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ENTRY NUMBER 04
長編記事公開

2016年入社
第2制作部 ディレクター
R.K
制作実績
(番組名・順不同)
・バイキングMORE
・チコちゃんに叱られる!
・僕ら的には理想の落語 など
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出会ったのは、桁違いの進行管理
テレビ業界を志望したのは、大学時代に始めた“学生新聞”がきっかけです。元々小さい頃からエンタメが好きで、メディアに対して漠然とした憧れがありました。そんな折、たまたま新聞社が発行している学生新聞を知り「私もやってみたい!」と始めてみたのです。自分が興味あることを最初から企画して、取材して、執筆して…という流れが、純粋に面白かったことを覚えています。また、何よりも嬉しかったのが、読んでくれた人の“反響”。当時、私は芸能人のインタビューを担当していたのですが、ある時その記事がファンの方を中心に軽くバズったことがあり、そこに書かれた感想やコメントに感動したんです。
誰かの魅力や新たな一面を形にして多くの人に知ってもらう、そんな面白さを仕事にしたいと考え、テレビ業界、中でも自分が影響を受けてきた作品を数多く制作していた共同テレビジョンへ入社しました。
入社後はADとして約1年ほど経験を積み、2年目の秋に“チーフAD”として『チコちゃんに叱られる!』というバラエティ番組へ入ることになりました。それまで「ADは自分1人だけ」という小規模体制の番組へ参加することが多かったのですが、この番組はスタッフが今までの2倍以上。ADも複数人いて、別の会社のスタッフもいて…という桁違いの規模でした。そんな番組のチーフADとして全体のスケジュール進行をおこなう“制作進行”業務を任されることになったのですが…とにかく大変だったことを覚えています。
まず放送日から逆算して収録日を算出し、それまでに必要なロケの日程や収録後に必要な編集期間などを計算。各社の要望も聞いて全体のスケジュールを作成しつつ、技術さんや美術さんなど関係各所への連絡や発注。さらには編集所の予約や時間調整、全体会議や分科会議などのスケジュール調整など…とにかく“調整”の日々。当時は番組制作の流れを理解しきれていなかったため分からないことも多かったのですが、丁寧にアドバイスを受けるという環境ではなかったので必死に食らいついていました。元々コミュニケーションをとることが好きだったので、各所と連携をとり進行していくのは苦ではありませんでしたが、毎日あっちこっちへと東奔西走していたことを覚えています。
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ふいに訪れた、キャリアの軌道修正
そんな慌ただしい日々を繰り返す中で、徐々に業務にも慣れてきました。また、制作進行を経験すると全体の流れが把握でき、番組作りの細かい役割や段取りも分かってきます。より広い視野で現場を見られるようになり「視野が広がったな」と感じました。
やがて制作進行を始めて1年ほど経ち、自分なりに成長を感じてきた頃…ふと先輩プロデューサーから「ねぇ、何でスケジュール管理ばかりやってるの?」と聞かれました。続けて「元々、ディレクターを目指していたんじゃないの?演出やらなくて大丈夫?」という心配をされたんです。その言葉にふと「あれ? 確かに。ヤバいのかな…」と思ったんです。ディレクターと制作進行は、同じ制作職でもちょっと違う業務。求められる能力も異なります。ずっと演出一筋で歩んできた同期は、既に念願のディレクターデビューを果たしていました。
「なりゆきに任せてここまで来たけど、このままでいいのだろうか…」と不安に駆られ、その旨を上司にも共有。その後、自らの希望や周囲の勧めもあり“ネタ”付きのAD業務へ転向し、入社4年目に念願のディレクターデビューをしました。
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“自分”を意識する大切さ
念願叶ってディレクターデビューを果たしたのですが、最初は一度染みついた“制作進行”気質がなかなか抜けず、戸惑いの日々を過ごしました。制作進行は、相手の意見を伺って調整をする、相手の提案をくみ取って合わせるなど、相手軸に立つことが大事。一方でディレクター業は「“自分”がどうしたいのか」という、自分の意思を求められます(もちろん相手に合わせることも大事!)
「何が良いと思ってこれをやったのか」「どういう演出意図でこれをしたのか」そんな自分の思考を何度も問われ、改めてディレクターという仕事の責任と面白さを感じたことを覚えています。
もちろん始めの頃は、ロケ後の映像のチェックで「いやいや普通こういうときはこう撮るでしょ!」「なんでこれ撮ってないの!?」と初歩的なことで叱られることも。その度に、先輩ディレクターの原稿や映像を盗み見たり、テレビ番組をくまなくチェックしたりと手探りで学んでいく中で…徐々にアイデアを褒められるようになりました。
また、制作進行時代に番組作りの段取りを学べていたことは、ディレクターになった後も大きなアドバンテージになりました。特に最近は働き方改革の影響で、今までADがやっていた業務をディレクターがやるようにもなっています。リサーチや撮影場所の仕込みから番組によってはディレクターがスケジュールの段取りをおこなうこともあるのですが、私は“制作進行”の経験で全体の流れが分かっているため、色々なジャンルの番組へ行っても比較的スムーズに動くことができています。
一歩ずつ、ディレクターとしてのステップを
撮影時間・収録日数が少ない現場は、ディレクターの腕の見せどころです。スケジュールの状況によって撮影するものの取捨選択をし、何を撮影するのかはもちろん、“何を撮影しないのか”の判断をしていくことも重要になります。
しかし、実際に撮り始めるとこだわりが出てきてしまうのも事実で…「出演者のトークが盛り上がっているところはしっかり膨らませたい」「こっち側からもカメラで撮っておきたい」「やっぱりこのインサートも撮りたい」「やっぱりこの後もインタビューを撮っておきたい」…と欲求が爆発することもしばしば。
昨年「僕ら的には理想の落語」という番組のドラマを撮影したときのこと。スケジュールの“押し”や“巻き”を半ば無視して撮影をおこない、気付けば現場の進捗が押しまくってしまったこともあります。最終的には総合演出が「いいかげんにしろ!」と出てきて、現場の指揮を奪われる事態に…。その後ものすごく叱られましたが、もっと悲しかったのは押したせいでさらに先のシーンを断念せざるを得なくなったこと。短所である優柔不断な性格、そして計画性のなさが炸裂してまった結果でした。自らの考えるイメージや番組づくりを形にできる点はディレクターのやりがいの最たるものですが、一方で形にする上での条件を意識する大切さを学んだ出来事です。
きっとこれからも、慣れない業務に出会うたび苦労するとは思いますが、一歩ずつステップを上がっていければと思います。 長年の夢は、リアリティショーと映画の制作。過去の自分自身の心を震わせた“作品”に並ぶものを作るため、試行錯誤中です。
※内容は、すべて取材当時(20年11月時点)のものです
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