。そういったおいしさがあります。

3段目は順当な接続。
4段目はルートが1音ずつ上がっていっています。
音は本来下へ下がりたい性格を持っているので、それに逆行する動きは意志を感じたり、エネルギッシュなものを感じたりします。
もう一回繰り返すサビに向けてエネルギーを蓄えている感じがあります。


サビ後半

E   D#m7-5 B Cdim
Ⅰ  Ⅱ→Ⅵ Ⅴ pass

C#m Bm7 E
Ⅵ   Ⅴm Ⅰ

AM7 G#m7 C#m7
Ⅳ   Ⅲ   Ⅵ

F#m7 EonG# A Bsus4 E
Ⅱ   Ⅰ^1  ⅣⅤ   Ⅰ

1,2,3段目は1回目と同じ。
最後が1回目はⅤで終わる半終止だったのに対し、2回目は全終止。
こういったところから、作曲の基本みたいなものもみられます。
全終止して一旦落ち着くことで、同主調のE-minorに転調しやすいようにしているとも考えられます。



ゴリ押しのプロモーションなどで叩かれることの多いエイベックスですが、やはり内容の濃い音楽をやってるグループがたくさんあります。
ジャニーズだからとか、エイベックスだからとかじゃなくて、やっぱり音で評価しようぜ!ってことですな。
J-popを分析する日記はAAAを応援しております( ̄-  ̄ )

http://www.youtube.com/watch?v=FeKAfqxinEE