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硬貨を投げる「あごマスク客」に店員が「私、奴隷じゃない」 弁当屋「カスハラ」騒動の意味

弁護士ドットコムニュース / 2021年6月5日 10時4分

これに対し、女性店員が「お客さんじゃないんで、出て行ってもらえますか」と応じたところ、男性は返品時に受け取った硬貨を投げつけ、「金払ったら客だろうが、コラ、オイ」などと声を荒げている。

女性店員はひるむことなく、「お客さんじゃないです」「(お金)払ってもらってないです。投げただけです」と返している。

伊藤さんは、「店員には、場合によっては客を出禁にして良いと伝えてある。お客さんの代わりはいるけど、スタッフの代わりはいない。スタッフを採用するほうが難しいし、コストがかかる」と強調する。

●店員に対する優越感「本当に日本人?」

絡んできたときに、ひたすら頭を下げていれば、“あごマスク男”たちもここまで激昂しなかったかもしれない。

実際、接客業だという“あごマスク男”のひとりは、店員に対して「ないんでしょ、お客さんに対してありがとうって」「本当に日本人?」などと述べている。“格下であるべき”店員が頭を下げず、“口答え”したことで、ヒートアップしてしまったのだろう。

中には店員の対応に疑問を持つ人もいるだろう。しかし、店員なら侮辱に耐えなくてはならないのだろうか。「お前の給料はここで買ったお金で払われてんだろ」となじられた女性店員は「私、奴隷じゃないです」と反論している。怒鳴り、侮辱し、物を投げつけたほうに非があるのは明らかだ。

ただし、場合によっては殴られるなどの危険もある。伊藤さんが謝罪は受け入れないとアピールしているのは、迷惑客を遠ざけ、店員を守るという狙いもあるのだろう。

選択権があるのは、客のほうばかりではない。「店に不満があるなら来なくていい」と伊藤さんは言い切る。

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